長くなった「ひとこと感想」その17。
有名な『切腹』(監督:小林正樹 1962)のリメイクというこの映画を、私は2D版で観たけれど、私の眼にはそれで十分だと思った。
メモには、「背景のCGっぽさが気になるところもあるけれど、久々に聞く坂本龍一の音楽も瑞々しくて、全体としてとても美しく仕上げられた作品。ただ、『最後の忠臣蔵』でも感じたことだけれど、“外国の人の眼を意識した”美しさ・作り方になっているようで、本当はそこがもう一段レベルアップすれば、今私が感じているような違和感(美しいのだけれど、どこか薄っぺら?に見えてしまう)は無くなるのかもしれない。」などと。
でも・・・この映画の場合、実は私は映像なんかどうでもいいんだと思う。「私はこういう物語を見聞きすると、本当に腹が立つ。」問題はそっちのほうだと思う。
多分武士(さむらい)というものに、私は妙な思い入れがあるのだろう。だから「武士の本文にもとる」とかなんとか、こんな奴ら(切腹させた側)に言ってもらいたくない!!と本気で思うし、詰め腹を切らされた若い武士が哀れでならなくなる。
少なくとも「竹光で腹を切る」なんてことを相手に強いるヤツを「武士」だなんて思えない。それは「生活に窮して狂言切腹を企てる」みっともなさとは次元の違う、「さむらい」というものの本質を問われるみっともなさ、醜さだと、百姓の血を引く自分は感じてしまうらしい。なぜここまで腹が立つのか、自分でも不思議なくらいだけれど。
その後テレビで 、オリジナルの『切腹』も観た。
こちらは「作り物」感の無さ!に驚かされた。「美しく」もなければ、双方とも「格好良く」もなく、ただその時代における人間ドラマ、建前と本音、綺麗事と生の現実があるばかりで、私は呆然とそのモノクロ画面を見ていた。
どれほど恥ずべきことをしたとしても、若い者の命まで取り上げることはない・・・という父親の主張の仕方も説得力があり、埃っぽく汗臭い空気まで感じ取れるようなこの古い映画と、たった今作られた豪華で美しい娯楽作品とを、同列に並べて比べても仕方がないのだけれど、それでもつくづく私は思った。
オリジナルを越えるっていうのは、大変なことなんだなあ・・・。
すっかり映画に疎くなってしまった。。
両方観てみたいけれど、やはりオリジナルを越える作品を作るのは難しい事なんですね。
「竹光で腹を切る」なんてことを相手に強いるヤツを「武士」だなんて思えない。等
ムーマさんの侍への思い入れ。
いいなぁ。。
いつもながら、1年前に観た映画を見せびらかしてますぅ(^o^)。
オリジナルを越えるのは大変・・・なあんて書きましたけど
今回の新しい方も、本格的な娯楽作品で面白かったです。
三池崇史監督って、もっとアクの強い映画作る人だとばかり思ってたんですが
この『一命』はきちんとした(ってヘンかな?)端正な娯楽時代劇だと思いました。
いつかまた機会があれば、どうぞご覧になって下さい。
(『人情紙風船』が好きといつか言っておられたから
『切腹』もきっと興味持って観られると思いますよ。)
それにしても、自分が「侍」に思い入れがあるなんて
これまで思ってもいなかったので、もうビックリしました~(^o^)。
>これまで思ってもいなかったので、もうビックリしました~(^o^)。
ははは!私もムーマさんの思い入れの強さにビックリしました(^o^)。
『一命』は重厚感はあるんだけど、画面の密度が低いというか、和室の応接セットみたいな(?)
三池監督のミュージカル『愛と誠』、楽しみです。
オリジナル『切腹』を見逃したことが悔やまれます。
私もときどき名前抜けます(^o^)。
(タイトルのところに名前書いて、気づかず投稿したことも。)
それにしても、『一命』の「和室の応接セット」って言い得て妙ですね(笑)。
『愛と誠』のこと知らなかったので、今ちょっと予告編見てきました。
な、なんというか、小心な私はちょっと後ずさり~(笑)。
でも、確かにミュージカルしてるし、来たら(オソルオソル)観に行くかも。
『切腹』はせっかく上映会があったのに、その時は見られなくてTVから録画して観ました。
小さな画面で暗かったりもしたんですが、それでも「本物」の持つ迫力を感じました。