萬蔵庵―“知的アスリート”を目指すも挫折多き日々―

野球、自転車の旅、山、酒、健康法などを徒然に記載

インドを走る!part2 第17話「ポカラ(その1)」

2007年12月20日 | 自転車の旅「インドを走る!」

<遠景にマチャプチャリやアンプルナ山群があるのだが、いかんせん写真が古い>

 ポカラはネパール第2の都市で皇室の保養所もある観光地だ。ペワ湖とアンナプルナ山群を間近にみられる景勝地である。その為か欧米からも大勢の観光客が来る。彼ら向けにレストランもあり、食べ物も今までの所よりは、我々の口に合うものが多い。

そんな保養地であるので、我々一行はこの地にて大休止をすることにした。4~5日はのんびりしようという計画だ。これだけのんびりするのは、ニューデリーの7日間以来である。インドを知るのにニューデリー、ネパールを知るのにポカラ、といった感じで長期滞在することにした。

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 マチャプチャリとポカラの盆地を見ながらの長い下りが終わると、そこはポカラの町。アンナプルナ山群を眼の前にしたこの街にはさすがに外人旅行者多い。我々がいかに、観光地から外れたコースを走ってきたかがわかる。

宿を探していると一人のニイチャンが「ミズーミ、ミズーミ」と言って馴れ馴れしく近寄ってくる。ついて行くと、次第に湖から離れて山道に入っていくので、断って引き返す。こういう手合いが多いのが観光地の特色だ。観光地には外人慣れしている地元民が多く、「コニニチワ、ユーアーフレンド」などと勝手に決めつける。これがどうも好きではない。素朴な田舎の方がどれだけいいか。

結局、湖沿いの一人5ルピーのロッジに決める。アンナプルナ山群の見える所で、ネパリ(ネパール人の愛称。因みに日本人は“ジャパニ”)の可愛い女性がいるロッジである。夜、近くの簡易な西洋レストランでスパゲッティを喰う。チョーメンとよく似ていてうまくなし。11時頃、日本女性らしき人の数人の声。声からして若い。トランプ・花札の類を持っていないことを悔やむ。蚊が数匹いる。犬吠える。なんとか寝る。

翌朝、スズメの鳴き声うるさく、目覚める。結構早めにM君と2人で昨晩の飯屋へ行く。結局、春巻き(野菜炒めをパンで包んだようなもの)を頼む。パサパサしていて口がもつれる。M君、ヌードルをたのむが「スパゲティのお粥版だ」と口にする。うまくない朝食をすませて宿に戻る。庭に出て、屋根のあるところでゴロゴロとしながら旅行記をつける。

そこへ、おみやげの行商人来て、腕輪だの置物だのアンモナイトの化石だのをすすめる。ちょっと欲しそうな顔をすると、高くふっかけてくる。値切り続けると最初の値の1~2割まで下がる。値切るのをあきらめて7割や5割の段階で買ってしまったら大損である。自分の眼を養っておかないと損をする。

いつも思うが、人間同士の売買でふっ掛けあいだの、だましあいだのをしながら、時間かけて買わねばならぬという文化は私など、日本の定価購入になれた者からすると面倒でならない。

昼飯はペワ湖沿いのフィッシュテールロッジという一級ホテルのレストランで喰うことにする。筏があったのだが、気づかず、ボートで5ルピーも取られて行く羽目になる。また、レストランはセットのランチしかなく、一人50ルピーの食事となる。今日は金を使ってしまった日である。が、たまには浪費せねばやっていけない。

午後遅く、M君と二人でボートを乗りに行く。欧米人が多い。水面にボートを浮かべながらヒマール(ヒマラヤ)を眺めてのんびりするのは、また楽しからずやである。一緒に乗っているのがM君というのがちと面白くないが・・・。

夕方の一時間しか乗らなかったが、アグラでもあったドイツ人たちは6時間乗っていたそうな。明日はそのくらい乗っていたいと思った。一時間、一人2ルピーだ。トッピ(ネパールの帽子)を被った12歳にしては小さな、ねずみのような子供がやりくりしていた。物怖じすることなく、外国人相手に商売をしている。なんとも末恐ろしい。

夕食はサイケレで湖の方のスイス人の経営するレストランに行ってみる。安いし、結構いける。特にタマゴのサンドイッチがうまかった。明日からはここだ、と皆で決める。

夜、なんだかわけがわからんがジンマシンが出る。足の方なり。なかなか寝付かれず。玉子にあたったか?

明けてポカラ三日目。晴れてはいたが、山の辺りに雲多く、アンナプルナ山群は拝めず。残念。午前中、シャワーを浴びて久々にさっぱりしてから湿疹の出た箇所に薬を塗る。それから、3人で郵便局へ出かけ、日本の家族や友人達に葉書を出す。バザールでおみやげをみるが、特にこれといったものなし。帰りがけに茶店でヌードルスープを食う。これはマアマアいける。ヒマラヤにトレッキングに来た学校の先生らしき30歳過ぎの日本人とヒマラヤのことなどを話す。

しばらく宿で休息した後、湖へボートを乗りに行く。M君「一人乗りカヌー」を借りたが操縦難しいらしくうまくゆかず。私が代わる。最初はむずかしかったが、少し経つとコツが判り、快適に進むようになる。雄大な景色の中でカヌーを湖に滑らせる贅沢を味わう。

私一人で興に入っていると、ME両君いつのまにか陸に上がっており、雷がゴロゴロ言って、雨が降りそうだから早めに帰ろうという。カヌーのコツが分かり、楽しさがのってきたところであったが、明日また来ることにして戻る。

夕食に行く。はじめ、チャイニーズへ入ってみるが、そこのスィートアンドサワー(酢豚らしきもの)はとても食えたものではなかった。口直しにスイスレストランへ。サラダとピザがうまかった。ブラブラと宿に戻る。

ジンマシンますますひどくなる。安静を保つことによって克服しようと、なんとか眠る。朝方、目覚めると顔まで出ていたジンマシンがきれいに引く。

薬が効いたのか?精神力か? 
             
つづく

※「インドを走る!」について



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