「左上腕部に虫刺され様発疹が集簇、庭仕事後だし、こりゃチャドクガ皮膚炎でしょう。まあお腹の発疹も同じようだし」ということで、抗ヒスタミン薬内服とステロイド外用にて一件落着、のはずだったのですが・・・、何と後日、治ってないどころか、あちこちに拡大しているではありませんか!!
そして皮膚科へ、診断は何と「汎発性(複発性)帯状疱疹」・・・「へぇ~~~」
ところで、水疱の中に存在する水痘・帯状疱疹ウイルスが気道の中で増殖して水痘(みずぼうそう)となります。水痘は、ふつうは1回かかると免疫ができるため、2回目の発症はしにくくなります。
しかし一度水痘になると、たとえ治癒しても水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節中に潜伏している状態(潜伏感染)が続きます。そしてストレスや心労、老齢、抗がん剤治療・日光等の刺激などにより免疫力が低下すると、ウイルスが再度増殖(再活性化)して、帯状疱疹が発症することとなります。
帯状疱疹はほとんどの場合、感染した神経線維の集まりが分布する皮膚に、体の片側に限って帯状に発生します。ところが免疫機能が低下している人では、何度も生じることがあり、また複数の神経領域や、体の両側に生じるなど、通常とは異なる発症パターンがあります。
ひとつは2箇所以上の神経に同時に帯状疱疹がでたもので、複発性帯状疱疹といいます。そしてもうひとつは、帯状疱疹に引き続き、全身に水痘のような発疹が出現する、汎発性帯状疱疹です。おそらく細胞性免疫力が低下しているから全身性に出現するのでしょう。ちなみに液性免疫によって水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体が作られます。免疫の詳細は今回割愛。
最後に、帯状疱疹では患部を冷やすのは逆効果です。打撲の様に冷湿布などで冷やすとかえってウイルスの働きを助長します。なるべく温めることを意識しましょう。
(風邪の時、何故発熱するのか、ウイルスの活動性を弱めるための自己防御応答です)
しかし、汎発性(複発性)帯状疱疹とは・・・、いったいどうしてそんなに免疫力が低下していたのでしょうか!?気になる。