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(萌☆典)拝啓、姫君様っ(日本の歴史に名を残す「姫」の伝説や逸話を徹底解説)

2012年05月12日 | ★★★☆☆
『(萌☆典)拝啓、姫君様っ(日本の歴史に名を残す「姫」の伝説や逸話を徹底解説) 』
安倍ちひろ (著), エマ・パブリッシング (編集),

 
総合科学出版 (発行)
A5判、ソフトカバー、160ページ
2010/12/30発行
ISBN-13 978-4-88181-805-3 
NDC分類: 281

定価 :1,575円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
古代から江戸時代まで、日本のスーパーセレブお嬢様、“姫”にまつわる歴史絵巻をご覧あれ。


はじめに p.02
Contents p.04
古代~奈良時代の姫たち p.08
 卑弥呼 p.10
 推古天皇(額田部皇女) p.12
 額田王 p.14
(後略)
平安時代の姫たち p.20
 藤原定子 p.22
 修子内親王 p.24
 藤原彰子 p.26
(後略)
鎌倉・室町時代の姫たち p.40
 平時子 p.42
 北条政子 p.44
 巴御前 p.46
戦国時代の姫たち p.52
 義姫 p.54
 愛姫 p.56
 明智玉子(細川ガラシャ) p.58
(後略)
江戸時代の姫たち p.86
 茶々 p.88
 お初 p.90
 お江 p.92
コラム◆浅井三姉妹1 p.103
コラム◆浅井三姉妹2 p.104
コラム◆浅井三姉妹3 p.106
姫目録 p.107
姫様コミック
 「突撃!姫戦法」 p.115
 「今日の姫さま」 p.119
 「姫様御らん心」 p.123
 「すろーらいふ ふぉーゆー」 p.127
 「平安美女にご用心」 p.131
 「ひめくり」 p.135
小説『姫さまの護り人』 p.139
参考文献 p.156
クリエーターズ・コメント p.157
あとがき p.158
奥付け p.160


萌え本分類:図鑑型。
ナビゲーター:なし。

カバー表紙:メインタイトルは縦書きで字色は白縁つき、桃~茜系のグラデュエーション。サブタイトルは白抜き文字。三つ葉葵、五三桐の家紋を背景に、姫君とおぼしき少女のイラスト。
中表紙:カバーと同柄のモノクロイラスト(背景は市松紋様のグラデュエーション)。
折込ポスター:なし。
本文: 本文は、縦書き一段組みを基本とする。浅井三姉妹を扱ったコラムと小説の部分は縦書き二段組み、各所の囲み記事、巻末の姫目録は横書きとなっている。
構成・設定:  全ページ臙脂(えんじ)色系の単色印刷。古代から江戸末期までの時代を5つに区分し、各時代の「姫君」53名について解説。うちイラストつきは32名で見開き2頁をあて、右側(偶数頁)にイラストと基本データ(生没年、姻戚関係など)、左側(奇数頁)には文書による解説と脚注で用語解説を配する。残り21名はイラストなしの1頁づつで、基本データと文書解説のみ。江戸時代の最後には、浅井三姉妹(茶々、お初、お江)についてのコラム3編が掲載されている(2011年度のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」に当てこんだものと思われる)。
「姫目録」は、本文で紹介した53名を含む姫君160名の年代別五十音順リストで一言紹介文つき。
小説「姫様の護り人」は、女装の少年剣士と主君の姫君、幼馴染の少女を主人公としたラノベ風戦国短編である。
コメント集には、作画担当の18名の担当画リストと一言コメントを掲載。

評価:
萌え絵度:  カバーイラストの風見春樹さんを含めてイラストレーター総数は12名。この他、4コマ漫画を6名が担当している。本文イラストの水準はそこそこだが絵柄の統一感は薄く、服装や装束の正確な時代考証はほぼ皆無。コミック部分は各々4頁にタイトル&4コマ×7本の構成であるが、こちらも絵柄・内容ともにバラバラ、わざわざ巻末にこれらをまとめて掲載した意味もよくわからない。
テーマ萌え度: 解説部分を担当した安倍ちひろさんは本書執筆のため「事前に読んでいた本も100冊以上ありましたが、書き始めてからさらに百数十冊は読んだでしょうか。」とあとがきで述べている。確かに本書の解説部分は平易な文体で見事に要約されており、著者の熱意の程がうかがえる。その熱意とくらべて編集段階のもたつきがめだつ結果になっているのは残念。発行年度(2010年)を考えれば参考事例は多数あるはずで、イラストの発注を工夫するとか(浅井三姉妹をそれぞれ別人が描いてるうえにコラム内で3人分のイラストを同一頁に再録している)、4コマ6本を載せるならテーマを時代別に振った上で各章の後に配列するとかはできたんじゃなかろうか。


萌え本的意義:
総合科学出版創業40周年記念企画の一環。『なわとロープと結びの方法。 』『萌訳☆ 孫子ちゃんの兵法 』(10/09発行)、『萌☆典 降臨!? 女神たん 』(10/11発行)に次ぎ、ISBNコードの書番から同月刊の『萌訳☆ 孔子ちゃんの論語 』に次ぐ5冊目、「萌☆典-」シリーズとしては2冊目にあたるが、「萌約☆-」シリーズがその後も続刊されているのに対して本シリーズは現在(2012年05月)まで続刊がない。
エマ・パブリッシングが編集に関わっている。
類書は、『戦国美麗姫図鑑 』(PHP研究所、09/06発行)、『姫君の戦国史 』(ホーム社、10/09発行)、『完全図説 戦国姫君列伝』(朝日新聞出版、10/10発行)など。
また萌えイラストの付かない姫君ビジュアル本は各社から多数発行されている。
関連本としては、『萌え萌え戦乙女事典 』(イーグルパブリシング、08/05発行)など。

総合萌え度 :★★★☆☆


紹介ブログ記事:
鏑木保ノート 2011年01月*日づけ記事、
『萌☆典 拝啓、姫君様っ』安倍ちひろ・総合科学出版
http://loplos.mo-blog.jp/kaburaki/2011/01/post_66ef.html
「左右見開きで右ページに姫君の名前とプロフィール(別名等の呼び名、生没年、血縁関係など)、そして萌え絵。左ページにはその姫君の事績《じせき》を「解説」「出来事」「補足」の三段に分けて紹介している。
本書のわかりやすさのキモはココにある。
「解説」でその姫君のだいたいの生涯を紹介し、「出来事」で生涯を代表する事件や出来事を紹介する。最後に足りない部分を補足する「補足」の部分というつくりなのだ。
同社の既刊『〈萌訳☆〉孫子ちゃんの兵法』を紹介したときにも僕は紙面のわかりやすさを褒めたのだけれど、『孫子ちゃん』が「パッと見てわかる」タイプのわかりやすさだとすれば、本書『姫君様』は「読んでわかる」タイプのわかりやすさだといえるかもしれない。」
 Amazonリンクつきのカバー写真と、公式動画の転載がございます。


総合科学出版の紹介ページ:
既刊本案内 >日本歴史 >萌☆典 拝啓! 姫君様っ
(下記Amazonの当該頁へ直リンクする)


Amazon.co.jp         の紹介頁
オンライン書店bk1     の紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁
セブンネットショッピング  の紹介頁
紀伊国屋書店BOOK WEB紹介頁


付記:
Amazonおよび公式サイト上の発売日は12月16日、紀伊国屋の発売日は30日。
上記の総合科学出版 公式ページは、直リンクでAmazonまで飛ばされたりシリーズの発行順序や発行日が不正確だったりと、テキトーな造りがめだつ。
2011年05月07日には、エマパブリッシングよりitunes用アプリとして電子書籍化された。
 姫様カタログ~卑弥呼から篤姫・お江まで
 http://itunes.apple.com/jp/app/id435067271?mt=8



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