ブログ de なんで屋 @東京

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3月20日なんでや劇場レポート① 生物史”新”シリーズ「免疫」

2008-03-22 18:23:25 | なんでや劇場

今回から生物史の中の新シリーズ「免疫」が始まりました~。

タイトルは、「生物史から学ぶ自然の摂理⑧ 免疫細胞誕生の秘密~免疫細胞ができたのはなんで?~」です。今回は、2回に分けてお送りしま~す。

 「免疫」って言葉は、結構聞いたことがありますよね。「免疫力を高めるとか。

病気が治ることや、アレルギーが出てしまうことも免疫機能のおかげ?なんですね。

そんな免疫のことを追求すれば、丈夫な体がついてくるかもってことで、早速いってみましょう。

まずは、免疫機能って何?

大雑把に言えば、異物から身を守る防衛機能ってとこでしょうか。

人類を含む脊椎動物の防衛機能は、大きく分けると以下の3つ。

① 上皮障壁(異物を体内に入れない機能)

② 自然免疫(主に病原体等を食べる、消化する機能)

③ 獲得免疫(抗体を作り出し、病原体を攻撃する機能)

それでは順番に、見ていきましょう。

① 上皮障壁

難しい四文字熟語のようですが、ようは、皮膚、粘膜によって外から入ってくる異物を排除していることを言うんです。

目にゴミが入って涙が出たり、くしゃみや鼻水が出るのも異物を出そうとしている作用なんですね。あまり意識したことはないですが、これも立派な防衛機能なんです。

 ② 自然免疫

ここからがよく言われる免疫っぽい話。免疫細胞の話です。

自然免疫とは体内に入った異物、病原体などを、食作用を使って排出しようとする機能です。その機能を持つ細胞としては、好中球やマクロファージ、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)が挙げられます。

今回はマクロファージに注目!!

マクロファージは、細菌、感染した細胞、ほこりなど何でも食べる大食い細胞(貪食細胞)と言われます。赤血球や白血球の残骸、死んだ細胞なども片付けるそうです。

マクロファージの食作用のイメージはこちら↓

この作用は、病原体などを包み込み、分解酵素で化学分解し、栄養分は取り込み、不要な部分は排出します。化学分解することで病原体を無能化するんですね。

なんか病原体って異物で排除するしかないって感じですが、その病原体からも栄養を取り込もうとするなんて、ホント貪食ですね。

そして、マクロファージは脳や肺など、あらゆる細胞の隙間に存在し、ひたすら食べまくってるそうです。ん~~、やっぱり貪食

と、ここで一つの疑問が。。

ここまで貪食で、死んだ細胞なども食べるということは、生きてる細胞や赤血球なども食べてしまいそうですが、そうならないのは何でか??

これは、細胞膜の部分で同類を判断する伝達物質を受け取り、同類かどうかの識別をしている可能性が高い。なので伝達物質を出せない死んだ細胞なども同類以外と見なし、食べるのだと言えそうです。

生物の認識機能たる膜機能がここでも発揮されてるんですね。参考http://blog.goo.ne.jp/nande_ya/e/2ddcfad0a4856ef4f49946099e231e52

しかし、こんなに貪食なマクロファージでも食べられない(分解できない)病原体やウイルスにはどう対応しているのでしょうか?

今日はここまで。

続きはレポート②で展開していきます。それでは。

 


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (一文字)
2008-03-23 20:33:29
私も参加しました。
いくつか疑問もでてきましたので、改めて投稿させていただきます。
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教えてください! (ミサイルマン)
2008-03-23 20:58:41
「同類の識別」のために細胞膜による認識機能が使われているというのがすごく興味深いっす。

詳しく紹介しているサイトなどあれば教えてください。
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内容が正確でありません (絶影)
2008-03-24 10:41:21
病原体とは、何を指しているのですか?
細菌ですか?ウィルスですか?

マクロファージはウィルスも食べるんですか?
なんでや劇場では「ウィルスは認識できずに食べない」と言ってましたよね?

あと血管内には「マクロファージ」は存在しません。
内容が正確でないですよ。

マクロファージの構造を正確に理解できていないように見受けます。
返信する
造血組織はどこにあるの? ()
2008-03-24 18:12:00
劇場で「造血幹細胞」というのが出てきました。

白血球を含む血液の成分は、骨の中にある骨髄でつくられますが、成人においては、限られた骨の骨髄にしか造血組織がありません。

具体的には、
胸骨、肋骨、骨盤、脊椎(背骨)が主。
あとは、肩、肘、股、膝、足首、の関節部分、つまり、上腕骨の両端、大腿骨の両端、脛骨の両端に造血組織が分布しています(その他手足の骨にちょっとあります)。
限られたところで造られた血液成分が全身にいきわたるわけですね。

面白いのは、この造血組織は、新生児においては全ての骨の骨髄にあること。
新生児は驚くべきスピードで成長していきますが、それに追いつくために血液も全身の骨で造られているんですね。
そこから歳を経るごとにどんどん造血組織は減っていって、上記の場所に概ね固定されます。更に造血組織の能力は歳を経るごとにどんどん弱っていきます。

ちなみに、
どんな血球にも分化しうる能力を持つ細胞を「血球芽(けっきゅうが)細胞」といいます。こいつの分裂スピードはものすごくて、1秒間に200万個といわれます。
劇場で「マクロファージの寿命は3日ほど」という話しがありましたが、血球細胞は短命な分、ものすごいスピードで新造されているんですね。
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コメントありがとうごまいます (しっぷ)
2008-03-25 10:54:12
>一文字さん
是非、るいネットhttp://www.rui.jp/にも質問を投稿してください
なんでや劇場に参加した方が数多く参加されてますよ

>ミサイルマンさん
膜の認識機能については、これまた、るいネットにいくつか投稿されています。たとえばコチラhttp://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=168900

>絶影さん
ご指摘ありがとうございます。
「病原体」については、主に病原菌のことを意味していたのですが、ウイルスも含まれますね。
マクロファージはウイルス自体は食べないと言われてますが、ウイルスに感染した細胞は食べるそうです。

また、確かに「マクロファージ」は血管内に存在しまないと言われています。正しくは、血中内の単球が血管外に出て変化して生まれるそうです。

上記の間違いがあったので、本文中の表現は訂正しました。
参考サイトはコチラhttp://www.biological-j.net/blog/2008/03/000430.html

>隼さん
造血組織のこと、勉強になりました。
これまた、るいネットhttp://www.rui.jp/にも投稿されるとみんなの役に立つと思いますよ。

それとより生物史、生物の構造に興味のある方は、ブログ「生物史から、自然の摂理を読み解く」http://www.biological-j.net/blog/もオススメです。
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