風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

安保法制論議(中)

2015-06-18 01:13:45 | 時事放談
 今日の党首討論では、「民主党の岡田克也代表は法案を『憲法違反だ』と断じ、安倍晋三首相を追及した。しかし首相の『逆質問』には回答を避け続け、国民をどう守るかの具体的な見解を語らないまま『抵抗野党』の限界を露呈した」と、産経新聞は厳し目に論評していました。安倍首相からは「民主党は国民の生命や国の安全に責任感がない」(同)と断じられたそうです。民主党をこき下ろすのが趣旨ではなく、奮起を促したいがために引用しました。
 昨日は、民主党の長島昭久氏が、保守派の論客・櫻井よしこさんが理事長を務める民間シンクタンク「国家基本問題研究所」のホームページに「目を覚ませ、民主党!」と題して寄稿したというのが話題でした(http://jinf.jp/weekly/archives/16244)。長島氏は、国会論議でも野党からは唯一と言ってもいいくらいまともな質問をするなど孤軍奮闘されており、件の「目を覚ませ、民主党!」の中でも、「特に安保法制を巡る国会審議では、私たちが標榜した『保守二大政党』とは似ても似つかぬ万年野党の『何でも反対』路線がますます先鋭化している」と自己批判されています。一年くらい前、内外ニュースから出た「なぜ今必要なのか?集団的自衛権の(限定的)行使」という冊子にも寄稿されて、その当時から、「通常国会に関連法改正案を15本出して来て、さあ、議論しようと言っても、国民から見たら全貌が見えて来ないので、その大枠を決める『安全保障基本法』のようなものを先に議論すべき」などと提案されていて、民主党きっての安全保障の専門家は伊達ではないと思ったものでした(今国会でも似たような提案をされている由)。
 因みに、先ほどの「目を覚ませ、民主党!」で民主党の話に戻ると、「現状のままでは、政権奪還は夢のまた夢であろう。もはや解党的出直ししか道はない」として、三つの具体的指摘をして締め括っておられます。

(引用)
 第一に、労組依存体質から脱却しなければ改革に背を向けた勢力との批判を払拭できない。
 第二に、社会保障に偏った「大きな政府」路線を見直し、アベノミクスに代わる経済政策と地方再生戦略を打ち出さねばなるまい。
 第三に、「政争は水際まで」と腹を決めて、一刻も早く、政権交代前のような現実的な外交・安全保障政策に回帰することだ。目を覚ませ、民主党! さもなくば、消えゆくのみ。
(引用おわり)

 さて、今日のブログは、国会論戦そのものではなく、安保法制の国会質疑やその報道ぶりを見た古森義久さんが、日本の敵は中国でも南・北朝鮮でもなく、「日本そのもの」かと嘆息されていたのが面白かったので紹介します。
 日本共産党が、同法案の目的を「日本を戦争をする国にする」などと断じていることは、朝、時々、オフィスの最寄駅に降り立ったときに、都議だか区議のおばちゃんがマイクを使っておっとり刀で切り込んでいるのを鬱陶しくも聞かされているので、私も知っていますが、朝日新聞の記事の見出しが、「暴走」、「思うがままに武力を」、「ナチスの手口」などと相変わらず勇ましいことまでは知りませんでした。共産党に負けず劣らず、悪いのは、周辺国の迷惑を顧みず軍拡や海洋進出を続ける中国でも、核開発に余念がない北朝鮮でもなく、ましてや竹島占拠を続ける韓国であろうはずもなく、周辺国から今こそ平和的台頭を期待されているはずの日本こそ、80年前から現在に至るまで変わることなく侵略的で、自分たちが(と言いたいのでしょう)抑えないことには、今回の法案を通して、何をしでかすか分からない、他国に戦争を仕掛けないとも限らない、全くもって危険な国である、と激しく主張したいかのようです。
 戦前、国のなすことになびいて最悪の事態を迎えたのも、今、国のなすことにことごとく反対して手足を縛ろうとするのも、同じような危うさを覚えます。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 安保法制論議(上) | トップ | アジア太平洋の旅(上) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

時事放談」カテゴリの最新記事