『私を含めて多くの経営学者は自分の所説が経営の実務にすぐに役に立つとは思っていない。良しにつけ悪しきにつけ、経営学者のクライアントは実務家(経営者)ではなくて経営学者なのである。クライアントが実務家(経営者)だというひとは、コンサルタントであって学者ではない。そういう存在として経営学者は社会でその存在を許されている。』石井淳蔵著「ビジネス・インサイト 創造の知とは何か」(岩波新書)から引用のうえ少々改竄。
「意味ある全体を理解させるためには、教師の説明を理解しようとする生徒らの知的な協力が必要である。」というポランニーの認識論を引用して、石井は「私たちの言葉は、言葉で伝えることができないものを常に後に残してしまう。そして、残ってしまった伝えたいことが伝わるかどうかは、伝えたかった内容を受け手自らが発見できるかどうかにかかっている。」と解説する。Amazonに注文したマイケル・ポランニー著「暗黙知の次元 言語から非言語へ」(紀伊国屋書店)が本日手元に届いた。石井の解説だと思っていた後半の引用文もポランニーの著作からの引用だった。