けせらせら、な日々

ふぃくしょん、ときどき真実

黎明

2006-05-07 15:49:01 | Weblog
膝をかかえて首をすくめて
自分の身体をふたつに折って

じっと押し黙り、顔も上げず
ただひたすら沈んでいく
底の見えない深い深い淵


そうしてあなたは
声もあげず 助けも呼ばず
ずいぶん長い間 ひとりでいたのね


帰っていくひと、消えていくひと
喘ぐひと、泣くひと
そして ただ目を閉じるだけのあなた

だけど 底の暗がりからも見えるでしょう?
ほのかに明るい日の光が

かつて私に教えてくれた夜明けの美しさを
今度はあなたに教えてあげましょう

深くなればなるほど その闇は
晴れるときの輝きを教えてくれるから

忘れないで 
きっと あなたはいつかきっと
またその両足で この地に立つことができる

その日が来ることを
私は無邪気に信じることにします

そして 待つことにします。




     ※東京首都高速初台辺り