「嫌な女」桂望実
初読みの作家さん。
このタイトルはどうなんだろう。
イヤミスっぽいけど、全然違う。
あまり内容とあっていない気がした。
在学中に司法試験に合格した徹子。
イソ弁としてスタートする
20代の徹子が70代になるまでのお話。
人生に虚しさを感じつつ、
仕事に喜びも感じず、
淡々と生きる彼女。
侍のような弁護士だと後輩に言われる。
困ったときだけ頼りにしてくる 遠戚の夏子。
夏子は詰めの甘い詐欺師。
女を武器に生きて行く、けど、なんせ詰めが甘いから。。。
徹子と対照的な夏子。
嫌な女だ。
女性からは徹底的に嫌われる夏子。
が、決して徹子は夏子を嫌いでない。
嫌な女も侍のような女も同じように歳を重ねる。
弁護士事務所の事務員だったみゆきとは
長く長く交友を続け、
いつしか親友となる。
みゆきの遺言が印象的で、優しく、温かく
涙が止まらなかった。
生き方が得意でなくても、
友と出会える。
友は数ではなくて深さだと思う。
いい作品でした。
大人の女性に読んでほしい。
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嫌な女 (光文社文庫) |
桂望実 | |
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