報恩軍配物語、その2


せっかく念願の三役格の副立行司に昇進したのに、一度も土俵で勝負をさばくことなく10年余りの闘病の後、亡くなった六代目木村宗四郎さん。
本来なれば、漆仕上げの立派な軍配にして大関相撲をさばくべき、白木の軍配は、その柄に『六代目木村宗四郎未完遺品』と墨書されて、菩提寺である江戸川区東小岩善養寺の文庫へと納められました。
それから六年……。
たまたま縁者のご法事でお参りに来たのが木村伊三郎その人。
法事の後席で住職のそばに座った伊三郎さんに住職が言いました。
「ああ、あなたも副立行司だから、ひょっとしたら知っているかもしれません、木村宗四郎さんっていう人」
「ご住職、何を言ってるんですか。宗四郎親方に、私はどれだけ世話になったかわかりません。私の父代わりのような方でしたよ。えっ?こちらのお檀家なんですか?」
「うん、それだけじゃない。……そうだ、ちょっと待っててくださいね」
と住職(私の父)は、車庫へ。そして、紫の風呂敷に包まれていた、あの白木の軍配を伊三郎さんのまえに差し出しました。
「あなたも知っているように、三役格になった時にご贔屓(ひいき)から頂いて仕上げて使う筈だった白木の軍配です。奥さんが涙の種になるからとお寺に納められたんです」
伊三郎さんの目からはみるみるうちに涙があふれでてきました。まるで十数年ぶりに父のあったかのようでした。
「こんなところで宗四郎親方の形見を手にするとは思いませんでした」
「そうですか。それは良かったです」
しばらく、亡き親方との思い出にひたり、涙ぐんでいた伊三郎さんは、何かを決したように涙を拭うと住職に言いました。
「ご住職、この軍配……」
さて、どんな決意の言葉が伊三郎さんの口から飛び出したか。
父はその言葉を聞いて「うっそぉ~」と言ったかどうかは、亡くなった今ではたしかめようもありませんが、それくらいビックリする申し出が……。
でも、それはまた次回(パソコンの調子が良かったらですが。とほほほ)。
本来なれば、漆仕上げの立派な軍配にして大関相撲をさばくべき、白木の軍配は、その柄に『六代目木村宗四郎未完遺品』と墨書されて、菩提寺である江戸川区東小岩善養寺の文庫へと納められました。
それから六年……。
たまたま縁者のご法事でお参りに来たのが木村伊三郎その人。
法事の後席で住職のそばに座った伊三郎さんに住職が言いました。
「ああ、あなたも副立行司だから、ひょっとしたら知っているかもしれません、木村宗四郎さんっていう人」
「ご住職、何を言ってるんですか。宗四郎親方に、私はどれだけ世話になったかわかりません。私の父代わりのような方でしたよ。えっ?こちらのお檀家なんですか?」
「うん、それだけじゃない。……そうだ、ちょっと待っててくださいね」
と住職(私の父)は、車庫へ。そして、紫の風呂敷に包まれていた、あの白木の軍配を伊三郎さんのまえに差し出しました。
「あなたも知っているように、三役格になった時にご贔屓(ひいき)から頂いて仕上げて使う筈だった白木の軍配です。奥さんが涙の種になるからとお寺に納められたんです」
伊三郎さんの目からはみるみるうちに涙があふれでてきました。まるで十数年ぶりに父のあったかのようでした。
「こんなところで宗四郎親方の形見を手にするとは思いませんでした」
「そうですか。それは良かったです」
しばらく、亡き親方との思い出にひたり、涙ぐんでいた伊三郎さんは、何かを決したように涙を拭うと住職に言いました。
「ご住職、この軍配……」
さて、どんな決意の言葉が伊三郎さんの口から飛び出したか。
父はその言葉を聞いて「うっそぉ~」と言ったかどうかは、亡くなった今ではたしかめようもありませんが、それくらいビックリする申し出が……。
でも、それはまた次回(パソコンの調子が良かったらですが。とほほほ)。


驚きの言葉とは…「実は私、M78星雲から来たウルトラマンなんです」と意表を衝く展開だと…笑
でも、今回の場合もそうなんですが、その後をどこまで一気にお伝えするかが頭の中にあると、ここでやめざるを得ないという場所があるんですね。
きっと小説もマンガも、枚数が決まっているために、物語の勢い上、どうしてもそこで切らざるを得
ないのだろうと思うようになりました。
このブログも、お仕事の合間に、ちょっとご覧いただける程度の文章量にしたいと思うと、いきおい、こんな切り方になってしまいます。
ご了承くださいませ。
もう『巨人の星』を悪くいったりしません。
ぐははは。