晩秋、柿などのこずえに実がポツンと一つだけ残っているのが木守り(きもり)です。木守りは最後まで一つ残って木を守るから、そう呼ばれるそうです。あるいは、「木名乗り」で、実を全部落としてしまうと銘柄が分からなくなるので、一つ残しているとも言われています。日が照り、雨が降り、大自然の恩恵を受けて枝もたわわに実ったのを、すっかりもぎ取ってしまうのは、人間様の横暴と、亡き父が言っていたのを思い出します。こずえに一つ残しておくと、鳥達が来てついばみ、やがて実は遠く運ばれて芽をふきます。木の実と鳥と、人間とが互いに信頼を循環させて、大自然と仲良く共存しているのです。小さくて種ばかり大きなシブガキがガラガラガキです。そのシブガキも皮をむいて日に干せば、すぐ甘くなるので、「カキ根性」と言えば、すぐ気が変わりやすい性格の事。反対に変わりにくいのが「梅根性」。同じ日に干しても、梅干になって、いつまでも酸っぱいのです。
柿はアメリカ、カルフォニア州やフロリダ州、イタリアなど地中海沿岸諸国にも有ります。がこれらは日本から運ばれた栽培種です。フランスでは日本語そのままの「カキ」と呼びます。
果物の中で、私の大好物は柿です。福岡県と大分県の県境に柿の生産地で有名な杷木(はき)市があります。毎年、今のシーズンに友人が杷木の柿(富有柿フユガキ)を送ってくれます。甘くて、栄養たっぷりです。チャンスが有りましたら、果物屋さんで、富有柿、ご賞味してみて下さい。 柿は英語で(japanese) persimmonです。渋柿はan astringent persimmon、干し柿はa dried persimmonと言います。ついでに柿色はyellowish red、柿渋はthe bitter juice of the persimmon, persimmon tanninです。
添付写真は、大分県、湯布院亀の井別荘のもみじです。真っ赤に染まって見事です。