右手の人差し指を突きだして、親指を上に向けて
残りの指を握ると・・ほら、ピストルが出来る。
子供の頃、近所の男の子たちが、カウボーイになったり銀行強盗になったり
公園を走り回って「パン!パパン」なんてやってたっけ。
私は女の子だったし、気恥ずかしかったから
ベンチに座って見ているだけだったけど、本当は凄くうらやましかった。
あの晩、先に眠りについたアイツを見ているうちに
なんだかすごく憎らしくなって
ベッドサイドに仁王立ちになって、私アイツをころしてしまった。
手で作ったピストルをベッドの上のアイツに向けて
イヤなところや嫌いな口癖や・・あんなことやこんなこと
悔しい想いを全部心の中に並べて
そうして、撃った。
最初に、私をいつも抱きしめるその胸を、それから頭を。
「パン!パン」・・口に出して、撃った。
そうやって私が「ころした」ことを
それから何年かしてアイツに打ち明けた。
アイツは笑いながら、そうだろうと思った、と言った。
最近身体のあちこちが痛む、その時の後遺症だな、と。
ふふっ、と私が笑うとつられてアイツも笑った。
もとの罪は俺の方にあったわけだし。
犯罪はちょっとしたことがキッカケで行われるんだな。
そして、時効だな・・と笑った。
俺たちの時効だ・・と。
しみじみと顔を見合わせて
またふたりで笑った。
残りの指を握ると・・ほら、ピストルが出来る。
子供の頃、近所の男の子たちが、カウボーイになったり銀行強盗になったり
公園を走り回って「パン!パパン」なんてやってたっけ。
私は女の子だったし、気恥ずかしかったから
ベンチに座って見ているだけだったけど、本当は凄くうらやましかった。
あの晩、先に眠りについたアイツを見ているうちに
なんだかすごく憎らしくなって
ベッドサイドに仁王立ちになって、私アイツをころしてしまった。
手で作ったピストルをベッドの上のアイツに向けて
イヤなところや嫌いな口癖や・・あんなことやこんなこと
悔しい想いを全部心の中に並べて
そうして、撃った。
最初に、私をいつも抱きしめるその胸を、それから頭を。
「パン!パン」・・口に出して、撃った。
そうやって私が「ころした」ことを
それから何年かしてアイツに打ち明けた。
アイツは笑いながら、そうだろうと思った、と言った。
最近身体のあちこちが痛む、その時の後遺症だな、と。
ふふっ、と私が笑うとつられてアイツも笑った。
もとの罪は俺の方にあったわけだし。
犯罪はちょっとしたことがキッカケで行われるんだな。
そして、時効だな・・と笑った。
俺たちの時効だ・・と。
しみじみと顔を見合わせて
またふたりで笑った。