SOHO@軽井沢

仕事の話はほとんど出てきませんが、軽井沢でSOHO生活してます。

江戸東京たてもの園(2)

2008年03月29日 20時38分24秒 | 建物探訪


港区白金にあった小寺醤油店の店頭。
酒瓶やら果物の缶詰(昔はご馳走だった~)が並んでいる。



壁には昔のポスター。
紙が新しそうなので、移築時に貼ってあったものではないと思うが。



レジスター。
気安く「レジ」なんて呼べない雰囲気。やはり「レジスター」でないと。



神棚もちゃんと祀ってある。



足立区千住元町にあった子宝湯。
てりむくりの重々しい唐破風が玄関に付く。



脱衣所は格天井。



銭湯には付き物のはかり。



ペンキ絵は当然富士山。



その下にはお店の宣伝。



台東区下谷の言問通り沿いにあったという居酒屋・鍵屋。
この屋号からすると、のれんの奥にいる主人は女将じゃなくておやじか。



おい、おやじ。一本付けてくれぃ。

他にもいろいろな家があったが、前日、林芙美子邸で興奮して写真を撮りまくったためにデジカメが途中でバッテリ切れとなってしまった。たった1軒の家だというのに140枚も撮っていた。
前川国男や堀口捨己と言った建築家の家もあったが、それらを撮ってくることができなかったのが残念無念。
閉園時間となり、追い出されるように公園をあとにした。にせものの作り物を寄せ集めた変なテーマパークよりもよほど面白い。ここにあるのは全部本物だ。ここだけでまる一日は充分愉しめた。

江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園

江戸東京たてもの園(1)

2008年03月27日 19時16分01秒 | 建物探訪
林芙美子邸に行った翌日、今度は小金井公園内にある江戸東京たてもの園に行ってみた。ここも東京に住んでいる頃から行ってみたいと思っていた場所だったのだが、行かないうちに軽井沢に引っ越してしまった。

そんな話はさておき、小金井公園はJR武蔵小金井駅からバスに乗って5分のところにある。公園内を歩いて5分ほど歩くとたてもの園があった。
園内には各地から移築された建物が20数軒建てられている。



港区赤坂にあった高橋是清邸。
茶房になっていて、ここで一休みができるようになっている。
是清は2.26事件で青年将校によって自宅で暗殺されたが、それがこの家だ。

総栂普請という材料には贅を凝らした家だが、室内はいたって質素な雰囲気で、是清さんの人柄を感じさせる家となっている。



窓の桟は細くて上品な感じ。
そして、ガラスは昔のゆがみが入ったもの。写真でも外の風景がゆがんでいるのがわかるだろうか。



縁側のカド部分も明るい光が入ってくる。



東の一角には東京の下町の建物が集められていた。
古い農家の建物も数軒建っているが、この下町エリアの方が自分にとっては懐かしい感じがして面白かった。



都電も展示されている。



看板にあるのは「ナハ」ではなくて、「ハナ」。花屋だ。



屋上には洗濯物も忠実に(?)再現されていた。



路地裏だってちゃんとあるのだ。
もちろん布団やら洗濯物やらが干してある。



文房具屋の店内。
建物だけでなくその中身もそっくり移してあるのが面白い。

(続く)


林芙美子邸(4)

2008年03月26日 21時01分34秒 | 建物探訪
林芙美子邸の最後は庭。
かつてこの庭のほとんどは孟宗竹で蔽われていたそうだ。
いまは竹のほとんどは刈られているので、どこまでが当時の面影を残すものなのかはわからないが、現在の庭も気持ちのいいものであることは間違いない。



庭を横切る敷石は心地良い曲線を描いている。



仏の像の彫られた石龕塔も置かれる。



石仏もさりげなく置かれていて、鄙びた雰囲気がある。



敷石もさまざまな形のものが使われている。



つくばいには手作りらしいひしゃくが添えられ、落ちた椿の花びらを受けていた。

林芙美子記念館

(林芙美子邸おしまい)

林芙美子邸(3)

2008年03月19日 17時55分13秒 | 建物探訪
そして、この家は壁や天井、床などの素材にもいちいち凝っている。



浴室の天井。
細い竹は夏なら涼しげだし、冬なら暖かく見えそう。



茶の間の縁側カドの天井。



同じところの床。
木の貼り方がお茶目。



確か書斎部分の天井。
外に行くにつれて角度が付けられている。
そして、それぞれ素材も変えている。



こういう天井も。



書斎の北側にある縁側部分を外から見たところ。
障子が縁側の外側上部に貼られている。

(もうちょっと続く)

林芙美子邸(2)

2008年03月14日 20時54分43秒 | 建物探訪
続いて林芙美子邸室内の写真を。
室内、と言っても部屋には入れないので、いずれも外からの写真。



住居棟の玄関。
大きな段差が目立つ。上がってすぐのところが畳。
編集者はここから上がって右の間に通されたという。
写真に写っていないが左側にも上がり框があって、こちらから縁側の見える茶の間に直接行けるようになっている。



玄関を上がって右側の部屋。
編集者が原稿の出来上がりを待った部屋だという。



上と同じ部屋。床面と同じ高さの窓からは夏ならば涼しい風が入ってきそうだ。



上の窓を外から見たところ。



玄関を上がって左側の先にある茶の間。縁側があって、庭がよく見える。



上の茶の間を外から見たところ。
大きな開口部から縁側に光が差し込む。



当初、芙美子の書斎になる予定だったアトリエ棟側の部屋。
明るすぎるので書斎に使うのをやめたのだという。



この部屋を庭側から見る。



この部屋から2軒の家の間にある木を眺める。



当初納戸として作られた部屋だったが、芙美子はこの部屋を書斎に使った。
程よい広さが仕事をするのにちょうど良さそうだ。
雪見障子を上げた窓から庭の景色が良く見える。

林芙美子邸(1)

2008年03月12日 22時03分22秒 | 建物探訪
『放浪記』や『浮雲』で知られる林芙美子だが、その著書を読んだ事はなくどんな話を書く人なのかはよく知らない。ただ、自宅を建てるにあたって200冊の建築書を読み、大工を京都に見物に連れて行くなど、自ら建物の研究をして、こだわりの家を建てた人だということは知っていた。
その家は今も「林芙美子記念館」として公開されている。
その話を聞いたのはもうずいぶん前のことで、ずっと行ってみたいと思っていた。
しかし、行ってみたいと思う場所が近くにあるとなかなか行かないもので、そこに行ったのは東京を去って1年以上が経った今年の2月、東京にも雪が降った翌日のことだった。

土曜日の昼下がりに新宿駅から西武新宿線に乗り込む。がらがらの室内の床には冬の低い日差しが長い影を作っていた。最寄り駅の中井駅で下車する。初めて降りる駅だ。大きなマンションがいくつか建てられているものの駅前には昔の東京を思い起こさせる程よい大きさの商店街があり、商店街を抜けると静かな古い住宅街だ。

駅を降りて山手通りの下をくぐると右手に見える道はみな坂道だ。
順番に一の坂、二の坂と名前が付けられていて、林芙美子邸は四の坂沿いにある。



四の坂沿いに開いた玄関。ただし今はここからは入れない。



建物は芙美子名義の住居棟と画家であった夫名義のアトリエ棟の2つからなる。
受付を済ませて入っていくと、最初にこの2つの建物の間を通っていく。
正面に見えるのが芙美子が好きだったというザクロの木。



ザクロの木付近で振り返って撮ったのが上の写真。



そのザクロの木付近から生活棟側を見る。
山口文象設計のこの家はモダンな数寄屋造り風な面と芙美子の好みらしい民家風の印象を合わせ持っている。



芙美子の母が使っていたという住居棟の奥の小間。屋根が民家風。



敷地の裏手は斜面になっていて、散策のために登ることができ、家の裏手に紅白の梅が並んで植えられているようすを上から見下ろすことができた。
雪に覆われていた2月の軽井沢だったが、東京はもう梅が咲いていた。

(続く)

林芙美子記念館

気象観測データをグラフに

2008年03月05日 17時38分42秒 | 日常
事の発端は、新築する自宅の風呂や給湯の熱源をどうするかということだった。
エコキュートを調べた際、それには大きく分けて2種類あることがわかった。それは、寒冷地用と寒冷地でない場所用。
寒冷地用なら-20度までの動作が保証されるが、そうでない地域用は-10度までとなっている。軽井沢の場合、平気で-10度を割る日があるので、寒冷地用でないとダメだろう、ということはわかった。だが、-20度を切ることはないのだろうか。

それを調べているときに、気象庁のホームページに過去のデータがあることがわかった。ここで年ごとの気象データを表で見る事ができる。
その結果、1941年からのデータがあり(1947~1964までは無し)その間、もっとも低かったのは1984年の-19.1度であることがわかり、それならエコキュート寒冷地用で問題ないだろうという結論を得る事ができた。(しかし、最終的にエコキュートは採用しないことにした。その理由は別の建築ブログの方で)

そして、最近、温暖化しているというが、その傾向は気象データの上でも確実にわかるものだろうかと思った。しかし、数字の羅列ではいまいち、その傾向はよくわからなかった。

じゃあ、こいつをグラフ化してやろう、
ついでにウェブ上で公開し、誰でも使えるようにしてやろうじゃないか。
と、どういうわけか技術者魂に火が点いてしまい、作ったのがこれ

ブラウザ上で地域と表示させたい観測データの種類を選ぶとグラフを表示してくれる。観測地点は複数選択できるので、たとえば軽井沢と札幌はどちらが寒いのかということもすぐにわかる。

ご利用の際には、このページの注意事項をよく読んでください。
もちろん無料です。

なお、選択肢に表示される観測地点は私の怠慢によって現状はごくわずかしかありませんが、気象庁ホームページにある観測地点はすべて入れることができます。見たい地点のデータがある場合は、「都道府県名」「地点」をコメントに書いてください。追加しますので。

最後に技術的なことを少し書くと
使用したスクリプトはRubyとJavaScript
グラフ表示はGruffを使用。

Rubyは今回初めて本格的に使ったが、C++使いの自分にとっても手に馴染みやすい感じがあって好感触だった。評判がいいのは知っていたが、これはいいと思う。

手順


地点を設定する。
ここでは1つ目は軽井沢、「追加」ボタンを押して2つ目は札幌を選択している。
終わったら「OK」をクリック。



グラフに表示させたい観測データを選択。
ここでは「最高気温」と「最低気温」にチェックを入れている。
「OK」をクリックすると



グラフが表示される。
軽井沢と札幌では気温に大差ないことがわかる。
むしろ軽井沢の方が寒いくらい。