竹原BLOG:奈良民話祭り ― グリム童話・メルヘン・語りの文化 とっておきの話。 

夏の奈良民話祭り:8月5日(金)午後3時より奈良町物語館で4回公演!
奈良燈花会に行きがてら、ぜひ来てくださいね!

★グリム童話ミニ講義1★初版は1812年クリスマス刊行されました!

2011年12月05日 | 日記
このブログのタイトルにもあるように
来年はグリム童話が発行されて200年になります。
そこで、本日のブログより、折に触れて「グリム童話講義」を始めます。

1812年12月20日にベルリンのライマー社から発行されました。
この初版は900部発行されたそうです。
これには、みんさんのよく知っている蛙の王さま、ヘンゼルとグレーテル、
灰かぶり、いばら姫、白雪姫などの伝承メルヘン、86話が収録されています。

そのあと、初版の第2巻が1915年に発行されました。
これには、がちょう番の娘、命の水、もの知り博士など70話が
収録されています。


右が初版第1巻(1812年)、左が初版第2巻(1915年)です。(写真は奈良教育大が所蔵する復刻版です。)


この写真は逆に、右が初版第2巻(1915年)、左が初版第1巻(1812年)です。

グリム童話は、原題を Kinder- und Hausma"rchen と言います。
写真をよくみてください。原題を読み取れますでしょう!
日本語に訳すと、『子どもと家庭のメルヘン集』です。

これはグリム兄弟の弟のウィルヘルムが持っていた本なので、
ウィルヘルムによる書き込みもみられます。(タイトル頁の左ページ)

グリム兄弟は、集めた民話を45年かけて、
「聴くメルヘン」から「読むメルヘン」へと万人に親しまれるように
何回も改訂版を出しています。

1819年 第2版
1837年 第3版
1840年 第4版
1843年 第5版
1850年 第6版
1857年 第7版=決定版

第7版には、第1巻に86話、第2巻に114話が収録されていて、合計で200話になります。
これがグリム兄弟が最後に出した版なので、「決定版」といわれています。

少し間をおいて、ブログでグリム童話についてショート講義をします。お楽しみに!


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