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しゃっくり

2015-07-26 05:22:41 | 漢方

しゃっくり(噦り、吃逆、嗝)とは横隔膜などの痙攣(筋肉の不随収縮)、「息を止めて、ツバをゴクンと3回飲み込んだら治る」というのが我が家流(もしかしたら私流?)の治し方です。私には効果がありました。そういえば最近、しゃっくりが出なくなりました。加齢で横隔膜が緊張しなくなった? ストレスが減った? 暴飲暴食しなくなった? 腹式呼吸で横隔膜がしなやかになった? ・・・、さて正解は?

「両方の指を耳の穴に入れて、両方を強めに30秒~60秒ほど押さえ続けると止まる場合がある」そうですが、皆さんのしゃっくりの止め方はどんな感じですか?水を飲む? 舌を引っ張る? 目をこする?・・・

ギネスブックによると、最も長い間しゃっくりし続けたのは、米国のオズボーンという方で、なんと約68年間といいますから、聞いただけでたまげてあなたのしゃっくりくらいは止まろうというものです。

さてしゃっくりの原因は、早食いや大食い、飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎ、胃拡張、胃炎、精神的ストレス、睡眠薬や抗癌剤などの刺激の強い薬の服用や、全身麻酔による手術後の後遺症などなど。

先ほどのしゃっくりの止め方、いずれも迷走神経を刺激する方法です。横隔膜は迷走神経支配ですから、迷走神経を刺激する手立ては有効だと思います。が、それでも止まらなかったら・・・、漢方はいかがでしょう(*^_^*)

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は、こむら返りの特効薬として先日ご紹介しました。急迫性の筋肉の痙攣に頓服として効果が期待できますので、横隔膜という筋肉の痙攣=しゃっくりにも有効と思います。

呉茱萸湯(ごしゅゆとう)は、よく片頭痛に処方しますが、呉茱萸(ごしゅゆ)、人参(にんじん)、大棗(たいそう)、生姜(しょうきょう)の4味から構成され、呉茱萸、生姜は血行を盛んにし、大棗、人参は水毒による上逆を治す効果があります。冷え症で胃のあたりがちゃぽちゃぽ水が溜まったようなタイプに効果が期待できそうです。

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)は、黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)が胃腸の炎症を抑え、人参、乾姜(かんきょう)が胃腸の血行を改善して胃腸機能を回復してくれます。しゃっくりといえば半夏瀉心湯かな、などと10年前は処方していたような記憶があります。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、半夏(はんげ)、茯苓(ぶくりょう)が胃内停水を去り、悪心、嘔吐を治し、体液の循環を調整します。半夏瀉心湯に比べて、気のうっ滞を取り除き、気分を明るくする作用がありますので、特に神経質な人で胃腸が弱く、胃部の停滞感、腹部膨満感、胃内停水などが見られる人に適しているでしょう。「ノドやムネのあたりが詰まって苦しい」なんて症状を言ってくれたら、もうこのお薬で決まりです!

四逆散(しぎゃくさん)は比較的、体力がある人で胸腹部に重苦しさがあるような時に有効なことがあるようです。

以上、代表的なしゃっくり止め漢方をご紹介しました。物の本によれば、まだまだいろんな漢方がしゃっくりには効果があるようです。


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