北朝鮮人権救済法案、成立へあと一歩!

会期末の息詰まる攻防の中で、昨日から、北朝鮮人権救済法案の与野党協議が始まりました。多少、党内の意思決定プロセスに乱れが生じましたが、今朝ようやく正常化し、明日にも着地点が見えそうです。

与党案にある「制裁措置発動のトリガー条項」と民主党案の「脱北者の保護と支援条項」を両立させることが一本化協議のポイントです。我が国の一部には、脱北者支援に対する否定的な意見も根強く残りますが、4月末に実現した横田早紀江さんとブッシュ米大統領との会談に、脱北者の象徴的存在であるハンミちゃんが同席したことを思い起こしてみれば、いまや脱北者支援が国際社会の潮流であると同時に、北朝鮮の独裁政権に対する最も有効な国際的圧力になることは明らかです。

米国に始まり、韓国へも広がっている「北朝鮮人権法制定」のうねりは、欧州各国にも広がりを見せています。その中でも、拉致問題の解決と並んで、脱北者の保護救援は、国連の人権委員における一連の決議が示すように、人権、人道を無視して脱北者を強制送還してきた中国政府に対するプレッシャーにもなりうるもです。そういう外交カードを我が国にもたらす意味からも、今回の与野党合意による「北朝鮮人権法案」に、制裁の発動とととも現在進行形の国家テロである拉致問題の解決と脱北者救済が謳われたことは、意義深いと思います。

ただし、最終的な字句の修正などで多少手間取っており、会期末ギリギリを睨んで、なお予断を許しません。明日の衆院拉致問題特別委員会が流れたとの情報がたった今入ってきましたので、衆院通過が週明けとなり、参院での審議時間が限られてきました。海洋権益法案の轍を踏むわけには行きません。自民党側の逢沢代議士、宮路拉致特筆頭理事らも渋る法務省を説得して誠心誠意取り組んでくれています。官邸では、安倍官房長官も後押ししてくれているようです。

民主党側も、松原仁拉致特筆頭理事や中川正春さんはじめ、渡辺周さん、原口さん、鳩山幹事長も熱心にサポートしてくれています。今日の「次の内閣」臨時閣議でも松本政調会長の強いリーダーシップで混乱もなく担当者一任を取り付けることができました。なかなか着地できないことに政策担当者の一人として焦燥感とともに多少の苛立ちを覚えますが、拉致被害者やご家族の願いであるこの法案の成立に向け、全力を尽くします。
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