1/2 脱原発・電力自由化論議は国家安全保障観が欠落【中野剛志】
2/2 脱原発・電力自由化論議は国家安全保障観が欠落【中野剛志】
中野剛志さんは前にもエネルギー安全保障の立場から原発推進を訴えていました。
その時の記事はこちら↓ですが、残念ながら現在、動画は見られません。
「原発は続けるべき」という意見も聞くべし(中野剛志)
2011-07-15 21:58:08
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/de733aa1fc4f4e26dda0d4f03b197d7d
今回、中野氏は①「色々な話が出てきているが、論点は地震が多く、津波の可能性のある日本で
原発は可能かどうかという一点だ」と言い、
②「福島以外の原発は冷温停止できているから技術的にも原発を安全に運転させることは可能だ」と話しています。
①については全く同意。冒頭、国の対応を批判する部分がありますが、全てにおいて納得します。
②については完全に同意することは出来ませんでしたね。「安全な設備をつくることが出来る」とは
思いますが、「安全に動かすことが出来る人・体制」が揃うとは思えないのです。
今の日本人が緊急事態に非情な決断を行い、事故に対応できるかどうか、疑問は残ります。
私が武田邦彦さんの話を聞きすぎたからかも知れません。
久しぶりに武田邦彦さんのブログを引用して紹介させていただきます。
武田さんは5月にも"福島以外の原発は余震でどうなったのか"という話を書いていて、
その時に引用した当ブログの記事はこちらです↓冷温停止出来たから大丈夫とは思えません。
武田邦彦さんのブログ 原発の4重苦
2011-05-10 08:32:37
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/3c2fc06425fab1f03f5fced223c62106
中野氏は自身のことを「素人」と言っておられますが、私も素人。
素人は素人なりに専門家の意見を聞いて考えなきゃいけませんから、
中野氏とは反対の意見を紹介しておきます。
よく考えましょう。
今の政府は何もしないまま「安全だ」と言い張っているだけのように思えますから論外。
何が何でも原発反対とは思っていませんが、原発を再開するためには安全基準を変えることは
もちろんのこと、関わる人の教育や事故時の体制も見直さないと、原発再開は出来ないのでは
ないでしょうか。
(雑感追記)
天竜川の事故で、救命胴衣を着けていなかったことが原因となりましたが、飛行機に乗った時の
説明と比べて、日本と世界の差を感じてしまいましたね。"なぁなぁ"になってしまう日本人に、
安全に原発を動かすことはできるのでしょうか。
動画の中で中野氏がみんなの党の江田が「電力の自由化で韓国の電気は安い」と言っているのは
大ウソとか、古賀氏を批判しているのは見ていて面白かったですね。もっと言ってくれ。
___________(以下引用)_________
なぜ、東日本の原発はすべて壊れたのか?
(注)ここで「壊れた」というのは、地震が起こって建物の中のものが落ちたり、壊れたりしても、1,2ヶ月で点検が終わって再スタートできるものを除く。
つまり「地震がきてもなにも起こらなかった」ということでは無かったことに限定する。
ここでこのようなことに注釈をつけるのは、「東日本の原発が壊れた」というと、原発の再開に強い熱意を持っている人から「棚からものが落ちたぐらいで壊れたと言うな!」とお叱りを受けるので、機械の損傷や放射性物質が漏れたような状態を「壊れた」と言うことにした(結果的には同じだが)。
・・・・・・
●2007年に震度6で壊れた原発
石川県志賀(しか)原発
新潟県柏崎刈羽原発
●2011年に震度6で壊れた原発
青森県東通原発
宮城県女川原発
福島県福島第一原発
福島県福島第二原発
茨城県東海第二原発(第一はすでにない)
●地震が予想されるので止まっている原発
静岡県浜岡原発
・・・・・・
東日本(青森から石川県)の原発で、震度6に耐えた原発は皆無である!! その数、30基。
壊れた原因は単純ではない。地震そのものの揺れ、津波の影響、人為的ミスなどがあるが、いずれも「震度6の揺れ」に耐えられない。
・・・・・・・・・・
次の連立方程式は解けない。
1) 日本の原子力発電所を作る技術は世界一である、
2) 世界で多くのところで原子力発電所が建設されている、
3) 日本人は慎重な性格で、工業製品の信頼度は高い、
4) 日本に震度6の地震は1年に1度ていど来ている、
5) 東日本の30基の原発が震度6で破壊された。
この矛盾を解くためには次のいずれかを加えなければならない。
A) 設計自体に欠陥がある、
B) 電力会社に欠陥がある、
C) 安全を監視している国に欠陥がある、
D) 日本社会に欠陥がある、
E) 運転に欠陥がある。
AからEまですべてが原因している。
A)は忘れもしない、原子力安全委員会、耐震指針専門委員会で私が「建物が壊れなくても、死者がでるような設計ではないか」と聞いたのに対して、東大の建築の先生がせせら笑ったことに代表される。
原子炉建屋さえ壊れなければ問題は無い。そんなつまらぬ質問をするかということで、原子炉を知らない設計者がいたということだ。
B)もこれまでの東電の隠蔽、九電のやらせメールを見れば、言うまでもないだろう。
C)も無人の外人記者クラブで「質問はないですか?」と聞き、事故で多くの人が苦しんでいるときに西山さんが高級ホテルで不倫をしていたことで象徴される。
D)は20年間で800億円という交付金と税金を貰えば危険な原発も受け入れた地方自治体である。
そして、E)は事故が起こって地元消防に通報しなかった現場にある。運転は緊急時の動作にこそ現れる。
・・・・・・・・・
かくして、福島原発の事故が偶発的なものではなく、原因がはっきりしていて根が深いものであることがわかる。
それをまったく解析、説明をしないで「玄海原発の安全宣言」を出した経産大臣も「国の欠陥」を示している。
私は技術者として真摯に考えると、残念ながら日本はまだ原発を再開する力がないと思う。
どうしてこんなに簡単なことが日本の原子力関係者で合意できないのだろうか? 科学技術は国民を不安に陥れるためにやっているのではなく、国民に安心できる幸福な生活に向かうものだから。
(平成23年7月20日 午後6時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/07/post_5a8e.html
_____________(引用ここまで)____________
当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
2/2 脱原発・電力自由化論議は国家安全保障観が欠落【中野剛志】
中野剛志さんは前にもエネルギー安全保障の立場から原発推進を訴えていました。
その時の記事はこちら↓ですが、残念ながら現在、動画は見られません。
「原発は続けるべき」という意見も聞くべし(中野剛志)
2011-07-15 21:58:08
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/de733aa1fc4f4e26dda0d4f03b197d7d
今回、中野氏は①「色々な話が出てきているが、論点は地震が多く、津波の可能性のある日本で
原発は可能かどうかという一点だ」と言い、
②「福島以外の原発は冷温停止できているから技術的にも原発を安全に運転させることは可能だ」と話しています。
①については全く同意。冒頭、国の対応を批判する部分がありますが、全てにおいて納得します。
②については完全に同意することは出来ませんでしたね。「安全な設備をつくることが出来る」とは
思いますが、「安全に動かすことが出来る人・体制」が揃うとは思えないのです。
今の日本人が緊急事態に非情な決断を行い、事故に対応できるかどうか、疑問は残ります。
私が武田邦彦さんの話を聞きすぎたからかも知れません。
久しぶりに武田邦彦さんのブログを引用して紹介させていただきます。
武田さんは5月にも"福島以外の原発は余震でどうなったのか"という話を書いていて、
その時に引用した当ブログの記事はこちらです↓冷温停止出来たから大丈夫とは思えません。
武田邦彦さんのブログ 原発の4重苦
2011-05-10 08:32:37
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/3c2fc06425fab1f03f5fced223c62106
中野氏は自身のことを「素人」と言っておられますが、私も素人。
素人は素人なりに専門家の意見を聞いて考えなきゃいけませんから、
中野氏とは反対の意見を紹介しておきます。
よく考えましょう。
今の政府は何もしないまま「安全だ」と言い張っているだけのように思えますから論外。
何が何でも原発反対とは思っていませんが、原発を再開するためには安全基準を変えることは
もちろんのこと、関わる人の教育や事故時の体制も見直さないと、原発再開は出来ないのでは
ないでしょうか。
(雑感追記)
天竜川の事故で、救命胴衣を着けていなかったことが原因となりましたが、飛行機に乗った時の
説明と比べて、日本と世界の差を感じてしまいましたね。"なぁなぁ"になってしまう日本人に、
安全に原発を動かすことはできるのでしょうか。
動画の中で中野氏がみんなの党の江田が「電力の自由化で韓国の電気は安い」と言っているのは
大ウソとか、古賀氏を批判しているのは見ていて面白かったですね。もっと言ってくれ。
___________(以下引用)_________
なぜ、東日本の原発はすべて壊れたのか?
(注)ここで「壊れた」というのは、地震が起こって建物の中のものが落ちたり、壊れたりしても、1,2ヶ月で点検が終わって再スタートできるものを除く。
つまり「地震がきてもなにも起こらなかった」ということでは無かったことに限定する。
ここでこのようなことに注釈をつけるのは、「東日本の原発が壊れた」というと、原発の再開に強い熱意を持っている人から「棚からものが落ちたぐらいで壊れたと言うな!」とお叱りを受けるので、機械の損傷や放射性物質が漏れたような状態を「壊れた」と言うことにした(結果的には同じだが)。
・・・・・・
●2007年に震度6で壊れた原発
石川県志賀(しか)原発
新潟県柏崎刈羽原発
●2011年に震度6で壊れた原発
青森県東通原発
宮城県女川原発
福島県福島第一原発
福島県福島第二原発
茨城県東海第二原発(第一はすでにない)
●地震が予想されるので止まっている原発
静岡県浜岡原発
・・・・・・
東日本(青森から石川県)の原発で、震度6に耐えた原発は皆無である!! その数、30基。
壊れた原因は単純ではない。地震そのものの揺れ、津波の影響、人為的ミスなどがあるが、いずれも「震度6の揺れ」に耐えられない。
・・・・・・・・・・
次の連立方程式は解けない。
1) 日本の原子力発電所を作る技術は世界一である、
2) 世界で多くのところで原子力発電所が建設されている、
3) 日本人は慎重な性格で、工業製品の信頼度は高い、
4) 日本に震度6の地震は1年に1度ていど来ている、
5) 東日本の30基の原発が震度6で破壊された。
この矛盾を解くためには次のいずれかを加えなければならない。
A) 設計自体に欠陥がある、
B) 電力会社に欠陥がある、
C) 安全を監視している国に欠陥がある、
D) 日本社会に欠陥がある、
E) 運転に欠陥がある。
AからEまですべてが原因している。
A)は忘れもしない、原子力安全委員会、耐震指針専門委員会で私が「建物が壊れなくても、死者がでるような設計ではないか」と聞いたのに対して、東大の建築の先生がせせら笑ったことに代表される。
原子炉建屋さえ壊れなければ問題は無い。そんなつまらぬ質問をするかということで、原子炉を知らない設計者がいたということだ。
B)もこれまでの東電の隠蔽、九電のやらせメールを見れば、言うまでもないだろう。
C)も無人の外人記者クラブで「質問はないですか?」と聞き、事故で多くの人が苦しんでいるときに西山さんが高級ホテルで不倫をしていたことで象徴される。
D)は20年間で800億円という交付金と税金を貰えば危険な原発も受け入れた地方自治体である。
そして、E)は事故が起こって地元消防に通報しなかった現場にある。運転は緊急時の動作にこそ現れる。
・・・・・・・・・
かくして、福島原発の事故が偶発的なものではなく、原因がはっきりしていて根が深いものであることがわかる。
それをまったく解析、説明をしないで「玄海原発の安全宣言」を出した経産大臣も「国の欠陥」を示している。
私は技術者として真摯に考えると、残念ながら日本はまだ原発を再開する力がないと思う。
どうしてこんなに簡単なことが日本の原子力関係者で合意できないのだろうか? 科学技術は国民を不安に陥れるためにやっているのではなく、国民に安心できる幸福な生活に向かうものだから。
(平成23年7月20日 午後6時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/07/post_5a8e.html
_____________(引用ここまで)____________
当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
>西山さんが高級ホテルで不倫をしていた
は関係ないじゃん。
危機管理体制に問題があることの象徴ともいえるのではないでしょうか。
特に脱原発派の人々は本質部分で反国家主義者であるとする分析もまったく同感します。
現状、中野氏のような冷静な原発問題の解説と論評を聞くことは既存のメディアでは殆ど出来ません。現にNHKのクローズアップ現代が原発推進の研究者の議論を封じ込めたと報じられていましたが、こうした時こそ決して自分達に都合の悪い情報はネグレットし、都合の良い情報だけで番組編成する事があってはならないと思います、報道を政治プロパガンダの道具にするなど言語道断です。
私は、日本のエネルギー政策の柱の一つとして原子力を選んだ過去の政治家や専門家が原子力エネルギーのもつ危険性を認識していなかった筈は無いと考えています。しかしそれでも過去の政策立案者は原子力をエネルギー政策の柱として選択したのです。そこに葛藤や苦悩が無かったはずはありません。いま、我々は原子力村なる利益共同体が自分達の都合と保身で原子力政策を推進して来たかのような次元の低い議論に自分達の目線を落とされてしまっています。しかし原子力をエネルギー政策の柱にするという選択に到るまでには当然激しい反対論もあり甲論乙駁の厳しい議論が重ねられた事は間違いありません。まさに先人達は高い目線と高貴な精神で苦渋の決断をしてくれたのだと私は信じます。
原発問題はイデオロギーの狂気によって歪んだ議論になりがちです。特に安全神話を吹き飛ばした福島の事故は半分死にかけていたサヨク反国家主義者達の魂に火をつけたようです。彼らのプロパガンダに取り込まれた新世代の日本人も多いでしょう。
私はこの問題には今こそ国民的議論が必要だと考えています。しかしその前提として歪みのない正しい情報、正しい知識、そして冷静に議論できる環境が必要だと考えています。ブログ主が信頼を置く武田先生ですが、私は同氏の主張の一貫性の無さに少々失望させられました。
私はそんな風に感じたことがないんで良く分かりません。
でも、当ブログで紹介するときは、自分が納得できるものを選んでますので、
武田さん本人への信頼はあまり関係ないと思いますよ。