うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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女子ハンドボールのロンドン五輪アジア予選の組み合わせが決まる

2011年08月18日 | 団体球技(室内)
◆女子ハンドボール・ロンドン五輪アジア予選の組み合わせ(7ヶ国が参加)
(2011年10月12~21日まで中国・常州で開催)

・予選リーグ
A組:カザフスタン、中国、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラク
B組:日本、韓国、北朝鮮、カタール

・日本の日程
(試合開始時間は現地時間で表記。日本との時差は+1時間)
10月13日(木)17:00 vsカタール
10月15日(土)17:00 vs北朝鮮
10月17日(月)17:00 vs韓国

準決勝:10月19日(水)、決勝:10月21日(金)

※予選リーグの各組2位までが準決勝に進出し、タスキ掛け方式で対戦。
  1位が本大会の出場権を獲得し、2位が世界最終予選に回ります。
  (なお、12月の世界選手権の結果によっては、世界最終予選のアジア枠が増える可能性があり)

注1)ウズベキスタンとイラクが不参加となったので、A組は5ヶ国から3ヶ国に変更となりました。
  なので、本文も訂正いたしました。

注2)10月11日にカタールの出場辞退により参加チームが6ヶ国となった為、アジアハンドボール連盟(AHF)の大会規程により、参加6ヵ国による1回戦総当たりのラウンドロビン方式となり、レギュレーションと日程が変更となりました(→詳細はこちら)。



日本ハンドボール協会の関連ページ
ロンドン五輪アジア予選の詳細の日程(日本ハンドボール協会HPより)
昨年11月の広州アジア大会の詳細の成績
昨年12月にカザフスタンで開催されたアジア選手権の詳細の成績


                             *  *  *  *  *


男子に先駆けて行われる女子ハンドボールのロンドン五輪アジア予選。4年前にカザフスタンのアルマトイで行われた北京五輪アジア予選では、男子と同様に審判の判定を巡るトラブルが発生し、後に東京で日韓両国の間で再試合が行われて、世間の注目を大いに集めました(なお、アルマトイで行われたアジア予選の結果は最終的に有効となります)。今回の女子のロンドン五輪アジア予選は中国の常州で行われます。大まかなレギュレーションを申し上げると、参加7ヶ国を2組に分けて1回戦総当りの予選リーグ戦を行い、各組上位2チームが準決勝に進出。最終的に決勝戦を制した1位のチームのみに五輪出場権が与えられます。2位は来年5月に行われる世界最終予選に回ります。ただし、世界選手権の結果次第では、予選3位以下の国にも世界最終予選のアジア枠が増える可能性があります。なお、世界最終予選の対戦相手はまだ未定です。

予選リーグの組み合わせは、日本が入ったB組は、北京五輪銅メダルの強豪韓国をはじめ、北朝鮮とカタールと同じ組となりました。A組は、開催国で昨年11月の広州アジア大会優勝の中国、昨年12月のアジア選手権優勝のカザフスタン、トルクメニスタンの3ヶ国のグループです(当初参加予定だったウズベキスタンとイラクは辞退)。A組は、北京五輪に出場した中国とカザフが上がってくるのは間違いないでしょう。一方、B組は、実力を考慮すると韓国と日本の順で予選リーグを勝ち上がることが予想されます。明らかに実力が劣るカタールが完全な草刈場です。ただ、昨年のアジアの2つの大会でいずれも5位に入った北朝鮮は要注意の存在です。日本は広州アジア大会の初戦で北朝鮮を31-27と下してます。万が一、北朝鮮に白星を得られないと、最終戦に予定されている韓国戦に勝負を賭ける必要が生じます。弾みをつける為にも、曲者を相手にしっかり勝利を飾らなくてはなりません。

女子は12月の世界選手権の結果によって、世界最終予選のアジア枠の変動があるとはいえ、今回のアジア予選で3位以下だと、他国の成績に己の運命を委ねられる危険な状況となるので、最低でも自力で決勝に進出しなくてはなりません。ただ、日本は黄慶泳監督(日本リーグのオムロンの監督も兼任)が就任して以降、対中国戦は5連敗を喫しているので、ここのところ苦手にしている嫌な相手です。しかも、中国は大柄のチームで、自国開催だと審判の笛を含めて強さを発揮するので、準決勝で彼女らとの対戦を回避して、カザフと戦うのが好ましいです。カザフは自国以外だと借りてきた猫のように大人しいですが、アジアハンドボール連盟(AHF)の女子部門で発言力があると言われてるので、決して油断は出来ないです。しかも、大柄の白人選手が多いカザフはアジアでは異質な存在です。ハンドはコンタクトスポーツなので小柄の選手が多い日本は不利です。しかも、日本が属するB組は、A組に比べて試合数が1試合多いです。日本はしっかりと調整しないと厳しい戦いとなるのは必至です。

男子と同様に、女子も国際的な実績から判断して、韓国が今回のアジア予選を勝ち抜く最有力候補なのは間違いないでしょう。なにせ、韓国の女子ハンドは、五輪初出場となった1984年ロサンゼルス大会以降は金2・銀3・銅1とメダルを量産し、2000年シドニー五輪で4位に終わった以外は、毎大会メダルを獲得している世界的な強豪国です。しかも、日本は韓国に対し、通算対戦成績では48戦6勝40敗2分と大幅に負け越してます。ただ、黄慶泳監督就任以降は、対韓国戦は6戦2勝3敗1分とまずまずの成績を収めてます。中でも、広州アジア大会の準決勝で29-28で勝利して、韓国の大会6連覇を阻止したのは非常に価値があります。とはいえ、男子と同様に、日本は東日本大震災の影響で強化スケジュールが大きく狂っているだけに、海外開催の五輪予選でアジアのライバルを立て続けに破って五輪切符を得るのは、正直今の実力では厳しいと言わざるを得ないです。体格に優れた欧州勢が集結する世界最終予選に進んでも同様です。

女子ハンドは、1976年モントリオール大会以来、実に36年間も五輪から遠ざかっており、日本の全ての団体球技を通じても長期間のブランクが開いた競技となってしまいました。五輪は12チームしか出られない狭き門ですが、再び世界の桧舞台で戦う日本代表の姿をこの目でしっかりと見届けたいものです。



▼女子ハンドボールのロンドン五輪の出場資格
(本大会は12ヶ国が参加)

・開催国(英国)
・五輪前年に開催される世界選手権の優勝国
・欧州、アジア、アフリカ、米大陸の各大陸予選の1位国(欧州はノルウェー)
・世界最終予選から6ヶ国
(4チーム×3組で1回戦総当たり戦を実施し、各組2位までが出場権獲得。会場は既に五輪出場権を獲得した国を除いた世界選手権上位3ヶ国で開催)

※世界最終予選(2012年5月25~27日)の参加資格は、世界選手権2~7位国、各大陸予選の2位国、世界選手権で好成績を収めた国が属する2大陸に各1ヶ国ずつの合計12ヶ国に参加資格を付与(既に五輪出場権を獲得した国は除く)。
  なお、世界選手権2~7位国が五輪出場権を得た場合は、同大会8位国に世界最終予選の参加資格を付与(複数ある場合は順次繰り上がる。オセアニア代表の成績によっても変動)。


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