意識のない父から届いた「人生をかけたメッセージ」

このたびはたくさんの方から、あたたかいお悔やみのお言葉をいただき、
本当にありがとうございました。

どれほど心の支えになり、エネルギーをいただいたことか・・・。
感謝の気持ちでいっぱいです。

人は一人で生きているのではないんだなぁ・・・
と、父が緊急入院して以来、しみじみ感じてきました。

みなさま本当にありがとうございました。

今日は意識のない父から届いた「人生をかけたメッセージ」を、
みなさんにシェアしたいと思います。

父が緊急入院して、わたしが一番悩み苦しんだことは、
「命の選択」をしなければいけないことでした。

病院で血液検査、レントゲン、CTなどをとっていただき、
脳内に大量の出血があることが分かりました。

医師から「くも膜下出血ですね」と言われ、
「どうされますか？手術をされますか？」と尋ねられました。

医師の話では、

「CTの状態から見て、今、亡くなってもおかしくない状況です。
手術をしても後遺症が残るかもしれない。
手術中に亡くなってしまうケースもあります。
もしかしたら奇跡的に後遺症が残らない・・・というケースもあります。
それはなんとも分からない・・・。」

と言われました。

そして

「お父さんは腎不全で、透析が必要になってきていました。
ですが、うちの病院で昨年、透析の話をすすめた時、
『透析はしない』と拒否をされました。

透析をしないと、相当苦しむことになりますよ。
それでもいいんですか？と何度もお伝えしたのですが、
お父さんの意志は変わりませんでした。

お父さんは相当の覚悟で、透析をしないと決めておられたんだと
思います。

脳の手術をして助かったとしても、このあと腎不全、
アルコール肝炎をもっておられるので、
体の状態は大変厳しいです。

透析をしないと決めておられるお父さんにとって、
今後、大変苦しむことになるかもしれません。

どうされますか？

手術をされますか？それともこのまま看取られますか？」

先生からこう告げられて、わたしはパニックになりました。

実は透析のことでは、父と姉、わたしの三人で
昨年、何度も話しあいをしてきました。

父は

「もう来年80歳だから、透析はいい。
もし亡くなることがあったら、それが寿命なんだ。
わしは自然な形でまいらしてもらいたい」

と何度も言っていました。

「もしもの時にも、延命治療はいっさいいらないから」

とも繰り返し言っていました。

医師の言葉にも、娘の言葉にも、父の意志は変わりませんでした。

父は決して人生をあきらめているわけでも、
投げ出しているわけでもなく、父なりの生き方として
そう決めていたようです。

医師から決断を迫られた時、

「父は延命治療はいっさいいらないと繰り返し言っていた・・・。
だから、父に意識があればきっと、手術はいらないって言うんだろうな・・・」

と頭では分かるのですが、手術をしないということは、
看取りをするということで、父の命の期限を、わたしと姉が決めることになります。

その決断に、手の震えが止まらなくなり、涙がとめどなく流れました。

どうしていいか分からなくなり、病院の廊下で対話をすることにしました。

その時届いたメッセージです。

◆　　◆　　◆

死は忌むべきものではない。

悲しむことではない。

死は肉体から離れて、光に戻ること。

このことが分かれば、悩んでいたことがクリアになり、
どうしたらいいか、答えが見えてくるだろう。


◆　　◆　　◆

このメッセージを受けて、わたしの中の迷いが少しクリアになりました。

そして、姉と話しあった結果、父が昨年から言っていた
延命治療はしないという形で、「看取り」を選択することにしました。

大きな大きな決断でした。

いろんなご意見があると思います。

たったひとつの正解なんてない。

自分の決断に、これで絶対によかったんだという
いっさいの迷いがないかというと、ウソになります。

どんな選択をしたとしても、迷いはきっと出てくることでしょう。

そんな時、意識のない父からメッセージが届いたのです。

そのメッセージにわたしは感動で涙が止まらなくなりました。

『人生におけるすべての決断は、ゆるされる』


父はそう言ってくれました。

ものすごくあたたかい光に包まれるような言葉でした。

たった一言の中に、父からの愛があふれていました。

生きていると、大きな選択をしなければいけないことがあります。

例えば、80歳で寝たきりになり、口から栄養がとれない方が、
「胃ろうをするか？看取るか？」でご家族が悩まれることがあります。

答えが出せない。
どうしたらいいか？

と以前、セミナーの質問コーナーの中で、
参加者の方から質問されたことがあります。

これも、いろんなご意見があると思います。

たったひとつの正解なんてない。

だから、自分が「これが最善の愛だ」と思うことを選択すれば、
それでよいのではないかと、わたしは思います。

『人生におけるすべての決断は、ゆるされる』

父が人生をかけて伝えてくれたメッセージ、
みなさんに届きましたでしょうか？

自分の決断に苦しんでいる方の心が、少しでもラクになりましたら
嬉しく思います。

父は、わたし以外にも、いろんな方のところに
メッセージを残して魂のふるさとに旅立ちました。

そのメッセージは、次回のブログでお伝えいたします。