今日のブログは新刊情報です。
立命館大学の立命館大学文学部教授 鵜野祐介先生の新著の紹介です。
『昔話の人間学 ― いのちとたましいの伝え方』(ナカニシヤ出版) 4-6版:270頁、本体2,100円+税
先ず、目次を載せましょう:
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プロローグ――昔話学へのいざない――
第一講 「運定めの話」 ―誕生と運命―
第二講 「たにし長者」 (たにし息子)―子ども―
第三講 「鼻たれ小僧さま」 (竜宮童子)―子ども―
第四講 「蟹の仇討」 (猿蟹合戦)―親と子―
第五講 「糠福と米福」 (米福・粟福)―親と子、きょうだい―
第六講 「桃太郎」 ―少年―
第七講 「瓜姫コ」 (瓜姫)―少女―
第八講 「へやの起こり」 (屁ひり嫁)―嫁と姑―
第九講 「舌切り雀」 ―夫と妻―
第十講 「こぶ取り爺」 ―老人―
第十一講「食わず女房」 ―いのちと食―
第十二講「雉むかし」 (鳥食い婆)―いのち・食・性―
第十三講「山寺の鐘」 (蛇女房)―たましい―
第十四講「花咲か爺」 (犬むかし- 花咲か爺型)―たましい―
第十五講「うぐいすの里」 (鶯の浄土)―たましい―
エピローグ
さらに学びたい人のための文献リスト
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以上の目次でわかるように、「糠福と米福」「瓜姫コ」「こぶ取り爺」「花咲か爺」 など15の昔話を題材に、
先人たちが語るいのちやたましいのありようについて考えておられます。
その際、最初にそれぞれの話の「話型」と「モチーフ」を押さえ、
次に、国内の分布状況、書承の古典資料、海外、特にアジア諸国・諸地域における類話や類似モチーフなどを確認することで、
その話の起源と成立の背景、「伝承」と「伝播」の様相を考察しておられます。
その上で特筆すべきモチーフやトピックスについて解説を加えておられます。
そして最後に、語り手が、聞き手、特に子どもたちに対して伝えようとした「原感動」とは何だったのかに
耳を澄ませるとともに、今日の子どもたちにその昔話からどんなメッセージを受け取ってほしいかという
筆者自身の考えについても説得力をもって語っておられます。
戦後の日本昔話の膨大な資料を整理・考察した『日本昔話通観』(稲田浩二/小澤俊夫編著)の研究成果を踏まえて、
説話学上の手堅い考察を行い、その上で臨床心理学・教育人類学的研究にまで及ぶ論述は、
今のところ、他に類書はありません。
是非、昔話愛好家、ストーリーテーラーにもお薦めしたい一書です。
最後に、著者自身からのメッセージを載せましょう!
-----「今こそ昔話を!」------------
今日改めて注目される「昔話の力」について、三つの位相に分けてまとめておきたい。
第一には、昔話が持っている「語りの力」である。
「語ること」によって、
①いやし、はげまし、なぐさめる、②想像する、③創造する、
という力が生まれる。
第二には、昔話が持っている 伝承の力」である。
「伝承すること」によって、①つなぐ、②記憶する、③新たに発信する、
という力が生まれる。
そして第三には「声の力」である。
「声」によって、①相手のこころに呼びかけ、たましいを揺さぶることができる、
②いのちの鼓動を感じることができる。
これら三つの位相からなる「昔話のカ」は、携帯やスマホでのやりとりで事足りると錯覚しかねない
今日の人間関係係を、もっと深くうるおいのあるものにするために、とても重要だと思われる。
とりわけ、これから出産・子育てを迎えようとしている入たちや、保育・教育・福祉・心理臨床をはじめとする対人援
助の現場に立とうと志している人たちに伝えたい。
「今こそ昔話を!」
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本日のブログは、新刊情報を話題にしました。
みなさま、前回のブログで話した「皇帝ダリア」を見かけられました?!
では、来週末、またブログでお会いしましょう!
立命館大学の立命館大学文学部教授 鵜野祐介先生の新著の紹介です。
『昔話の人間学 ― いのちとたましいの伝え方』(ナカニシヤ出版) 4-6版:270頁、本体2,100円+税
先ず、目次を載せましょう:
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プロローグ――昔話学へのいざない――
第一講 「運定めの話」 ―誕生と運命―
第二講 「たにし長者」 (たにし息子)―子ども―
第三講 「鼻たれ小僧さま」 (竜宮童子)―子ども―
第四講 「蟹の仇討」 (猿蟹合戦)―親と子―
第五講 「糠福と米福」 (米福・粟福)―親と子、きょうだい―
第六講 「桃太郎」 ―少年―
第七講 「瓜姫コ」 (瓜姫)―少女―
第八講 「へやの起こり」 (屁ひり嫁)―嫁と姑―
第九講 「舌切り雀」 ―夫と妻―
第十講 「こぶ取り爺」 ―老人―
第十一講「食わず女房」 ―いのちと食―
第十二講「雉むかし」 (鳥食い婆)―いのち・食・性―
第十三講「山寺の鐘」 (蛇女房)―たましい―
第十四講「花咲か爺」 (犬むかし- 花咲か爺型)―たましい―
第十五講「うぐいすの里」 (鶯の浄土)―たましい―
エピローグ
さらに学びたい人のための文献リスト
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以上の目次でわかるように、「糠福と米福」「瓜姫コ」「こぶ取り爺」「花咲か爺」 など15の昔話を題材に、
先人たちが語るいのちやたましいのありようについて考えておられます。
その際、最初にそれぞれの話の「話型」と「モチーフ」を押さえ、
次に、国内の分布状況、書承の古典資料、海外、特にアジア諸国・諸地域における類話や類似モチーフなどを確認することで、
その話の起源と成立の背景、「伝承」と「伝播」の様相を考察しておられます。
その上で特筆すべきモチーフやトピックスについて解説を加えておられます。
そして最後に、語り手が、聞き手、特に子どもたちに対して伝えようとした「原感動」とは何だったのかに
耳を澄ませるとともに、今日の子どもたちにその昔話からどんなメッセージを受け取ってほしいかという
筆者自身の考えについても説得力をもって語っておられます。
戦後の日本昔話の膨大な資料を整理・考察した『日本昔話通観』(稲田浩二/小澤俊夫編著)の研究成果を踏まえて、
説話学上の手堅い考察を行い、その上で臨床心理学・教育人類学的研究にまで及ぶ論述は、
今のところ、他に類書はありません。
是非、昔話愛好家、ストーリーテーラーにもお薦めしたい一書です。
最後に、著者自身からのメッセージを載せましょう!
-----「今こそ昔話を!」------------
今日改めて注目される「昔話の力」について、三つの位相に分けてまとめておきたい。
第一には、昔話が持っている「語りの力」である。
「語ること」によって、
①いやし、はげまし、なぐさめる、②想像する、③創造する、
という力が生まれる。
第二には、昔話が持っている 伝承の力」である。
「伝承すること」によって、①つなぐ、②記憶する、③新たに発信する、
という力が生まれる。
そして第三には「声の力」である。
「声」によって、①相手のこころに呼びかけ、たましいを揺さぶることができる、
②いのちの鼓動を感じることができる。
これら三つの位相からなる「昔話のカ」は、携帯やスマホでのやりとりで事足りると錯覚しかねない
今日の人間関係係を、もっと深くうるおいのあるものにするために、とても重要だと思われる。
とりわけ、これから出産・子育てを迎えようとしている入たちや、保育・教育・福祉・心理臨床をはじめとする対人援
助の現場に立とうと志している人たちに伝えたい。
「今こそ昔話を!」
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本日のブログは、新刊情報を話題にしました。
みなさま、前回のブログで話した「皇帝ダリア」を見かけられました?!
では、来週末、またブログでお会いしましょう!
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