ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

エフゲニー・オネーギンー3-第2幕ー

2006年09月09日 | Weblog

休憩の後2幕目の幕が開くと晴れやかな「ボロネーズ」の音楽が流れるサンクトのパーティー会場(グレーミン公爵家)。今までの版ではここで豪華な舞踏会の風景で着飾った女性陣のダンス姿が大変優雅でこのオペラの見せ場なのですが残念ながら1幕と同じく会食の風景。豪華な舞踏会風景の代りに座っている貴婦人の服はきらびやかですし巨大なシャンデリヤも豪華。みんなが会食しているところにオネーギンが一寸場違いな金の刺繍の入った余り趣味の良くない服で入場するとみんなはよそよそしい態度。誰もオネーギンに席を譲らない。最後は自分で隣の部屋から椅子を持ってきて強引に割って入るオネーギン。直ぐに隣の貴婦人は席を立つ始末。ウエーターもオネーギンを無視しオネーギンは食事をひっくり返す。ここで今までの版では軍服に身を包んでいたが今回の版ではタキシードに身を包んだグレーミン公爵が登場。オネーギンが挨拶に行くといやいや挨拶するが直ぐに無視。オネーギンが乾杯の挨拶をしようと立ち上がるがみんなが無視、更にしつこくオネーギンが挨拶をしようとするとみんながぞろぞろ席を立ちだす。ここでタチアナが灰色のイブニング、髪に大きな飾りを付けた豪華な姿で登場。食卓の両端にオネーギンを座る形となる。タチアナにみんなが挨拶。今までの版ではオネーギンに向かって自分の最愛の妻タチアナのことをのろけるグレーミン公爵の「誰でも一度は恋をして」はタチアナの横にグレーミン公爵が座って手を取って歌いかけるという設定。オネーギンがタチアナに挨拶に来ても冷たくあしらわれシャンデリアの明かりが消えお客退場。

2場の幕が開くと同じ舞台で暗い中グレーミン公爵とタチアナ(黒い服に着替えている)が入場。少しづつ明かりがつけられる。タチアナは机に突っ伏してオネーギンとの再会に明らかに動揺している。グレーミン公爵が部屋から出て行くと入れ替わりにオネーギンが赤いバラの花束を持ってタチアナにひざまずく。言い寄るオネーギンに帰りなさいと足を組んで強がるタチアナ。ここでオネーギンと出て行こうとするタチアナの葛藤、グレーミン公爵が再登場しタチアナを連れて出ようとするとオネーギンは銃を出して自殺するぞと脅かすが無視して出て行くタチアナ。オネーギンは自殺出来ず幕。

という今までの舞台とは大幅に違う舞台でした。

時代設定も1900年台中頃と思しき舞台ですし大好きな舞踏会のシーンも無くなった可也現代的なオペラとなりました。当方は今までの歴史を感じされる版の方が好きですが何せ今までの版はボリショイの新Stageでは舞台に入らずクレムリンの音響のひどい劇場でしか上演出来ない状況なので今回のコンパクトな舞台装置は新Stageには向いているのでしょうが。

タチアナ : Tatiana Monogarova  (写真右から2番目)

オルガ : Margarita Mamsirova (写真左端)

オネーギン:Mariusz Kwiecien (写真中央)

レンスキー:Andrey Dunaev (写真左から2番目)

グレミン公爵: Alexander Naumenko (写真右端)

タチアナ(モククワ生まれだが世界各地の劇場で活躍)、オネーギン(ポーランドからのゲスト)共ボリショイでは当方初めて聞く歌い手でしたが中々良い歌い手。レンスキーはボリショイの歌手ですが柔らかい声で中々でした。皆さん新版の初日に起用されるだけのことはあります。

因みに何時ものように1列目で見ましたがTicketは1900Rub. 何時もは舞台中央にあるプロンプターが見当たらず又一列目では必ず聞こえる歌いだしの部分の歌詞を言う声も聞こえませんでした。どのようにやっていたのか、舞台袖かモニターを利用していたのか。なしでやったのか。不明です。

 



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