イタリアワインをこよなく愛する名古屋の歯科医ブログ

イタリアワイン好きの名古屋の歯科医が、診療室でおこる日々の出来事や、その日出逢ったワインのことを綴ります

新兵器投入!

2009年06月19日 | 歯医者のはなし

今週、ナディアパークデンタルに、
インプラント手術に有用な新兵器がまた一つ投入されました

先日のDr. Yumのセミナーで教えてもらい、すぐさま導入です

その名は ”メディフュージ”



採取した血液を遠心分離にかけ、
血小板とフィブリンを多く含んだ、
Platelet Rich Fibrin (PRF) とか、Concentrated Growth Factors (CGF)と呼ばれる
ゲル状の層を作り出す装置です


再生医療の三要素というと、
細胞-cell, 足場-scafford, 増殖因子-growth factor ですが、

このCGFは、増殖因子をたくさん含んだ血小板と、
再生の足場となるフィブリンからできたゲルなので、
インプラント治療の際に骨を増やす手術をする時等、大きな力を発揮してくれます


同じようなもので、約10年前からPlatelet-Rich Plasma(PRP)という物がありましたが、
採血量が多かったのと、ゲル化させるのに血液凝固剤を添加する必要があったりで、
少しブームが去っていた感じでしたが、

このCGFは採血量も10ccと少なく、
遠心分離の回転数と時間の調整で、血液中の凝固因子を刺激し
添加物無しで、ゲル化した血小板とフィブリンを取り出す事ができ、
ものすごく使いやすくなっています

薄く延ばして膜状にする事で、
これまで骨再生のバリアー膜として使っていた
コラーゲン膜の代わりに使う事もできます
当然CGFは自己血由来ですので、
コラーゲンのような動物由来の材料の使用を少なくでき、手術の安全性も高まります


まず、血液を10ccとります


そしてメディフュージで13分間遠心分離にかけると


こんな感じの黄色いゲルが取り出せます

この中には、再生に必要な物がぎっしり詰まっています

昨日のオペで早速使用しましたが、今日消毒でいらした時に視てみると
傷の治りが早くてきれいなのに驚かされました
創傷治癒に必要な増殖因子がたくさん入っているからでしょうね


このCGF、様々な使い方の可能性があるかと思いますので
また、Yum先生に教えてもらわないといけませんね

自分の血液を使うという事で、
安全性やコストの面で、患者様にも大きなメリットがあると思います

歯科用コーンビームCT、ピエゾサージェリーと並んで、このCGF
ナディアパークデンタルでのインプラント治療になくてはならないものに
なっていきそうです


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