岡山県の教育施策には、義務教育の全学年で少人数学級を実施するなど、他県と劣らない施策もあります。しかし残念ながら、「形のうえでは」という一言をつけざるを得ません。すすんだ県との違いは、少人数学級に1円も県費負担がないということです。では、なぜ実現できたのでしょうか。・・・トリックは、小泉内閣時代の規制緩和で実施された「定数崩し」――正規教員を減らして非正規におきかえる、そうすれば人数は増える、非正規の先生にも学級を担任させる――こんな仕組みです。
非正規の先生も、一生懸命がんばってくださっています。しかし、正規の先生と違って、働き方に様々制約が生じます。正規の先生は、非正規の先生の援助をしなければならないうえ、非正規の先生の制約部分をカバーしなければなりません。学級担任もあります。学校に先生の数は増えますが、正規の先生の仕事は減らない、むしろ増えている状況です。
そういう実態なのに、いじめへの対応、暴力行為への対応、不登校の児童生徒の支援、ここまでは「対子ども」ということですから、苦労はいとわず頑張っていただくことができると思います。ベテランと言われる先生方には経験の蓄積もありますし、うまくできた時の喜びも大きなものがあるでしょう。まさに先生冥利というものです。
ところが最近は、それらに加えて、やれ学力向上だ! 小学校低学年でも英語教育だ! 職場体験だ! 地域との交流だ! そして、、いわゆるモンスターペアレンツへの丁寧な対応・・・仕事は増えるばかり。心神すり減らしていく原因はこの辺りにあると思います。
さらに問題の、学校や先生の評価制度。地域を気にし、上司を気にし、本来の先生方の力を発揮できなくしてしまっています。
今、真っ先に考えなければいけないのは、子どもにとって楽しい学びの場としての学校づくり、先生方にとって、のびのび力を発揮してもらい、やりがいがもてる学校づくり、そのためにどうするかということだと思います。教育基本法にいう「人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として(真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび)必要な資質を備えた(自主的精神に充ちた)心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」(※( )内は旧法)を、完全に実施させることだと思います。これを怠り、「財界言いなりの新自由主義路線に浸かり、しかも安上がりでやろう」というところに、今日の教育をめぐる最大の問題があるのではないでしょうか。
そこで提案
・正規の先生を増やすこと(非正規で正規並みの仕事をしている先生はただちに正規にすること)です。そして、習熟度別授業でなく、少人数学級を完全に実施すること。
・子どもたちの、学校の、競争を煽り立てている、学校および教員の評価制度をやめること。
・同じく、競争を煽り立てている、全国学力テストに参加しないこと、県独自の中1いっせいテストは中止すること。
・「荒れ」解決のため、スクールソーシャルワーカーを全中学校区に(深刻なところには複数)配置すること。子どもに寄り添う養護の先生を複数配置すること。当面、協力いただける地域の方々に、一定の研修を受けてもらい、子どもの心に寄り添った支援の体制をつくること。
・児童生徒の豊かな心を育てるため、学校図書館司書を全学校に配置すること。
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