日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

この季節の楽しみ 2017(25)

2017-07-24 07:31:36 | 野球
高校野球の地方大会は31日目を終えました。決勝戦4試合が中止となるも、7大会で代表が決まり、それらを含め35大会99試合の開催です。
今年は例年ほど深入りするつもりはなく、全出場校が揃った時点で切り上げるという選択も考えていました。しかしその後も思った以上に話題が多く、特に土日の両日は最盛期並みに字数が増えました。とはいえ、宮城、大阪以外の全大会が8強以降の戦いに入ったことを考えると、本日以降はいよいよ話題が減ってくると予想されます。日毎に振り返るのはあと少しのことになりそうです。

・北海道
支部予選で実現した北海と札幌南の一戦を、自分にとっては今季の五指に入るであろう好試合と評しました。その北海が南北海道大会も制し、歴代最多となる選手権出場記録を37回に伸ばしました。これにより、本日に順延された決勝戦に松商学園が勝っても、単独首位の座は守られることになります。
選手権の出場回数で一位と二位に君臨する両校、地方大会には滅法強い一方で、全国ではなかなか勝てない内弁慶としても知られ、20回以上出場している20校の中でいえば、勝率で下位一位と二位を占めています。特に、21勝37敗という北海の戦績は、当然ながら最多敗戦記録であり、.362の勝率は20校中唯一の3割台です。昨年の準優勝で4勝を稼いだものの、歴代最多の37敗はあまりに大きく、仮に今季全国制覇を果たしても、松商学園の勝率を上回ることはできません。ただし、6勝すれば勝率が4割を超えることになり、唯一の3割台という汚名をそそぐ余地はあります。戦後初となる地方大会三連覇の余勢を駆って、どこまで勝ち上がれるかに注目です。

・東北
福島は聖光学院の11連覇で幕を閉じ、岩手、秋田、山形の3大会は雨天中止となって、青森、宮城の計5試合のみの開催でした。東奥義塾が青森山田の餌食となって敗れ、青森もこれにて事実上の終戦となります。ただし、直近四年は無名の公立校が決勝まで勝ち上がっており、特に一昨年は三沢商が八戸学院光星をうっちゃるという番狂わせがありました。今のところ、その可能性を残しているのは青森東、青森中央の両校です。

・関東
高校野球の話題を綴って行くにあたり、今季は投稿の時間帯を夜から朝に改めるという方針転換をしました。その結果定着したのが、毎年取り上げてきた話題についてはいちいち繰り返さないという方針です。昨年までは、試合結果を拾った場合は本文中でも言及し、なおかつ一度でも話題に上ったチームは敗退するまで追い続けていたのに対し、今季は試合結果を拾うだけで特段言及していないチームが少なくありません。その一つである茨城の古豪、竜ヶ崎一が惜敗し、五年ぶりの四強入りを逃しました。常総学院も不覚を取り、あと一つが勝てない悲劇の主人公、霞ヶ浦にとっては好機到来となります。

・北信越
雨で全試合中止かと思いきや、今季初となる不戦勝が出現しました。富山高専射水が選手不足のため出場を辞退し、県都の伝統校富山が戦わずして8強に進出しています。苦渋の選択に至った富山高専射水は商船高専の流れを汲む変わり種で、今季は実に6年ぶり、選手権では11年ぶりとなる勝利を挙げ、公式戦の連敗を19で止めたところでした。それだけに、このような結果となってしまったのがなおさら惜しまれます。負けても負けても出場を続けてきた不屈の精神で、来季も戻ってきてくれると期待したいものです。

・東海
試合結果だけ拾い言及してこなかったもう一つのチームとして、静岡の古豪浜松商があります。選手権、選抜とも静岡に次ぐ出場回数を誇りながら、今世紀に入ってからは甲子園から遠ざかってきた同校ですが、今季は二年連続の4強入りを果たしました。次戦も勝てば、決勝では静岡と相見えることになるかもしれません。
近大高専は大敗を喫して4強入りならず。これは私立高専の終戦でもあります。春季大会を制して優勝候補筆頭に挙げられ、淡い期待を抱かせた同校ですが、全国への道は近いように見えて遠いのが実情のようです。しかしこのまま実績を積み重ねていけば、近い将来21世紀枠での選抜出場といった可能性は出てくるかもしれません。

・近畿
彦根東が危なげなく勝って4強に進出。大体大浪商は連戦を制し、興国とともに16強入りを果たしました。桐蔭は日高中津を延長戦の末に下して8強に進出し、次は昨季代表の市和歌山と戦います。

・中国
隠岐は敗れ、六月中旬から続いてきた離島勢の長い戦いが終わりました。鳥取西は惜敗するも、大社は勝って4強に進出。皆勤15校の中では今のところ桐蔭、関西学院、米子東、大社が、初代代表10校の中では秋田、早稲田実、桐蔭、久留米商が勝ち残っており、さすがと実感させられます。直前までその両方に入っていただけでなく、全国大会初勝利の栄誉に浴し、さらには藩校以来の歴史をも受け継ぐのが鳥取西であり、同校の偉大さも改めて実感するところです。
大竹は優勝候補筆頭の広島新庄に大敗、広島商は広陵にお株を奪われ1失点に泣きました。広島もこれにて事実上の終戦ですが、最終盤まで楽しませてくれた両校に感謝します。

・四国
松山商は宇和島東と互角に渡り合いながら、終盤に勝ち越されて敗れました。シード校との実力の差がおおむね反映され、善戦及ばず敗れたというのが実態であり、番狂わせという印象はありませんでした。朝刊には試合結果以外何の言及もなく、公式サイトでも「宇和島東が松山商に勝利」というありのままの見出しで報じられるなど、敗れて話題になった時代も今は昔です。中継で繰り返される「夏将軍」の異名だけが、かつての栄華を物語っているようでした。
小松は大敗するも、生光学園は苦戦の末にサヨナラ勝ちし、4強進出を果たしました。梼原は不動の二番手高知を下して4強に進み、準決勝では中村と戦います。これにより、高知では去年に続き公立校が決勝に進出することになります。

・九州
覚悟していたことではありますが、八代は秀岳館の餌食となって散りました。準々決勝までの戦績では八代が上回っていたとはいえ、数字には表れない地力の違いを見せつけられたとでも申しましょうか。攻撃では手も足も出ず、守備でも終始押され続けて、それでも9回までは戦えるかという期待も空しく、8回にとどめを刺されて終戦という結果です。とはいえ、秋山の母校というだけで追いかけてきた無名校が、ここまで勝ち残っただけでも大健闘ではあります。いや、春季県大会の準優勝校が勝ち上がってきた以上、大健闘などといってはかえって失礼かもしれません。無名校の躍進が目立つ今季の中でも、白眉というべき戦いぶりでした。

★南北海道大会決勝
 北海6-5東海大札幌
★青森大会準々決勝
 青森山田9-1東奥義塾
★茨城大会準々決勝
 土浦日大6-1竜ヶ崎一
 藤代6-4常総学院(延長10回)
 下妻一2-3x霞ヶ浦
★西東京大会5回戦
 八王子4-0創価
★富山大会3回戦
 富山不戦勝-不戦敗富山高専射水
★静岡大会準々決勝
 浜松商11-9常葉大菊川
 常葉大橘2-6静岡
★愛知大会5回戦
 愛知6-3享栄
★三重大会準々決勝
 近大高専1-12三重
★滋賀大会準々決勝
 彦根東8-1八幡商
★大阪大会4回戦
 槻の木0-10x大体大浪商
 大冠8-2北野
 興国6-4城東工科
★和歌山大会3回戦
 桐蔭3-2日高中津(延長11回)
 海南0-4日高
★鳥取大会準々決勝
 八頭4-3鳥取西
★島根大会準々決勝
 益田東7-2隠岐
 大東0-2大社
★広島大会準決勝
 大竹3-14広島新庄
 広島商0-1広陵
★徳島大会準々決勝
 穴吹0-1x生光学園
★愛媛大会3回戦
 松山商1-3宇和島東
 小松2-9x大洲
★高知大会準々決勝
 宿毛3-4中村
 梼原5-4高知(延長10回)
★熊本大会準決勝
 八代0-7x秀岳館

コメント    この記事についてブログを書く
« この季節の楽しみ 2017(24) | トップ | この季節の楽しみ 2017(26) »

コメントを投稿