立川市議選始まる

日本版「北朝鮮人権法」案に対する皆さんの猛烈なご批判は、ある意味で朝鮮半島との歴史的な負の遺産と日本国内におけるコリアン社会との複雑な現実をストレートに反映するものとして、重く受け止めさせていただきます。政治家としてナイーブ過ぎるかも知れませんが、そういった歴史的な負の遺産を超克することが私たちの世代の使命であるとも心得ています。

政策のプライオリティとして、(1)国内における格差問題も解決していない中で、脱北者の救済を優先させるのは納得がいかない、(2)そもそも外国人一般の在留資格認定は厳格であるのに、脱北者を特別待遇する理由がわからない、(3)脱北者の保護・救済というが、そこに工作員やテロリストが紛れ込んでくる可能性について、あまりに無防備ではないか、(4)ただでさえ外国人犯罪が多発している現状を放置しておいて、難民の受け入れをすることは社会的混乱をさらに助長してしまうのではないか、など、いずれも十分理解できる批判です。

それでも、私たちが「北朝鮮人権法」の成立を期すのは、これまで日朝の二国間関係で捉えられてきた拉致問題(ちなみに、日本代表団の拉致問題をめぐる要求は、6者協議ではしばしば解決を阻む障害と位置づけられてきた経緯があります)に加えて脱北難民の救済にも日本政府が取り組む姿勢を見せることによって、これらを一括して「人権・人道という普遍的価値に対する重大な挑戦」と位置づけることができ、国際社会へのアピール力強化が期待できる、と考えたからです。

また、脱北者への働きかけが北朝鮮の現政権に揺さぶりを掛け、経済制裁カードとともに有力な圧力となることを期待しています。現に、北朝鮮の政権にはここ数年、脱北者からもたらされる情報や人的交流を通じて相当のダメージを受けていることが伝えられています。

ただし、ここ数日間に寄せられた多数の真摯なご意見からも窺われるように、これらの事実や期待を背景にして「北朝鮮人権法」の成立が図られるとしても、その運用において国益に基づいた政府の判断が留保されるべきことは言うまでもありません。この点で、民主党案の「人権法」に盛り込まれた「脱北者の保護・救済」に係る詳細な規定が、与野党協議の過程で脱落したことは、結果的には良かったと思っています。脱北者救援にあたっているNGOの皆さんからすれば、逆に不満の残る結果だったと思いますが、日本国民の危惧の深刻さを考えれば、現状ではこの結果を了とすべきではないかと考えます。

おそらく、多くの方々が示唆されていたように、わが国の秘密保護や工作・破壊活動を抑止する法制度を進めた上でないと次の段階へは進めない、というのは偽らざる現実で、私たち立法府にある「人間が肝に銘じなければならないポイントだと思います。それでも、拉致問題解決への揺るがぬ決意を内外に示し、同時に脱北者支援の姿勢を示す「北朝鮮人権法案」の成立には、意義があると考えます。皆さんのご理解をいただきたいと思います。

さて、地元では、立川市議選が始まりました。
民主党は、公認候補4名、推薦候補2名(うち現職4名、新人2名)を擁立いたしました。民主党の仲間の皆さんのご支援を宜しくお願いいたします。
コメント ( 983 ) | Trackback ( 0 )