■ポンコツ浪漫大活劇 バンピートロット@PS2
公式サイト
【オススメ度】
★★★★☆
【自己満足度】
★★★★☆
さて、今回は、少年さんやJINAさんなど、注目されている方も多いようなんで、ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット(以下バンピー)をレビューしたいと思います。
(お二方コメント感謝でしたm(_ _)m)
ちなみにこのソフト、実は購入のきっかけになったのは、発売前にあるblogで知ったのが理由だったんですよ。
それが、実は結局SIMPLE伝道のために本作購入を控えた、あのDAIKAI-6さんところで知ったソフトだったりするのですよね。
この場を借りて、このゲームを知らしめてくれたDAIKAI-6さんに感謝であります!
そして、感謝をするということは……というわけでレビューいきましょう(笑)
※など今回は一部ネタバレある可能性が濃厚です。
一応ネタバレは極力反転しないと見えないようにしたりしますが、その辺はご了承下さい。
また、ネタバレ自体に触れるコメントも極力控える(または濁す)ようにしてください。
とにかく序盤は評価が伸びない人も多いはず
自由を謳っていながら自由を感じない瞬間が多い
さて、いきなり最初は批判めいた流れからいきますがご容赦を。
バンピーを初めてプレイすると、キャラの作成の後物語が始まります。
トロットビークル(以下ビークル)もすぐ手に入るし、序盤は操作に慣れていくまでの過程、という感じで進んでいくんですね。
で、この過程をそのまま行動していると、最初「本当に自由度があるの?」という部分に直面します。
というのが、物語が大筋であるんですけど、物語を追っているとなんら普通のRPGとかと変わらない印象を覚えるんですよね。
なんか色々矢継ぎ早に頼まれて、やれることが増える印象を覚える時期もあるんですが、基本的には色々な展開ばかりが進み、また進むに合わせて行動させられ、という感じになっちゃうんです。
また、細かいロードの多さもそれにあわさってついて回ります。
フィールドと街の移動や、イベント時の読みこみなんかでは、簡単なあらすじや街なら街の説明が入りますが、実際は5~6秒のロードが入ったりすることも多いんですよね。
特に、街も広さによっては移動している途中にロードが入るんで、そういう部分で不満を高めてしまう恐れがあります。
ビークルの操作は意外に軽快
だが、チュートリアルや街内での移動において不満を感じることも?
さて、肝心の操作性ですが、これもちょっと癖があります。
まず人の時点では、キャラが左スティックで動かせるんですが、簡単に画面側向いちゃったりするんですよ。
それを右スティックでカメラ移動でフォローしたり、ねじ込んで背後視点にできたりするんですが、一気に動いちゃう分追うのが大変……。
慣れればそれでもなんとかなるレベルですけどね。
※2005/07/6追記
そうそう。
建物内移動のカメラワークは固定カメラ位置で、キャラとの距離に合わせて遠近が自動に切り替わるんですが、このカメラワークもちょっときついです。
また、建物内の移動中急に次のカメラに切り替わる時も、それに合わせて操作方向が変わってしまうため、なれるまで不自由を感じる事もあります。
※追記ここまで
で、これがビークルになると視点としては若干安定します。
というのは、ビークル背後視点で基本的には動けるからですね。
ビークルの操作は、2スティックを使ったラジコン操作、というのがわかりやすいでしょうか。
バーチャロンやゾイドインフィニティという感じ。
これは操作性としては十分ありで、慣れれば攻撃や防御も含め結構安定していい感じです。
歩くだけでなく、ブーストダッシュやジャンプもできますし、敵ロック機能もありますしね。
ただ、ロック機能は激しく動き回っていたり、敵を掴んで投げた後なんかに解除されるので要注意です。
ちなみにビークルに絡む操作を理解できるチュートリアルは、教わるのはいいんですが、最後の船長を倒すのが慣れるまで至難の技(汗)
ここが負け続けると、演出飛ばせずロードも頻発するので投げそうになる人も多いかも……。
ただ、ここまでロード地獄になる展開はあまりないんですが、物語上急な戦闘は多いんで、セーブだけきっちりしていっておけば、それほど本編でロード苦にはなりません。
ここでの攻略法(というか先々ビークルでの戦闘での有効性がわかると思いますが)を念の為書いておきますので、気になる方は下をネタバレチェック!
↓船長とのビークル戦ネタバレ攻略
慣れてくるとわかりますが、基本的にガードしつつ接近~攻撃ではなく、相手の射撃の隙に一気にブーストで近づいて掴み~投げ(とにかく早く。壁際に投げれればなおよし)~ブースト体当たり(orブーストで近寄りつつ通常攻撃)~掴み~投げ~
のループで攻めきりましょう!
投げはその後の戦いでも結構有効性高いしオススメです。
なお、障害物投げることもできますが、この船長戦ではそれはオススメできません。
実際の本編では使えるシーンも多々ありますが、まずは掴み投げを基本として覚えて、さくっと乗り切りましょう!
さて、慣れれば快適に動くビークル。
なので、街でも同じように動けるのを期待しちゃう人も多いと思うんですが、街はなんと、目的地(正しくは駐車できるパイロン)までのオート移動で、ビークルでは自由に動けません。
これは個人的に、産業革命時代で、車の延長上にあるビークルが、無秩序に動いてしまったら街の雰囲気も壊れてしまうし、何より何でもかんでもできちゃうのに問題が生じるための配慮だと思うんですが、これを知らずに入ると、裏切られた気分になる人もいるかも……。
なお、街でのビークル移動時はL1ボタン押すと速く歩いてくれます。(押しっぱなしではなく、押す事で切り替え)
また、人として行動する場合は、自由に走りまわれますのでご安心を。
物語がたまに突拍子もないことに?
唐突な展開が多々あり
物語についても、自由のはずが……というのは先にも書いた通り。
勿論選択肢は色々出てくるんですが、それ自体は大きく影響はしてきません。
(一部はその後の展開で選択肢が変わったり、というものはあります)
で、序盤はまだ流れとしていいんですが、中盤「へ?」とか「え?」とかなる展開が幾つかあったりします。
↓以下ネタバレです。それでも見る方は暗転させて読んで下さい。
例えば序盤は、記憶を失った自分が、ヒロインのコニーと出会って、彼女の流れでトロット楽団と知り合い、みたいな展開で進み、その後もネフロネフロの街を占拠されてしまい、とかいう流れがありますが、まだ自然なほうなんですよ。
ただ、中盤コニーを砂漠を超えて仲間の元へ送り届けて、そこでフェンネル脱退のトラブルが発生するんですけど、ここで特に入るという選択肢もないのに、気付いたら「楽団の一員」にされてたりするんです(汗)
(コニーはその前の演奏で、「今回彼にも一緒に演奏させたい」って話してただけな気がしたのですが……)
その他にも、仲間を人質にされて、ビークルバトルで八百長しろと脅される話も、その話が出ているのに、話後みんながいた元の場所にまだ普通にいて、こっちのいうことを信じてくれないから結局戦闘に……というような展開もあります。
シナリオの矛盾や急な展開、そしてそれを拒む術や別な方からなんとかする打開策がないという部分が、自由度を消して束縛させた印象にさせてしまいっているという点は否めません。
この辺で、最初に説明した不満等も合わせ「期待ハズレ」と感じてしまうことはあると思います。
ただ、それぞれの物語である伏線から、物事がわかっていったりするような面白さはありますし、個人的にはこれはこれでありかな? と思えるようになりましたけどね。
ここまで見ると酷評に見えるが
実はめちゃめちゃ面白いゲーム
さて、ここまで見るととにかく不満点の羅列で、ダメなゲームに見える本作。
しかし、開幕でのコメントや、☆4を見て「あれは何なの?」という方も多々いることでしょう。
このゲーム、正直不満な点はあるものの、評価でいうならかなりいい理由が多々あります。
その辺を個人的に列挙していきましょう。
■まったりしたいなら自らのペースでシナリオを進めてみよう
実はこのゲーム、物語上時間制限があるように見えて、制限がないシナリオが多かったりします。
だから「明日までにうんぬん」と言われたりしても、気にせず街の生活をしちゃうこともできます。
(勿論失敗にはならず、後日に進んでも問題なく話は進められます。)
そういう感じで強引にでも、街での生活がどんなものか、やれることをしてみると、見えなかった自由度が色々見えてきます。
例えば、ただただ制約になる食事についても、街でただ生活するにはお金が掛かるという事を再認識しますよね。
で、そのためにどうするか。
そう考えたとき、(シナリオの進行具合にもよりますが)さまざまなお金稼ぎの手段があったりします。
・楽団でコンサート
・路上ライブ
・アイテムを売買しての交易
・街道にいる盗賊団系ビークルを狩る
・化石を掘って鑑定
・闘技場でのビークルバトル
・ダンジョンを捜索
・バス代わりに人を運ぶ
……など、ほんとさまざまなんですよ。(これ以外にもあるかと)
こういう要素を物語を進めながらしようとすると、しようとしたらその街離れてしまった、なんてことにもなりますから、まずはそういう自由を堪能したい時は、自分なりに無理やりシナリオを進めないで遊んでみると、バンピーのよさに気付き始めるはずです。
なお、自分はまだ物語途中なんでこれは調べた情報ですが、物語を進めてエンディングに到達してしまっても、そのエンディング後セーブし、そのデータをロードするとそれ以降の続きを楽しめるそうです。
ですので、先に物語を堪能し、その後まったりとプレイしてみるのもありかと思いますね。
■細かく存在するやりこみ要素と自らの歩みを記載した履歴
序盤手に入れるメモを見返してみると、自分がどんな選択をして今に至ったかがわかります。
これがちゃんと記録されていくんですよね。
また、その中に、メインの物語とは関係ないけども、色々進展させる事が出来る寄り道的な話(いわゆるトロット楽団ベースではない、各街の人たちの物語)なんかへのキーが読み取れたりもします。
これがまた多岐にわたる量存在するんですよ。
こういうのを追いかけてみるだけでも、かなり色々出来る事がわかります。
また、アルバムというのがあって、ある場所で出会った人(or話し掛けた人)が、どんどんそれに追加されていく、というのがあるんですが、街レベルじゃなく、建物や組織レベルで、なんてのもあって、これをコンプするのもまた一労力あったりします。
細かい意味でのこういう部分を極めようとしていくと、なかなかやり応えがあります。
■自らに合わせて選べる楽しさ
例えばトロット楽団での演奏ですが、途中手に入れるさまざまな楽器を、自分で演奏したいものを選んで演奏出来ます。
(楽団のリーダーになった場合は、仲間の演奏する状況も変えられます)
得意な楽器をやるもよし、色んな楽器にチャレンジするもよし、それぞれがそれぞれのスタイルで楽団やライブに挑めるというのは、個人的にもかなりいいなぁ、と感じたりしてます。
同じように、ビークルのカスタマイズも人それぞれ。
地形にあった脚部を選んでみたり、自分の戦い方にあった武器を選んでみたり、自分のお金を稼ぐスタイルに合わせた荷台を用意してみたり……。
めちゃめちゃ種類が豊富、というわけじゃないですが、ここもまた自分らしさを出して楽しめるいい要素だと思います。
つまり「自分本意」の楽しみ方が出来たりするわけです。
とにかく、開幕だけで判断してはいけないスルメゲー
自分らしさと雰囲気のいい世界観を堪能し遊び尽くしてみましょう!
正直、序盤だけやった時には、自分も「期待していた感じじゃないなぁ……」というところも多々ありました。
ですが、やっていくと「あれもできるのか」「これもできるのね」という要素の多さに気付かされました。
多分、過去にレビューしているメタルサーガに方向性は近いんだと思います。
自由度は高いし、それは各人のスタイルで変わる。
ただ、メタルサーガはほぼ完全な放任主義(=物語はあるが希薄な存在で、行った先々での物語がメイン)であるのに対し、バンピーはひとつの物語の筋は用意しつつ、寄り道できる要素も多々ある、と考えるのがいいかなと。
ヒロイン・コニーの声優さんが棒読みとか、色々言われる点もありますが(苦笑)、自分はそんなコニーも大好きだから気にしない!(笑)
とにかく、最初の判断を下すのは開幕ではなく、ある程度やりこんでから評価してもらいたい作品です。
最後のネタバレですが、どの辺までやってから評価すべきか? を示しておきますんで、気になる方はチェックしてみてください。
↓以下ネタバレです。
個人的には、ネフロネフロをキラーエレファント団が占拠し、それを解放するまでは、まずは物語を追ってしまうのがいいかと。
ここで街に戻って一段落すると、コニーの母親の所でコニーを見送る、等の話が出ますが、これを先延ばしにしたり、またはコニーを砂漠超えて、ハッピーガーランドへ送る依頼を受けてから、自由にまずは動いてみるのがいいかと。
ここでそういう行為をしてみて、楽しめているか、とか、ここで書かれた評価にあった部分の面白さを感じられるか、を見てくれたらいいなと思います。
あとまったり寄り道するなら、楽団に入った後、ハッピーガーランドで初コンサート終えたあたりがいいかと思いますね。
とにかくクリアを行き急ぐより、色々試して色々遊んで、このゲームを堪能してもらいたいなと思います。