「ざまぁみやがれ、狩野〜」
社長の憎たらしい顔。
旅館に向かう途中、観光名所のギウ牧場によったL&K半分、アイス奢りをかけたじゃんけんで狩野敗北。
「こういうの必ず負けるんだよなー」
狩野はじゃんけんが弱いです。
「狩野さん、ごちそうさまです」
「うるせえ」
財布を開きお会計の狩野、幽霊も退治してアイスもおごって、ちょっとかわいそうですね。
さあさあ、盛り上がってきました。
いよいよ、ブリガーの出番です。
「っしゃ、いくぜ」
暗転した舞台に飛び出しポジションへ。
観客の熱気と暗闇の静けさの中、響くギター。
歓声があがり、そのギターが観客達の知っているメロディーを奏で始めると一層大きな歓声が上がります。
そして、リーダーの強い歌声と共にライトが一斉につき、コタツちゃんのギター、りえちゃんのベース、まりやちゃんのドラム、園ちゃんの背景操作、舞台裏でしびれる先輩方。
「家畜と変わらないクズどもが、騒ぐから、私は一つ涙を流すだけ」
この曲は雨サンサン、ブリガーが結成した時にコタツちゃんとリーダーで作った曲です。
「母国のために戦ったたくさんの、勇者のために、僕は一つ涙を流すだけ」
ここはコタツちゃんのパートです、可愛げゼロのただの美声。
「こないだ死んだ婆さんみたいに、優しい人にあっても、俺は一つ涙を流すだけ」
リーダーはいい声をしています、よく通る鋭い感じの。
物で例えるとコタツちゃんはちょっと脆い感じの風鈴、リーダーは鋭く尖った鉛筆ですかね、これを狩野に言ったことがありますが、はあ?と言われたのは過ぎ去りし過去です。
「死という足枷付きの世界に生まれたことに、感謝と後悔を込めて、私は一つ涙を流すだけ」
さあ、サビです。
「雨サンサン、その涙は、雨となり」
「雨サンサン、世界に落ちて、命になるから」
盛り上がりの絶頂がラストという曲。
間髪入れずに次の曲。
「僕らの場所ー!!」
コタツちゃんの曲名コールにまた歓声が。
これはラジオのリクエストでコタツちゃんが浜野と作った曲ですね、たまにアシスタントとして浜野もラジオに出てたりするので、下僕浜野はコタツちゃんファンには有名です。
「映画館ー!!、あなたは僕に怖いとすがってくれるだろうか?」
この曲は完全にコタツちゃんがボーカルです。
「ゾンビ達ー!!、もう少し速く動けばさっきのヤツ食べられたのに」
コタツちゃんと浜野の関係がないとできなかった曲ですね。
「アイスクリームー!!、勢いよく食べてヒゲみたいになったあなたは可愛いんだろうな、もしもだけどー!!、これを投げて怪我させるにはどれくらいスピードがいるんだろう」
アップテンポな曲です、サビに入るといっそうのこと。
「天使みたいなあなたがどんなに僕を毒づこうと、ずっと一緒にいたいよ、たまらないくらい好きだから、冥界にモーニングコールして亡者達を呼び起こして、地獄の行進はじめて、世界征服するのさ」
見事に噛み合わない二人ですね、この曲を作ってた時の浜野の心境が気になります。
「僕らは同じ場所にたって、同じものをみていて、何か違うのはどうでもいい、ずっとこうしていたいな」
さて、登場とともに二曲ぶちかましてかっ飛ばしていくブリガー。
歓声がひとしきり終わると律儀に挨拶。
「どうもブリガーです、今日はこんないいライブハウスにお呼ばれしましてスカウトの方も来ているみたいで緊張材料はバッチリですが、まあマイペースにいこうかなと、メンバーしょうかーい!!、私リーダー今岡!!、続いてボーカルのコタツ!」
紹介されたコタツちゃんはそっけなくどうもの一言。
「次はドラムまりや!」
呼ばれると少しドラムを叩きテクニックを披露するまりやちゃん。
「そしてコーラス今回に限り舞台背景ソノ!」
園ちゃんは舞台背景をささっと切り替えカッコよく。
「そして最後はこの人ベース野沢梨恵!!」
なぜか最後に残され自分だけフルネームに困惑しながらベースをならすりえちゃん。
こんなところでも天性のキャラスキル発動。