ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

座卓の制作~ロッキングチェアの制作

2013年09月27日 | 木工
金木犀の香りがするようになりました。
通勤路に2本ほどあるようです。






彼岸花が咲いています。
どこぞの名所の様に地面を埋め尽くすように咲くのより、ひっそりと咲いている方が好き。





蔦の葉が色付いています。





柿の葉も色づいています。


昨日くらいまで、まだツクツクホウシが時折鳴いていました。
河原のカジカガエルはいつの間にやら鳴いていません。







さて座卓の制作ですが、




足が付く仕口、形作りなど全て終わってから最後にテーブルトップの仕上げをします。
手鉋をよく研いで、丁寧に仕上げていきます。
機械で掘ってしまった逆目、板を剥いだ目違いなどを取りながらなるべく平滑にしていきます。
刃物で仕上げると、木目の美しさが引き立ちます。




軽くサンディングして、オイルをかけます。
乱反射して白っぽく見えていた表面もしっとりとした艶が出ます。
3回ほどオイルを塗って、足を付ければ完成です。





先日椅子を仕上げたのに、また椅子を作っています。
4種、7脚の混成ロットです。
しかし前回のロットは全て木の座面の物で、今回は全てペーパーコードの物です。
ロットを分けたのはそのためです。





後ろ脚・背もたれの部材に座枠の付く穴を開ける工程です。
角のみ機という機械を使います。
穴を掘っている面が加工の基準面になっていますが、
部材の上と下は基準面から平行になるように設計、加工してあります。
つまり、写真の様に部材を置くと、穴を開ける面が機械の定盤と水平にセットされるようになっています。
刃物は定盤に対して垂直に降りてくるので、真っ直ぐな穴が開くわけです。






これは背もたれのラダーが付く穴を加工しています。
上記の加工基準面と機械の定盤との間に楔形の治具を入れて部材を固定し、
穴の位置と角度を決めています。
楔型の治具の左右を入れ替えて、反対側の穴も開けます。





写真はそのように穴あけ加工が終わった部材の写真ですが、
下の物はその後に帯鋸で形を切り抜いたものです。
加工するために部材にはいくつかの基準になる面が必要です。
加工が終わったらその基準面を切り去り、そんな面なんか無かったがごとく、
なるべく流麗な形にしているつもりです。





そのために、このような断ち落としが出ます。




機械加工はセッティングがあるので数をまとめてした方が効率が良くなりますが、
穴やほぞの加工が終わると、あとは鉋かけ、磨き、組み立てなどの手作業中心の作業になります。
今回は、ここからは納期が先のロッキングチェアだけ先に仕上げます。




例によって部材の完成の記念撮影。






何度も同じような記事を載せているような気がするので、組み立ては省略します。







さて橇を付けるのですが、久しぶりなので、どうやったのかしばらく考えてしまった。





思い出した。こんな墨をしてホゾの加工をします。









夕方、外が真っ赤になったので出てみると幻想的な夕焼け。



上野村フェスティバル~座卓の制作

2013年09月20日 | 木工
上野村フェスティバルが終わりました。





今回のために唯一作った小物、スプーンです。
クルミ、サクラ、トチ、ウォールナットの4種類。塗りは荏油(えごまの油)です。





椅子の展示の様子。
上の2枚しか写真を撮らなかった!うっかりしていました。

これらは初日の写真です。
台風のため、2日目は2時まで。3日目は中止になりました。
2日目は朝から雨。お昼からはなんと晴れてよい陽気になりました。
しかし予報を見るとその晴れ間は嵐の前の静けさらしい。
片づけにはよい晴れ間ではあったけれど、何となくもったいない。


予報通り、月曜は日付の変わる頃から大荒れ。
でも3時ごろには雨は止む。
風雨が収まったので仕事に行く。




川は濁流が喉元いっぱい。


火曜日は片づけ。
憎たらしいほどの快晴。あと片づけにはいい陽気。
公共のテントや椅子などを干し、しまう。それに夕方までかかる。




素晴らしい夕焼け。気持ちが和むー。


水曜。自分のテントをやっと干す。
天候のために中止になったのは15回のイベントで初めてでした。






こつこつ手がけていた椅子がやっとできました。



両肘掛けが2脚、肘なしが4脚です。
注文は肘なしの4脚で、両肘の物は余剰の生産です。















こちらは制作中の座卓、の足。





足を組み立ててから、裏返した甲板に載せて取り付け位置を決めます。





桟が付く位置を5mmほど掘り下げます。
両側にベニヤでフェンスを作り、ルーターのベースを沿わせて寸法を出して加工します。


今日はここまで。








スプーン作り

2013年09月13日 | 木工
催事に向けて、スプーンを作りました。

家具を作るのが仕事のつもりですが、イベントの時に小物を作ります。
いらした方にちょっとお土産になるように。
家具はすぐ売れるわけではないので、日銭を稼げるように。
端材を利用したものを作ります。





家具の端材できれいな木目のものを取っておいて作ります。
帯鋸でおおよその形を切り抜きます。






これは断ち落とし。もうこれ以上は利用できません。






ここからは彫刻刀を使って凹面を彫ります。ここは手で掘ります。
様々な大きさ形のスプーンを作りますので、機械化は無理です。





彫刻刀作業で出た切りくず。
クルミ、サクラ、トチ、ウォールナットの4種類の木の屑がカラフルです。





丁寧に磨いたあとに水拭きして乾かして毛羽をだし、もう一度仕上げ磨きをします。
塗装は荏油です。


この3連休が催事の期間ですが、台風が来るらしい。
どうなるのでしょう?



想像の森・上野村フェスティバル

いろりろ木取り

2013年09月07日 | 木工
今後作る物の木取りをまとめてしています。




これはロッキングチェアのソリになる部材です。
材は厚さが9cmのクルミです。
丸太を挽いたときに、曲がっているところを先にチェーンソーで切り、
その短くなった残りの「たんころ」を9cmに製材したものです。
自分で製材に立ち会わないと、こういうものは手に入りません





帯鋸で切り分けます。





この板でソリが8本、なんとか取れました、よかった。





これはロッキングチェアの背もたれ。
普通の椅子の背もたれのは45mm厚の材ですが、ロッキングチェアの背もたれは60mm厚の材を使います。
広い板から贅沢に取ったので、木目が揃ってきれいなものになるはず。





一日で3種、7脚の椅子の木取りができました。
今日のは材が良かったので仕事も早かった。





夜7時。
いつも8時あがりなのでもう一仕事できる。
お客様が持ち込まれた材で引き出しを作る仕事の木取りにも着手。
全ての板を並べて検分。材はミズメザクラです。
目によく触れる天板や前板に良い板を使うようにあれこれ考える。








積んであった材の中にクスサンの蛹がありました。
幼虫は「白髪太郎」とあだ名がある立派な毛虫です。
蛹の周りに幼虫の毛が落ちているのが珍しい。
この繭は「すかしだわら」というそうです。触ると動きます。
網目模様がすばらしい。
もう少したつと明かりに蛾がやってきます。





工房のニガウリにカマキリ。





通勤路、自転車の前を横切るアオダイショウ。





夕方、足元の草叢にヤマアカガエル。


椅子の組み立て

2013年09月06日 | 木工
テーブルセットを納品してきました。




工房の散らかった背景とは違い、新しいお宅で撮らせて頂くと品物が映えます。







実は上記2脚の椅子には同じロットで作った兄弟がいます。
納期をにらみ、2脚を先行して仕上げ、残りをあとから仕上げています。






背もたれの組み立て。
6脚一度の組み立てにはかなりの数のクランプが必要です。





座枠の組み立て。
ほぞ穴に糊を付けて、、、





枠になる部材を差し込んで叩いて入れます。
ホゾは穴に対して少しきつく作ってあります。





左右を入れたら、、、





後ろ脚、背もたれの部材を同じように組みます。





叩いただけではホゾはぴたりと付かないので、クランプを掛けて圧着します。
このままオーバーナイト。


組んだ後ははみ出た糊をクリーニングし、
全体を水拭きして、サンディングで寝た繊維をふやかしたのちにもう一度細かいペーパーで磨きます。





座面も作り、肘なしの物はほぼ仕上がり。
肘掛けがあるものは座面を入れてから肘掛けを付けます。









栗がすっかり生っています。