リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

合成樹脂弦

2016年10月07日 20時42分24秒 | 音楽系
4日に替えた合成樹脂弦もかなり安定してきました。今日なんかは結構気温も下がり湿度も安定してきましたので、早まったか!(笑)とも思いましたが、ミューズでレッスンの合間に曲をさらっていてもほとんど狂わなかったので、やっぱり替えといてよかったと思いました。

私の合成樹脂弦セレクションはかなりガット弦と音の特性が近くなるようセレクトしています。バス弦にはマグロ釣りようの太いカーボンを使っていますが、ピストイ弦よりは音が明るくかつ音の減衰時間が少し長いです。もちろん巻き弦よりははるかに減衰時間は短いですが。

ミドルレンジも少し明るい感じです。ハイレンジはちょっと鋭い感じで、ガット弦だといい音がしていた、ブリッジよりの撥弦もちょっと注意が必要です。

音的にはガットの方が高音部は雑音が入りにくいし、バスは余計な倍音がなくクリアな音です。ただ高温多湿の条件下では、ピストイ弦がまったく安定せず、狂う音程幅も半音以上、時には全音近くまで短時間で狂います。3コース以上の細い弦はそんなに大幅には狂わないのですが。

ガット弦での運用は、晩秋以降春先までで、空調が完備したコンサートホールならなんとか行きそうです。高温多湿の時期や、寒い時期でも狭いところで雨天の場合(お客さんの衣服についた水分で部屋の湿度が上がる)とかレストランやカフェでの演奏で厨房が近くにあるいようなところだと厳しいでしょう。もっとも、たとえ条件が悪くても、短い曲中心で、となりで調弦の際に適当にMCをこなしてくれる人がいればなんとかなります。(何度も調弦をし直すのは大変ですが・・・)8月の碧南とこの間の六華苑のコンサートはまさにそうやってしのいだのでした。(笑)