天下御免のすっとこどっこい

自分が読み返して「楽しかった」と思えることを書き綴っています。

10/13舞台『黒部の太陽』

2008年10月13日 | 舞台(歌舞伎以外)
舞台「黒部の太陽」(梅田芸術劇場メインホール)を観てきました。

出演:中村獅童、神田正輝、大地康雄、ベンガル、橋爪淳、勝野洋、
渡哲也(特別映像出演)他

関電トンネルの貫通工事に携わった男たちを描いた映画「黒部の太陽」(石原裕次郎主演)を
舞台化したものです。
しかし、この舞台では、映画製作を舞台にして、トンネルの話は劇中劇として描かれています。
到底無理だと考えられた北アルプスのトンネル工事と、五社協定を超えた映画製作。
この情熱に燃えた男たちの二つのドラマがうまくリンクして物語は進んでいきました。

中村獅童くん、石原裕次郎をキザにかっこよく、そしてトンネル工事を反対することによって
父親に反抗していた主人公剛を、ものの見事に演じていました。
歌舞伎が基本といっている彼ですが、私は普通の俳優さんの時のほうが素敵だと思います。
今回初めて歌舞伎以外のお芝居を観て確信しました。

神田正輝さん、三船敏郎の懐の大きいところと、妻子を残してトンネル工事に没頭する責任者
北川を、時には優しく、時には厳しく演じられていました。
トンネル貫通式典の日に、娘の悲報を知るのですが、それをこらえて祝辞を述べるシーンは、
涙が出そうになりました。

この舞台は彼ら二人のお話といっても過言ではないのですが、忘れちゃならないのが、
プロデューサー役の橋爪淳さん
日活の部屋のシーンでしか登場はなかったのですが、
グレーの背広姿でちょこまかちょこまか動き回って、とにかくかわいらしかったです。
とってもハンサムさんで、オトコ・汗・涙の舞台を爽やかにしてくれていたと思います。

                     ■□■

客席には往年のミフネ、裕次郎ファンらしいご年配の男女から、獅童くんのファンらしき
若い女のコまで、老若男女入り乱れていました。こんなのは初めての体験でした。
それぞれどのような感想を持たれたのか、伺ってみたいものです。

テレビや新聞で報じられいたように、本物の水40トンを使って、
トンネルから水が噴出すシーンを再現していました。
「ぶしゅ~、どどどどどっ!」舞台のあちこちから滝のような水が出てきて
ものすごい迫力でした。これだけでも見る価値アリかもしれません。

それから、音楽もすばらしかったです。サントラないでしょうか。ほしいです。

あと恥ずかしかったのが、橋爪さんが登場してきたとき思わず嬉しくて、
私「ぅわっ!」と言いながら拍手をしてしまいました。それがわたし一人だけ…

印象的な台詞がありました。
最後に裕次郎が次世代の映画人に向かって言います、
「スケールが大きく心のこもった映画を撮ってくれ。」
私もそう強く願っています。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「上方落語競演会」に行って... | トップ | 「沖雅也と『大追跡』」  »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

舞台(歌舞伎以外)」カテゴリの最新記事