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キリンビール仙台工場(2012年、後編):東京から350キロほど

(中編からの続き)
1/17(火) 11:00
キリンビール仙台工場に到着。
工場見学のコースがスタートした。

ビールの主原料は、大麦の麦芽とホップ、そして、水。
大麦の麦芽は、ビールやウイスキーの原料に使われ、
穂が2つになっている二条大麦と呼ばれるものが多く使われる。
キリンビールでは、より麦芽を燻した”黒い麦芽”を使った黒ビールも
商品化している。
ビールに苦味と香りを与えているホップは、主に海外のものが使用されるが、
一部、国産のものもある。
国内のものは、主に東北産。
さらに味をととのえるため、副原料として、米やコーンスターチを使っている。
ビールの製造工程
まずは、仕込み。
麦芽を、お湯(水)の中へと、11時間ほどかけて溶かしていく。
こうすることで、麦芽の中に含まれる”でんぷん質”が、糖分へと変化する(糖化)。
何故、わざわざ”でんぷん質”を”糖”へと変えるのかと言えば・・・。
ビールに使われる酵母は、糖分をアルコールへと変化させるので、
でんぷんから、糖へと、糖化させる必要があるからです。
これを、ろ過して、最初に抽出されたものを、”一番しぼり麦汁”と呼ぶ。
キリンビールの主力ブランドの1つ「一番しぼり」では、商品の名称通り、
この”一番しぼり麦汁”しか使っていない。
ビールやウイスキーでは、この麦芽に、再度、水を投入して、
”二番しぼり麦汁”をとる製法もある。
麦汁は、麦の香りのする甘い液体。

この麦汁に酵母を加えて、発酵が始まる。
ビールに使われる酵母は、直径10ミクロンほどの大きさの微生物。
麦汁に加えられた酵母は、
糖分と引き換えにアルコールと炭酸ガスを吐き出していく。
発酵に用いられるタンクの容量は、390キロリットルもあるものが、
いくつもあったが、正確な本数を聞き忘れてしまった。
タンクと言えば、容積があるだけの建造物にも思いがちだが、
ビールのような酒造りでは、温度管理も重要なもの。
つまり、巨大な冷蔵庫でもあるのです。
発酵は、このまま、一週間ほどかけて行う。
話は外れるが…。
昨年3月の震災では、この発酵タンク以外にも、
後述する貯蔵タンクなども転倒するなどの被害があったと聞いている。
目の前に見える巨大なタンクが倒れてくることを考えれば、
あまり愉快な気分にもなれない。

発酵が終了したばかりのビールは、ろ過されて、貯蔵される。
各商品ごとに貯蔵期間は異なるので、おおよそ1~2ヶ月ほど。
その後、ボトリングされて、出荷となる。

ボトリングラインでの説明によると、近年のビール瓶は、
表面がセラミックコーティングされ、強度が上げられている。
その分、ガラスの厚みを薄くして、軽量化されている。
ピンと来ないかも知れないが、ケース単位で流通されるビールの場合、
瓶の重量が少し軽くなっただけでも、バカにはできない。
トラックで運ばれるほどの量を考えれば、
車両の燃費負担なども軽くなるからです。
しかし、残念な話も聞かされた。
キリンビール仙台工場は、震災の影響で、ビール瓶へのボトリングが、
まだ復旧していない。
(2012年1月現在)



蛇足:
今更なのですが・・・。
わずか2日間の小旅行を記すだけに2週間もかかってしまった。
教えていただいたことや見てきたものが、たっぷりとあり、
それを自分自身の言葉に置き換えて、
頭の中の整理を行うのに時間がかかったこともあります。
なんにしても、これにて終了。
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