うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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同じ週のW杯で男女のエースが優勝した日本ジャンプ陣

2012年03月05日 | ウィンタースポーツ
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子蔵王大会第1日は3日、山形市蔵王で行われ、個人第11戦(HS100メートル、K点90メートル)で、15歳の高梨沙羅(北海道・上川中)が念願の初優勝を果たした。今季始まったW杯女子で日本選手として初めて勝ち、国際スキー連盟によると男子を含めて最年少のW杯ジャンプ優勝となった。
 高梨は1回目に最長不倒の102・5メートルで124・9点をマークして首位。2回目は助走路の状態が悪いなどの影響で中止となって優勝が決まり、総合は3位に浮上した。
 95・5メートルの113・7点で2位になったサラ・ヘンドリクソン(米国)が、2戦を残して初代総合優勝者となった。岩渕香里(長野・飯山高)は11位、葛西賀子(日本空調)は12位だった。

〔共同通信 2012年3月3日の記事より〕

全日本スキー連盟のジャンプの関連ページ
今季のW杯の日本男子選手の成績(全日本スキー連盟HPより)
今季のW杯の日本女子選手の成績(全日本スキー連盟HPより)
伊東大貴オフィシャルサイト
高梨沙羅の応援サイト


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3月3~4日に山形市蔵王で行われたノルディックスキーのW杯ジャンプ大会。女子ジャンプは、再来年の2014年ソチ五輪に新しく正式種目に採用されます。女子ジャンプのW杯が行われるのは、今季が初めてです。今大会は、シチュルク(ポーランド)の代替大会を含めて、2日間で3戦が行われました。今大会前まで、9戦中6勝していたサラ・ヘンドリクソン(米国)と、1月にオーストリアのインスブルックで開催された冬季ユース五輪で優勝した中学3年生の高梨沙羅との、「サラvs沙羅」の対決に注目が集まりました。

3日の午前中に行われた個人第10戦は、高梨が1回目に98.5mをマークして、首位のヘンドリクソンに次いで2位に付けます。2回目は、高梨は99.5mをジャンプして、ヘンドリクソンよりも飛距離で大きく上回るも、飛型点で僅かに1.1点差で及ばず、W杯で3戦連続2位に。一方、ヘンドリクソンは3連勝を飾りました。代替大会扱いの午後の個人第11戦は、1回目に高梨がただ1人ヒルサイズ越えとなる102.5mのビッグジャンプを決めて、圧倒的な飛距離で飛型点のマイナスポイントをカバーし、首位に立ちます。その後、気温の上昇と風の影響で2回目が取り止めとなり、1回目の成績のみで順位が確定。高梨は、男女を通じて日本人最年少でW杯初優勝を飾りました。

高梨の連勝を期待された、翌4日の個人第12戦。1回目こそ最長不倒の99.5mをマークして2位に付けるも、2回目は風の影響などで終盤に失速してK点に届かずに89.5mに終わり、ヘンドリクスの牙城を崩すには至りませんでした。なお、今大会で高梨に2勝1敗と勝ち越したヘンドリクスは、3日の個人第11戦を制した時点でW杯ランキング1位が確定し、初代のW杯総合王者となりました。高梨は遠くへ飛ぶことに関しては文句無しですが、やはり着地の際のテレマーク姿勢が課題ですね。ただ、今季は、初のW杯の開催、ユース五輪と世界ジュニア選手権への参加など、昨年12月から遠征や試合の連続で、両足の脛に痛みが出ていたのが、テレマーク姿勢を入れられなかった理由だそうです。それだけに、体力の強化が、2年後のソチ五輪でメダル獲得に向けた課題となるでしょう。

国内では高梨の活躍で沸きましたが、忘れてならないのは男子です。男子で唯一、ナショナルチームメンバーで「ランクA」に指定されている伊東大貴が、3月4日にフィンランドのラハティで行われた個人第22戦で優勝しました。伊東は、初優勝した1月の札幌大会に続いて、今季W杯3勝目を飾りました。この試合を映像で観ることは出来ませんでしたが、日本スキー連盟のHPによると、強風の影響で予定されていたラージヒルが取りやめになり、急遽W杯で今季初のノーマルヒルの大会となった経緯があります。ノーマルヒルはスピードが出ない分、しっかりとした技術がないと勝てないといわれてます。伊東は、前日の3日には、ノーマルヒルの団体戦に出場して73.5mの大失速したばかりなので心配されたが、今大会は1本目に93.0mで首位に立ち、2本目も92.0mと崩れることなくまとめて、海外の大会で初のW杯優勝を飾りました(竹内択も5位入賞)。現在伊東はW杯総合6位に付けているので、残り4戦で好成績を残して、少しでも上位に食い込んでほしいです。


〔追記〕
3月8日にノルウェーのトロンヘイムで行われたW杯個人第23戦(HS140m、K点123m)で、伊東大貴が合計295.1点で、4日の個人第22戦に続き今季4勝目を挙げました。伊東は1回目に137.5でで2位につけると、2回目にはジャンプ台記録となる141mを飛び逆転。伊東が今季の表彰台に上るのは4戦連続の9度目で、個人総合争いで4位に浮上しました。ちなみに、トロンヘイムは、今から19年前の1993年に世界選手権が開催地で、原田雅彦が日本人で初めて同大会でラージヒルを制した場所で知られます。なお、伊東の勝利は、日本男子にとってW杯個人通算60勝目となりました。



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