旅限無(りょげむ)

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ネットで募集中 其の壱

2009-03-30 12:38:16 | 社会問題・事件
■今年の1月11日に、
オーストラリアはグレート・バリア・リーフの中心、ウィットサンデー諸島のハミルトン島で「世界で一番いい仕事」の募集情報がネット上に掲載されたと、日本のマスコミでも大々的に取り上げておりました。世界中から多くの応募があって、日本の女性も第一次選考で残ったとか……。金融危機で世界中の観光産業が打撃を受けている中で、オーストラリアはまんまと海外メディアを利用して観光地の宣伝に成功したという次第。この半年で約900万円の給料が貰える「世界最高の仕事」求人募集しているのはオーストラリアのクイーンズランド州観光局ですから、仲介業者や派遣業者は介在していないようです。

■就職活動をするのにネット情報は欠かせないものになりましたが、そこにも正社員と臨時雇いの労働者との格差があるわけですが、きちんとしたHPを開設して正社員を募集している企業がある一方で、派遣労働者向けの日雇い仕事はもっぱら携帯電話のサイトが利用されることが多いそうですが、そこには怪しげなサイトも混在しており、本当に怪しい募集情報が氾濫しているそうですなあ。実際には覗いたことが無いので、本当のところは、その便利さもオゾマシさも知らないのではありますが……。


名古屋市千種区の契約社員磯谷利恵さん(当時31歳)が2007年8月、インターネットの「闇サイト」で知り合った3人組の男に拉致、殺害された事件で……1審・名古屋地裁で無期懲役(求刑・死刑)とされた住所不定、無職川岸健治被告(42)について、名古屋地検は27日、判決を不服として名古屋高裁に控訴した。川岸被告と、死刑判決を言い渡された愛知県豊明市、元新聞セールススタッフ神田司(38)、名古屋市東区、無職堀慶末(33)両被告の弁護側は既に控訴している。同地裁は今月18日の判決で、川岸被告が自首したことなどから死刑を回避した。
2009年3月27日 読売新聞

■裁判印制度などという恐ろしい司法制度の改革が強引に進められている中で、「時効制度」の廃止問題が急に注目を集めたり、「終身刑」の導入を真剣に考える人が増えて来たりしていますが、今のところは残虐非道の犯罪者には「死刑」か「無期懲役」か言い渡されることになっていますから、因果な裁判員に指名されてしまったら途方に暮れるしかなさそうです。「死刑」の方は、人道主義に基づいて廃止論も出ていますが、実際には15年程度で何だカンだと理由をつけて娑婆に戻れる「無期懲役」の方が大問題であります。

■一体、何を考えているのか、さっぱり分からない悲しくも情けない男衆三人組が、携帯サイトで陰湿な談合を重ねて妄想的な変態犯罪を決行したのですから、妄想の標的にされた方は堪ったものではありません。「自首」して来た点を大いに認める裁判官に対して、被害者遺族も検察も、断固として「死刑」を求めているわけで、反対に犯人の弁護側は商売とは言え、あれこれと理由を付けて「死刑」判決を生煮え状態の「無期懲役」にしようと鋭意努力中という虚しい対立がこれからも続くのでありましょう。

■暇を持て余し、稚拙で残虐な妄想ばかりを膨らませて日々を過ごしている困ったオトコたちはいつの世にもいるのでしょうが、携帯サイトという特殊な接触場所が出現したことで、同じ趣味?を共有する機会が爆発的に増えてしまいました。情報化時代だのIT革命だのと大仰に騒いだところで、突き詰めれば「欲とカネ」に行き着く感情の裏側を四六時中刺激し続ける道具が世間に氾濫させただけの事だったのかも知れませんなあ。

■見ず知らずの人間がいとも簡単に残虐な犯罪仲間になってしまうという恐ろしい携帯サイトですから、利用者側は「ご利用は計画的に」を心がけ「無理の無いプラン」を予め用意しておかねばなりますまいなあ。


「密輸容疑で韓国の警察に捕まっている」。今年1月、横浜市内の女性のもとに、音信不通になっていた息子から突然、手紙が届いた。インターネットで知り合った男たちにだまされ、中身を知らないまま、覚せい剤の入った荷物を運ばされたことが記されていた。息子をだました男たちとは、何者なのか。その実態が、先月、東洋大学の学生が覚せい剤を密輸しようとしたとして逮捕されたのをきっかけに明らかになろうとしている--。

■ 1992年6月に、オーストラリアのメルボルン空港で日本人観光客4人が逮捕された「メルボルン事件」を思い出してしまいますなあ。あの事件は「冤罪事件」としてマスコミでも大きく取り上げられたのですが、いつの間にやら真相も追求されずに忘れ去られて行ったようです。最初は人道的に「冤罪だ!」と糾弾した人達の声も聞こえたのですが、短い間に消えて行ったところを見ると、相当に怪しい話だったのかも知れません。

■「メルボルン事件」で発見されたのは、スーツケースの二重底に隠されていた約13キログラムのヘロインでしたから、麻薬に厳しい国だったら「死刑」になってしまいます。日本では大麻事件が頻発しておりますが、それも法律が比較的緩いからかも知れませんぞ。平和ボケに加えて麻薬ボケにもなったまま、外国の麻薬組織に取り込まれるようなドジを踏むと大変なことになります。携帯サイトには恐ろしい世界に通じる入り口がたくさん用意されているそうな。御用心、御用心。

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