しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

笠岡の大仙様

2023年03月17日 | 暮らし

笠岡の大仙様はずいぶんにぎわっていた。

それは昭和40年代までで、昭和50年代から次第にお参りの人が減っていった。

 

画像・笠岡市笠岡・大仙院 2023年3月15日  

 

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笠岡の大仙様


「金光町史・民俗編」 金光町 平成10年発行

大仙参り

葬儀のあくる日(翌日)、
シアゲのあとに笠岡市の大仙院に参る。
経木に戒名を書いてもらい水向け供養をし、
線香を立てて拝む。
また死者の着物を棚に供える。(胡麻屋)

笠岡の大仙様は毎月旧24日が縁日で、市が立つが、
お参りして、苗やタネを買う。
縁日にはお参りの人々で賑やかだが、
ことに正月と盆には、お参りする人々で溢れる。

盆月には、
ご本尊の手に結んだ善の綱が、本堂内さらに、水向け地蔵まで張り渡される。
お参りの人々は、死者への小遣い銭を捻り銭として、この綱に結び付ける。
この銭が死者に届くという。
以前には、死者を呼び出してもらう(口寄せ)人々もだんだんいたという。

大山に参ると死んだ子にあえると言った。
人が死ぬと大山に参る風習は、現在では、消滅したといってよいであろう。
そのかわり、笠岡の大仙参りがさかんだといえよう。

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「金光町周辺の民俗」  岡山民族学会調査報告  昭和46年発行


この地方や笠岡市ならびにその周辺では、
笠岡市の大仙院へ参る習俗が顕著に認められる。
初七日もしくはそれ以内に、また七七日(四十九日)または、その月以前に大仙院へ参る習俗は濃厚である。
そして大仙院に詣れば、死者に会えるという信仰は根強い。
ことに、子供の死の場合には、参らねばいけないことのようにさえ考えられている。
また、生前の着物、また玩具や菓子などを持って参ることが注目される。

大山まいり(六条院)

毎月旧の24日に笠岡市の大仙院へ参る。
その中でも、年の暮とはじめが多い。
死後、葬式がすんでから、
濃い者が一週間以内に参る。
参る折には、
死者の生前の所有物を持ってゆく。
新仏の時分には毎月参る。
塔婆を買い、経木を流したりする。


大山まいり(里庄町)
笠岡の大仙さまへ参らにゃならんことにして参る。
埋葬してから大抵七日(シアゲ)につれのうて参る。
四十九日にも、つれのうて参る。

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