ちから!!!
三人は夕飯を食べ終わり、焚火を囲んで座っていた。
「あの、変なこと聞いていいですか」
逸馬が焚火を見ながら聞いた。
「なんじゃ」
「穂口さんって、もしかして、権怪神ですよね」
権怪神は、十人しかいないが、位がある。
第十等がもっとも低く、第一等がもっとも高い。
「権怪神だと、ほんとに、マジで」
「フハッハッハッハ」
「あの怪物に言う事聞かせられるのは、権怪神だけのはずだ」
穂口さんの笑いが、止まった、少しため息まじりに言った。
「きずいたか」
杏馬は唾を呑んだ。
「あたしは、権怪神第二等、通称ブラックバースト」
「第二等!!」
杏馬は、ピストルの銃口を穂口さんに、向けた、が、その、銃口を睨みつける、穂口さんの目は冷たく恐ろしかった。
「ふっ、やろうってのか、勝ち目はねーぞ、それに、今、人数を減らすのは、相当、不利になるじゃろう」
「くっ」
杏馬は仕方なく銃を下ろした。
「この、戦争に出た理由はなんですか、第二等なら指名手配解除なんてしなくても、逃げ切れますよね」
「まあな、Sからの伝言やら、強力な能力者の始末やら、その他もろもろじゃな」
焚火がゆらゆらと揺れている。
「まず、Sからの伝言じゃな、2023年、つまり、来年の夏、ゴットは、宇宙ステーションを一斉攻撃を開始する。だが、その前に逸馬、お前と11年前の決着をつけたいと言っている」
11年前、逸馬はSと、廃ビルで戦った。
逸馬がSの不意を突き、あらかじめ猛毒を塗っていた刀で、Sの顔を切った、その瞬間Sは煙になったが、顔の傷は深く、猛毒も全身に回り倒れた、しかし、Sは顔に傷を負った時、逸馬に毒針を撃ちこんでいた、逸馬も毒に苦しみ倒れた。
逸馬はいつの間にか病室で寝ていた。
「わかりました、何月の何日ですか」
「七月一日じゃ」
「場所は」
「あの廃ビルじゃ」
杏馬がピストルを自分の椅子(岩)のすぐ横に置いたのを、確認しながら逸馬は頭をフル回転させていた。
Sの煙になる能力の対抗策はなんだ、11年前の戦いで、もう、Sには油断も隙もないだろう、煙 煙 煙 ん、風 そうだ!風だ、しかし、Sにきずかれずに、どうやって風を起こす、超小型の旋風機でもあればな~。
「そろそろ、寝るぞ、見張りは三時間ずつ交代じゃ」