ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

エフゲニー・オネーギンー2-

2006年09月04日 | Weblog

今回の演出との比較の為 前のブログのあらすじ御参照。

実は未だUPしていないマリインスキーのエフゲニー・オネーギンも7月に見たのですが舞台が可也簡素化されていて歴史を感じるボリショイの1944版復刻版の方が良いと思っていたのですが今回の版は更に現代的演出。

一幕2場: 有名な場面はタチアナが寝間着を着て寝室で手紙を書きながら「たとえ死んでもいいの」というアリアを歌いそうしているうちに白々と夜が空けるという場面ですがこれも寝室でなくお客が帰った後のダイニングでとの設定。1場との違いは巨大な食卓に白いクロスが掛けてあったのがなくなっている程度。2場の幕が開くとタチアナが1人で頭を抱えて食卓の端に座っている。一旦部屋を出てペンと紙を持って入ってくると中々手紙の内容が思い浮かばないことに悩んで最後は椅子を倒し更には何と食卓の上に最初はひじを突いて、最後は靴のまま立って「たとえ死んでもいいの」を歌うという演出。歌い終わると突然窓が開きシャンデリアが激しく煌いて消える。それから外が白々と開けて来る。それから慌ててタチアナが手紙を書き始める。書き終えたころに乳母が入ってくると乳母にオネーギンに渡すよう頼むが相手のことをはっきり言わないので乳母が配達を断る押し問答。ここも今までの演出よりはるかに大げさに乳母が拒絶し最後はオネーギンに渡して欲しいとタチアナが白状すると乳母がタチアナを抱きしめる。

一幕3場:今までは外で待ち合わせという場面ですがこの演出では白いクロスを付けた食卓に昼間服を変えたタチアナが座っておりメイド達がタチアナの事をいわくありげに笑い物にするという原作に無い演出。タチアナがオネーギンに恋文を出したことを噂して笑い物にしているという雰囲気。そこに黒のコーデュロイの上着を着たオネーギンが入ってきて2人は食卓の両端に座る、それからオネーギンはタチアナの側によって最後はタチアナの手を持って歌う。今までの演出では手を持ったりせず。オネーギンが立ち去るとタチアナは呆然と座ったまま。(ここまでで1時間20分)

一幕4場:3場と4場の間でオケは音合わせ。ここは今までの演出では2幕1場となるところ。舞台は同じ。舞台には酔っ払って寝込んだ男達が椅子に座っている。オネーギンはプレゼントを持って如何にもいやいや登場。ここは本来舞踏会の場面で皆が踊るところですが今回の演出では先ずみんなで誕生日のケーキの火を消す、オルガが大きなケーキの切れ端を食べながらオネーギンに秋波を送る。オネーギンはタチアナを誘って踊ろうとするがタチアナはオネーギンに手を回さず結局オネーギンは踊ることを諦める。怒ったオネーギンはコートを着て帰ろうとするが思い直しオルガを誘って踊る。ラーリナも誘われて何人もの男をとっかえひっかえ踊りだす。中にはこちらに背を向けて椅子に眠りこけていた男まで相手に踊りだし最後には倒れ込む。オルガはレンスキーを冷たくあしらう。これに失望し自暴自棄になったレンスキーは本来はフランス人Triaquetがタチアナを褒めて歌う場面はレンスキーが替わりに茶化して歌う。タチアナを椅子の上に立たせてレンスキーはおもちゃの黄色の帽子をかぶってプレゼントの山をタチアナに渡し鉄砲型のクラッカーを鳴らしたりポケットから紙ふぶきを出したり馬鹿騒ぎ。オネーギンと口論となるが回りの男達は笑いながら見ている。最後にはラーリナはレンスキーのほっぺたを張り目を覚ませといさめる。オネーギンとつかみ合いになりレンスキーが部屋を出て猟銃を持ち出す。それでもみんなに本気にされないと見ると天井に向けて二発銃を打つ。

一幕5場 元々は印象的は雪の決闘の場面なのでどのような演出になるかと思って幕が開くとやっぱり場面は変わらず。宴の後のけだるい雰囲気で後片付けをしているメイド達や椅子に座っているレンスキー。ラーリナは泣きながらレンスキーを後ろから抱く、乳母も。しかしラーリナに促されてもオルガは愛想尽かしの態度。ここでレンスキーは「青春は遠くに過ぎ去り(黄金の日々はどこへ)」を歌うがそれを聞いているのは隣に座った一寸気取った服の老女でうっとりと聞き惚れる。オルガが再度部屋に戻ってくるがラーリナを完全に無視しワインを飲み 何か部屋中を探し回っている様子。最後に床に落ちたイヤリングを見つけてさっさと部屋を出て行く。レンスキーの立会いと思しき男はソファーで寝ている。オネーギンが入ってくるが付き添いと思しき男はパンにバターを塗って食事に夢中。どうやって部屋の中で決闘となるのかと見ているとレンスキーが猟銃に玉を込めオネーギンに渡す、一丁でどうやって決闘となるのかと見ているとオネーギンがその銃を戻し押し問答しているうちに銃が暴発レンスキーがもんどりうって仰向けに食卓の上に倒れる。みんなが呆然と見る中で流石にオルガが泣く。

というところで一幕2時間の長い舞台が終了。2幕は又後日UPしますが初日の出演者を下記。前の版から大幅に役者が変わっているようです。

ラーリナ: Makvala Kasrashvili

タチアナ : Tatiana Monogarova

オルガ : Margarita Mamsirova

オネーギン:Mariusz Kwiecien

レンスキー:Andrey Dunaev

この写真中央は主席指揮者で今回の版の音楽監督であるAlexander Vedernikov

 

 

 

 



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2 コメント

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前のあらすじ (Nana)
2006-09-06 18:44:08
このブログ、前のあらすじのところ、わかりやすいですね。今回の版は、前のエウゲニー・オネーギンを浴びるほどみてる人たちが評価を決めるんでしょうね。

当方、夏にオペラを海外で見てる方から、オペラ好きの観点からバレエの音楽の扱いなど、かなり耳の痛い意見を聞く機会がありまして、バレエだけみる人とは視点が違うと思い、視野広く持つことも大事だと感じました。こちらオペラ好きの方から書き込みがあれば、なおいいなと思うのですが、なくても閲覧が多ければ臆せずオペラも詳報よろしく。
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ども (管理人)
2006-09-07 12:37:17
Nanaさん

何時もCommentありがとうございます。

臆せず2幕目をUpしますね。
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