森男の活動報告綴

身辺雑記です。ご意見ご感想はmorinomorio1945(アットマーク)gmail.comまで。

シャール2C モンモデル 1/35 CHAR2C MENG MODEL (その1)

2014年10月26日 | AFVの模型
久しぶりに戦車の模型を紹介します。

モンモデルのシャール2C重戦車です。雑誌作例としてホビージャパン誌2014年5月号に掲載され、「ホビージャパンムック 戦車模型製作の教科書 MENG編」に再掲載されたものです。もしよろしければぜひご覧下さい。

実車の履歴を簡単に紹介します。これは第一次大戦時にフランスが計画した重戦車です。しかし結局戦争に間に合わず、終戦後に完成。10両生産され、大戦間に就役していましたが、戦車の性能・用法の進化とともにあっさり時代遅れになってしまいました。第二次大戦でドイツがフランスに侵攻した際に、老骨に鞭打って引っ張り出されますが、鉄道で戦場への移送中、空襲を受け行く手を阻まれ、自軍の手によって爆破・遺棄されました。

なんといいますか、非常に気の毒な戦車です。まあ、戦争に参加しなかったという意味ではピースフルなわけですが、やっぱりせっかく戦車として世に生を受けた以上、なにがしか活躍してもらいたかったところ。しかし、模型を見れば分かりますが、とにかくまっすぐ進んで塹壕を越えるための戦車であり、ドイツ戦車相手の機動戦は無理だっただろうと思います。そもそも、左右に曲がれるのかなあ、、、。

実車はどうあれ、いかにも昔の多砲塔戦車といった、実に愛嬌のあるスタイルで、とても好きな戦車です。同種の戦車の中ではデザインセンスもいいんじゃないかなと思います。昔からキットがほしい戦車のひとつでしたが、さすがにマイナーすぎて無理だろうと思ってました。なのでモンモデルがリリースを発表した時はびっくりしました。

前作のルノーFTは、車内を精密に再現するなどかなり細かいパーツ割りのキットでしたので、新作として発表された時は「この大きさでアレだと大変だなあ」と思ってたのですが、箱を開けるとかなりあっさりした構成で拍子抜けしました。組み立ての時間はルノーの半分以下くらいの印象です。とはいえ、細部の表現はキッチリと抑えており、決して手抜きをしているわけではありません。モンモデルはほんと「わかってる」メーカーですね。この辺の緩急のつけ方はなかなかのものです。じゃあどこが「わかってない」かといえ(略)

組み立てはさくさく進んだので「楽勝じゃーん」と思ってたのですが、塗装が大変でした。難しいとかじゃなくて、車体が大きいのでやってもやっても終わらない!(笑) チッピングとかは死ぬかと思いました。基本塗装はクレオスのラッカー。マスキングゾルで迷彩にします。マスキングゾルは剥がしにくくて難儀ですが、ぬるま湯にジャボ漬けして、不要な筆でこすってやると剥がしやすいです。ただ、水が密閉空間に入ると全く乾かなくなるので注意が必要です。今回、雑具箱の中に入った水がいつまでも染み出してきて困りました。こういうところだけは仮止めにして、後で接着したいところです。タミヤエナメルでウオッシングし、チッピング。それから下地の近似色で明度を変えた塗料を塗り広げ、色の深みを出します。ここはほんとは油彩の仕事なのですが、乾く時間が遅いのでエナメルで同じようにできないかやってみたところ、まあまあそれっぽくなりました。「なんちゃって油彩」ですね。

大きいからといって、チッピングやウェザリングの手を抜くわけにはいかないので、大変でした。でも、まあ修行だと思えば、、、。とはいえ、そろそろこういう塗装法は古くなりつつあるようです。でも、こういうヤレ具合、好きなんですよね、、。緑の場所のチッピングは、ダークイエローと錆色の二種でやるとそれっぽくなりますね。ダークイエローのチッピングはハンブロールの154番を使用。ハンブロールはほぼ初めて使ったのですが(何種類かは以前買って在庫していたのですが、ほとんど使ってなかったのです)、この種の色調の割には伸びと発色がとても良くて使いやすかったです。さすが、、。マフラーもガビガビにします。でも凹みとかはつけてません。錆は、パステルで。泥はいつもの百均の木粉粘土を水で溶いて塗りつけたものに、エナメルを染み込ませています。キャタピラがメチャ長いので、大変です。

シャール2Cは、前述のように塹壕を越えるためとても細長い形をしています。完成品を見ていて「もうちょっと全長が短かったらもっとカッコいいのになあ」と思いました。試しにフォトショップでショートバージョンを作ってみました。「シャル2C」(笑)上と同じ写真をいじったのですが、違い、わかります?これくらいがバランスが良くて、しかもちょっと強そう(笑) 昔なら、キットを改造するしかなかったのですが、今はこうやってお手軽にシミュレーションできるわけで、いい時代になったものです。でも、実際にちょっとやってみたかったりして(笑)

ところで、シャール2Cを初めて知ったのは松本州平氏の作例でした。モデルグラフィックス1985年9月号です。うわあ、、、29年前かあ、、。当時はお小遣いが月1000円とかで、模型雑誌を買うのは死ぬ思いでした。この号は、特に気になる記事があったわけではないのですが、何故か買ったわけです。誕生日とかで祖父母からお金をもらって余裕があったのかな?(どーでもいい)

記事はフェアリー企画の72のレジンキットのレビューで、「なんてイイ感じの多砲塔戦車なんだっ!」と私は衝撃を受けたわけです。「このキットほすぃー!!」と体をクネクネしてしまいました。しかし、580円の模型雑誌の前で「買うたやめた音頭」を踊る最低辺の身分の私が、3000円のレジンキット(でも今考えるとフェアリーのキットって、物価上昇率を考慮しても割と安いですね、、)を通販という複雑怪奇な手続きを経て買えるわけはなく、そしてもし入手できたとしても完成させるスキルがあるはずもなく、文字通り指をくわえてみているだけだったのでした。

それを考えると、今このように35のキットが普通に出てるというのは、なんといいますか、感無量ですね。松本氏はその後もフェアリーのキットの作例を作られてますが、そのラインナップのL6やズリーニィ、BT7などなど、ことごとくインジェクションキットになってますね。うーん、、ほんと凄いよなあ、、、。松本氏の製作ではなかったと思いますが、BT42なんかはタミヤが出してるんだもんなあ、、、。当時「将来BT7とBT42がMMのラインナップに入る!」とかいったら気●い扱いですよ。いやマジで。なので当時のことを考えると、出たキットの「ここは間違ってる!」「このパーツ割りは不親切だ!」「この内容でこれは高い!」とかは口が裂けてもいえないなあ、と思います。言ってますけどね

というわけでまた。次回は、Ⅰ号戦車とかをご紹介します。

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幸せってなんだっけ

2014年10月19日 | 雑記
このところ、当ブログはいささか殺伐としているような気がしますので、できるだけまったりモードにしてみます。

自宅の前は駐車場になってますので、たまに野良猫がやってきて好き好きにヒマをつぶしていきます。この猫は見かけたとき、なんか違和感が。寝方がですね。

私の住む街は、路地が多く車の入りにくい昔のままの区画なので、野良猫が比較的多いです。散歩すると、なんかしら野良猫と会うことができます。猫が好きなのに飼えない身としてはとてもありがたいです。この猫は普通の黒猫ですが、背景の看板がいい感じかなあと。猫のはそのままでいいんすね。

どうでしょうか。まったりしていただけたでしょうか

前回まで、モデルガンをあれこれ持ち出してなんだかんだと書きました。要するに「現物もしくは現物に近いものを触ってみると、モデラーとしてはいろいろ得るところがあるような気がしますが、どうでしょうか」ということです。

同じような意味で、モデルガンだけでなく軍装品もいろいろと参考になります。ご存知、ドイツ軍の略帽と戦車帽です。もちろんレプリカですが実物に忠実につくられたものです。

ウール地は、さわってみるととても温かくて、ほんと寒冷地用という感じがします。このへんは、さわってみないと分からないかもです。日本のような高温多湿の時期がある風土ではあまりなじみのない生地です。徽章の付き方も、参考になります。こういうのは全て縫い付けているわけで、35でも出っ張ってるほうがリアルですね。実際、モールドになってるキットも多いですね。

ウールは完全なつや消しで、表面の質感もかなりざらざらしています。色も、フィールドグレー単色というよりは、ドット状に数種の色が混ざり合っているような感じです。こういうのは、フィギュアの仕上げに反映させてみたいところです(できるかどうかは置いといて)。また、使い込むとエッジの色が落ちるようです。戦車帽は、昔髪が長かった時、作業にじゃまなのでかぶってたので結構使い込んだ感じになってます。今はかぶってません。念の為。国防軍とSSの戦車帽は形が違うのですが、かぶってみると国防軍のはちょっとやぼったく、カッコよく崩しにくい気がしますね。

絵に描くときにも参考になります。これは中四国AFVの会で使った宣伝用イラストです。ヘッドホンとかも現物があればより望ましいのですが、破産しますわね。ステアーのモデルガン、出ないかなあ、、、。そういえば、某店でオーディオ用にしたレプリカヘッドホンの製作を予告してましたが、あれ発売されたのかなあ、、、。出てても買えなかっただろうから今となってはどっちでもいいことですが。

略帽のハチマキは、このように耳あて・鼻あてとなるのは有名ですね。この辺は、軍用として考えられたというよりは、昔からの伝統的な帽子の意匠なのかもしれませんね。戦車兵の前あわせの上着も、もともとはスキー用の服だと聞いたことがあります。

こちらはエスビット。ドイツ軍で個人用の装備として支給していた簡易ストーブです。現行品ですが、デザインは戦中のものとほぼ同じです。戦中のはエスビットの字体が筆記体です。あと何種類かあるようです。これは、普通にアウトドアショップで売ってますね。私はキャンプ用の予備として使ってました。赤い箱は固形燃料。本体はこの箱を入れるハードケースとなるわけです。燃料が一つまみ残ってたので火をつけてみたらちゃんと燃えました。15年くらい放置していたのに、、、。凄いですねえ、、。まあ、化学的なものでしょうから、劣化したり湿気たりはしないんですかね。

簡単なものですが、機能的で軽くて小さい。よく考えられてますね。横の板の角度も2段階あり、小さいカップも置けます。コーヒーくらいのお湯ならすぐ湧きそうです。手前のは当時支給されていたカフェイン入りチョコレート「ショカコーラ」。パッケデザインは違うみたいですが、これも今売ってます。昔、ロ●トで見かけてつい買ってしまったのですが「今食べるともったいないから、そのうち食べよう」と置いてたらとっくに賞味期限が過ぎてしまいました。2007年となってますね。振っても音がしません。中は今どうなってるのかナー。戦記を読んでると「丸一日何も食べずにタコツボで頑張ってたら、見回りに来た将校が缶入りチョコレートを差し入れてくれたのでガツガツ食べた」などと出てきますが、それがこれですね。水筒は小ぶりのものです。これは戦後作られた戦中タイプの本物かな?(いつどこで買ったか覚えてないのです)。フェルトで包まれてるのが普通なのは、やっぱり基本寒い土地だからなんですねえ。日本軍のは普通タイプはむき出しですから。

この辺を雑嚢にいれて散歩に出かけ、雑木林の中とかでコーヒーとか入れると楽しいかもしれませんね。多分通報されるのでやりませんけど。あ、帽子やエスビット、水筒などはもちろん合法品です。

こう書くと、装備品をいろいろ持ってるように見えるかもしれませんが、つまみ食いのような感じでちょこちょこあるだけです。いや、ほんと。でも、あるならあるでなにかと参考になりますね。ちなみに、軍服は持ってないです。着る機会ないですしねえ。フル装備でサバゲーとかやったら、ちょっとは兵隊さんの気持ちが分かるんじゃないかと思うので、一度やってみたいですけど、全部そろえたらやっぱり破産しちゃいますからねえ、、。

あ、なんかまた殺伐としてきましたね。

最後に久しぶりに漫画の話題。

高●文●の単行本が超超久しぶりに出ました。いや、やっぱりこの人ほんとマジで凄いです。絵も凄いけど、考えてることも凄い。まあでも私の中では「棒が●っぽ●」が一番なんですけどね。興味のある方は「棒」が超お勧めです。漫画の一つの頂点かなーと思ってます。次の単行本は、15年後くらいかなあ、、。(※漫画関係は検索避けのため伏せ字にしています。有益な情報目当てに訪問される方に申し訳ないからです。ご了承下さい。)

「シャー●ー」も超超久しぶりに続巻がでました。続いてるとは知らなかったです。いや、いいですね。「エ●」が完結してしまったので、こちらは続けてほしいものです。この時代の社会や風俗、人々などに対する作者の「愛」が伝わってくるのがいいですねえ。ホームズとかもそうですが、この辺の時代が好きなもんでたまらんです。メイド?メイドはも(略)

ご主人のことが大好きな●ャー●ーが、ご主人の結婚話を聞いて不安になり「いつまでもそばにいたい」とお願いする回がありました。こういう「人に仕える幸せ」って、今はもうほとんどなくなった「幸せ」だなあ、とふと思いました。尊敬する社長とか先輩に「一生付いていきます!」というのは今もあるとは思いますが、「仕える」のとはちょっと違いますね。主従はほぼ一生付き合いますし、生活の距離も近いですしね。賃金をもらってたとはいえ、ご主人のために人生をささげた使用人がいる(いた)のは自然なことなんでしょうね。

こういう主従関係について、人権がらみで顔をしかめる人もいるかもですが、それじゃあシャー●ーの幸せはウソなのか、間違ってるのか、というとそんなはずはないわけで。時代につれて幸せの形も変るってことですよね。今の私たちは現在考えられる幸せが全ての幸せだと思ってるきらいがありますが、ひょっとすると、時代時代に今の私たちには思いもよらない幸せが、他にもっとあったのかもしれませんね。例えば?と聞かれても分かりませんけど。

というわけでまた。






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ユリイカ!か?

2014年10月12日 | 銃の模型
もしよかったらそれぞれの名前を当てて見てネ!

前回、モデルガンは原寸の模型だと書きました。模型は基本的に縮尺されて作られるもので、それでも原寸の現物を理解・把握できるのが模型の模型たるゆえんなわけです。建築模型とかはその最たるものですね。でも、原寸模型だからこそ気がつくことや、より理解できることもあるんですね。

MP40の銃身の下には、変な突起があります。その理由も、こうするとよくわかります。これは、戦車や装甲車の銃眼から射撃する際、外側に引っ掛けるためです。もし、発砲時の反動で銃口が車内に入ってしまうと、ゴメンではすまないことになってしまいます。また、銃身の下側には、銃眼に押し当てて発砲しても銃身が傷つかないように保護するガードが着いています。フロントサイトガードは壊れてますが、気にしないで下さい

多分、戦車兵は「車内からの発砲時は必ずここを外に引っ掛けるべし」と教えられたのではないかと思います。戦車のマニュアルにも載ってるかもしれません。

ルーマニアなどの同盟国に輸出されたMP41は、機関部はほぼMP40と同じで、銃床は木製の銃です。銃身にはMP40のような突起がありません。MP41は歩兵用ですから、このことからもMP40の突起は車載用のものだということがわかります。

つまり、当初から歩兵用だけでなく車載用としての使用も念頭において開発されたということです。世界初といわれる金属製折りたたみストックも、歩兵指揮官のために携帯をしやすくするようにしたというよりは、車載用として設計されたものではないかと。指揮官でも歩兵が使うなら、ストックが折りたためて少しばかり携帯しやすくなるよりは、丈夫なほうがいいはずです(理由は後述)。

MG34は、軽機関銃・重機関銃・車載機関銃という多目的な使用を念頭において開発された機関銃ですが、以上のことからもMP40も同じようなコンセプトで開発されたということが分かります。つまりドイツは再軍備後、かなり周到に兵器体系をあれこれ考えていたということです。

とまあ、モデルガン1丁でここまで考察できるのですがだめですかそうですか。

MP40の先祖は、MP18といいます。サブマシンガンもしくはマシンピストル(国によって呼び方が変りますが、同じものです)は第一次大戦の塹壕戦の中から生まれた新しい銃種で、MP18がその始祖といわれています。右からMP18/1(ドイツ)、PPSH41(ソビエト)、MP40(ドイツ)、ステンMKⅡ(イギリス)です。左の3丁はMP18から約20年後、各国で開発されました。それぞれMP18から形が変っていますが、どれも息子といっていい銃です。親が同じでも、20年もするとそれぞれの国の事情や思惑でこれだけ変ってしまうわけです。この辺も、銃の世界の面白いところです。で、あまり銃になじみのない人は「どれも一緒に見えるんですけど」と思われるかもしれませんが、そんなあなたは正常です。

MP18はソビエトの手にも渡り、これを参考に(証拠はありませんが、形状・機構などを見る限りはそのようです)PPD1934というサブマシンガンが開発・制式化され、次にPPD1938、1940と進化して、PPSH1941となります。最近絵を描いていなくて、技量が下がるのが不安なので描いてみました(笑)

PPというのは、ピストレット(拳銃)プレミョート(機関銃)=機関拳銃=マシンピストルという意味です。D・SHはそれぞれデグチャレフ・シュパーギンという設計者の頭文字です。PPD1940はほんとロシアンクラシックアバンギャルド(造語)な感じで好きですね。モデルガン、でないかなあ、、、。無理か、、。

それにしても、MP40とPPSH41の違いは興味深いですね。ほぼ同時期に開発されたものですが、ある意味で両極にわかれてしまっています。一見すると、科学技術に秀でたドイツと、イモ臭いソ連の象徴とも見えます。

しかし、PPSH41は頑丈で性能も生産性もよい非常に優れたサブマシンガンで、鹵獲したドイツ兵が好んで使用していたことは有名ですね。モデルガンをいじっているとよくわかるのですが、PPSH41のほうがとり回しがよく、手になじみます。木製ストックや、バレルジャケットの丸みが手にやさしく、取り扱うストレスが少ないような感じがします。ロシアは厳寒の地ですので、各種兵器は大きな手袋をして操作する前提で設計されており、同時にもっさりした衣服に引っかかりにくいようにも配慮されています。これはつまり着膨れしていなくても、手に優しいということです。例えば、往々にして凶悪な武器の象徴とされるAK47やトカレフも、そのつもりで見るとあちこちが丸くなっており、人に優しいデザイン(笑)ということが分かります。

さて今回、久しぶりにいじっていてふと気付いたことがあります。PPSH41は、白兵戦時の棍棒としても使いやすいようにデザインされたんじゃないかと。バレルジャケットは太くて大きく、握りやすい形をしています。ここを持てば振り回すのに苦労はなさそうです。MP40だと、バレルを持って振り回しても、バレルを軸にくるくる回って「インパクトの瞬間ヘッドが回転する」んじゃないかと思います。折りたたみのストックもまったく役に立たず、リーチが短くなるだけで、この場合致命的な欠点となります。

でもまあドイツ人は「弾切れの銃でどつきあいをするまで落ちぶれたくない」と思ってたのかもしれませんね。ちなみに、木製ストックだと、いざというときに薪になります。自分のを燃やさなくとも、その辺で凍り付いた「元」戦友の銃を集めれば一晩ぐらいはしのげるわけです。彼らも、彼らなりに酔っ払った頭でちゃんと考えているわけです。スターリングラードでどちらが最後に笑ったのかを考えると、いろいろと学ぶところの多い2丁だと思います。

MP40はマルシンのモデルガンです。お気づきの方もおられるかと思いますが、ちょっといじっています。以前、MP38にしようとしたのですが、途中で正気に戻って止めてしまいました。

閑話休題。PPSHのストックの下部には、不自然なふくらみがあります。これはMP18はじめ、他の曲銃床の銃には見られないラインです。

ひょっすると、これは人をどつきやすくするためのデザインなのではないかと。ちょっとの違いですが、インパクトのタイミングとしては意外と差が付きそうな気もします。見れば見るほど、そんな感じがしますが、どうでしょうか。兵器は全てのデザインに理由があるもので、無意味にこういうラインにするはずもなく、かといって他の理由も思い当たりません、、、。

実は20年来、「PPSHのストックのここはなんで膨らんでるのかなー」となんとなく疑問には思ってはいたのです。今回、久しぶりにこのモデルガンを眺めていて、答えのようなものがでて、ちょっとすっきりしました。

もちろん、この推察は間違っているかもしれません。まあでもしかし、こうやってあれこれ自分なりに考えるのがこの趣味の醍醐味なんですね。四式中戦車の回で、対空機銃架の形状についても気付いたことを書きましたが、正解なのかどうかはまた別の話なのです。まあ、どちらも正解だったら嬉しいですけどね、、、。

もしあの世というものがあって、シュパーギン氏に会うことがあれば、「あのストックのふくらみは人をどつきやすくするためですよね?」と聞いてみたいものです。「ハア?」っていわれるかもしれませんが。

というわけでモデルガンはまだまだ持ってるのですが、ほぼ全てどっかしら壊れてます。困ったものです。基本的に無駄遣いの王様でもありますし、そんなこんなで新しく買うことを止めてしまいました。これらは、10年以上前に買ったものばかりです。とはいえ、いじってて今でも気がつくことも多いです。また、銃の周辺は面白い話も多いので、また今後愚考とあわせて紹介させてもらえればと思います。

それでは。







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壊れることは最初からわかっていました。

2014年10月04日 | 雑記
前回、磨いて再仕上げしたモデルガンの写真をアップしたところ、それを見た知人(カタギ)からメールがきました。「リアルですね。こういうの、本物に改造できそうですね」とのこと。

えええーっと、それは不可能です。無理です。やろうとしても無駄です。「死ぬ気でやろうとすればできなくもないけど、果てしなく無駄で無意味な行為」という意味では、例えば歩いてニューヨークに行こうとするのとどっこいどっこいです。ご本人には、その旨丁寧にご説明し、納得していただけたようです。(その節は失礼しました&ありがとうございました)

で、モデルガンがどういうものなのか知らない人にとっては「改造できる」というのはわりと普通の認識なのかな、と思いました。そういえば、以前にも似たようなことを聞かれたような気もします。

なので、ちょっとその辺を説明させてもらいます。まず、モデルガンは弾を撃つことができません。BB弾というプラスチックの弾を打ち出すのは、エアソフトガンといいまして、構造的に全く別のものです。モデルガンは、本物の構造を模倣した、原寸の「模型」です。もちろん実物の弾を撃つことはできません。法律で、プラスチックや亜鉛合金という脆い金属で作るよう定められており、かつ銃口を必ず塞がなければいけません。弾の撃てるエアソフトガンも、弾の威力を厳密に定められています。当たったら痛いですが、人を傷つけるだけの威力はありません。(法律ではもっと細かく規定されているのですが、割愛します)。

例えば前回アップしたコルトSAAのモデルガンですと、銃口はこのように「インサート」と呼ばれる鋼材の板で塞がれています。プラの中に鋳込まれているので、インサートだけを外すことはできません。外そうとしたら、銃身全てが壊れるようになっているようです。「ようです」と書いたのは、やったことがないからです。

弾丸の入るシリンダーも、前面がこのように一部が塞がれています。プラスチックモデルガンは、銃身ともども隙間があってもOKなのですが、金属モデルガンは全てを塞がなければいけません。なので、リボルバータイプの拳銃は、シリンダーの前面を見ればモデルガンか実銃か一目で判別できます。それにしても、よく磨けてるなあ、、、(話ズレてんぞー)

もしドリルか何かでこういうインサートを削り取ることができたとしても(刃物を入れにくい形状をしているので、かなり難しいはずです)、そもそもの強度がありませんので、弾丸を発射することはできません。ほぼ間違いなく暴発するでしょう。どれくらい強度がないかといいますと、ちょっと乱雑に扱っているだけで壊れるほどです。

これはステンMKⅡのバレル。空撃ちを何度もしてたら、銃身の根元から折れました。亜鉛合金は一度折れると溶接も接着もできませんので、もう修理のしようもありません。トホホ。

こちらはPPSH41のレシーバーカバー。スプリングの圧力に負けて、ネジ穴から割れはじめています。ステンともども、廃業したハドソンの製品ですので、交換部品の入手は絶望的です。2例ともハドソンの製品ですが、同社の製品が際立って脆いというわけではありません。むしろこのメーカーの製品は丈夫なのが特徴の一つでした。モデルガンというのは、基本的にこれくらい脆いもの、ということです。つまり、モデルガンを長持ちさせたければ、買ったら箱に入れたまま押入れにしまっておくのが一番なのですね。ははは。

でも、もちろんそれなりに丁寧に扱ってれば、そうそうは壊れないとは思います。私はどちらかというとぞんざいに荒っぽく扱うほうなので、ガチャガチャいじってボロボロ壊しちゃうわけです。ううう、、、。例えば、ステンとPPSH含むこれら4丁のモデルガンは、全部どっかしら壊れてます。ネットオークションではジャンク品扱いですね。ああああ、、、。でもかっこいいなあ、、、。

あ、また書きたいことが書けませんでした。でもまあせっかくなので(?)気が済むまでもうちょっと続けます。あ、もちろん上の写真のブツは全て合法品です。念の為。いや、ほんと。

それでは。




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