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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【minisotock-02(lab)】土間のある家-省エネルギーな小さい家-

2016-06-06 20:15:22 | ministock-02(lab)
このブログでちょいちょい語っていますが、戦争で日本の住宅文化は失われました。
今ある住宅の原型は戦後復興の過程における欧米への憧れから生まれたnLDKの住まい(私の超偏見)が中心で、本来の日本の住まいである田の字型の間取りや町屋はほとんど見られません。

よって、かつて日本の暮らしに寄り添っていた土間空間を現在の新築住宅ではほとんど見ることができません。








単に個人的に土間が好きなので熱くなっているだけですが、かつての土間空間を現代の住宅で表現したいと思ったのが、ミニストック-ラボの始まりです。

ネイティブディメンションズ流の現代版土間の解釈は半屋外であること。

近所の友達が来たら、「とりあえず入んなよ」。
合羽乾かしとこっと。
チャリはその辺置いといて。
埃っぽいからとりあえず置いとこ。
涼しいとこに置いとこ。
明日も(外で)使うから、とりあえず置いとこ。


が、できるのが半屋外。

屋内じゃない。

ほぼ外。

とりあえず屋内ではしたくない、入れたくない。


まずは、中途半端に開け放しができる引戸であること。
換気と通風、明かりの取り入れを調整しやすいように。
外から大きな段差無しに入れること。
つまり、トントン、「山」「川」「よし入れ」「誰にも見られなかったか」「おう、大丈夫だ」ができるように。


コート濡れちゃった。家ん中に入れたくないから、(ハンガーに掛けて)乾かしておこっと。
毎回雨降る度にビニ傘買ってる気がするな。まぁ、いっか(棚に)掛けとこ。今度誰かにあげればいいんだな。
寒くなってきたから、鉢植え入れないと。来年の春までここにいてね。


野菜もらってきたけど、まだ砂だらけだな。とりあえず、下に置いとこっと。
工具はここに入れとこっと。油っぽいから家ん中には入れたくないもんな。
ここに腰掛けると靴履くの楽なんだよね。


明日もスケボーの練習しよっと、
自転車にグリス噴きたいけど、今日雨だからここでやっちゃお。
スノボのメンテナンスしたいけど、家ん中ですると怒られんだよな。
スノーダンプ明日も使うから、置いとくか。
「あ、いらっしゃい。どうしたの。とりあえず入んなよ」
農家のおばちゃんから枝豆もらってきたよ。久々に枝豆もぎでもするかな。音楽でも聞きながら。
やべぇ、クリスマスケーキ冷蔵庫に入んないよ。とりあえずここに置いとくか。
もしかして、ここで雪室できちゃうんかね。(いやぁ、さすがにそれは・・・)

ひどい妄想癖の持ち主です。

でも、全部家の中ではやりたくない事できない事。
かと言って、外でもやりたくなかったり、できなかったり。

このぼやぁ~っとした曖昧さが自然と共生してきた日本の良さだと思うんです。

よって、断熱材を入れない空間。
空調しないただの小屋。
高性能住宅に無性能スペースをくっつける。(ただし、耐震性能はあり)

それがミニストック-ラボです。



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