風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

小林麻央さん

2017-06-24 01:31:00 | 日々の生活
 今更、芸能界や女子アナのことを語る年齢ではないし、個人的にファンというわけでもない。しかしガンであることを公表されたときには驚かされるとともに、それ以降はニュースを見るたびに頑張っているなあくらいには思って来た。その程度のことなのに、今日はなんだかやり切れない。34歳という若さのせいだろうか。明るく健康的な笑顔が心に焼きついて(彼女のブログは見ていないから余計に)とても信じられないせいだろうか。
 海外メディアからも注目され、英BBCが選ぶ世界の人々に感動や影響を与えた「今年の100人の女性」の一人に日本人として初めて選ばれた。そのBBCのウェブサイトへの寄稿で「私が今死んだら、人はどう思うでしょうか。『まだ34歳の若さで、可哀想に』でしょうか。私は、そんなふうには思われたくありません」などと気丈に綴っていたらしいが、可哀想だと思わずにはいられない。不憫で仕方がない。神様はなんと理不尽なんだろうと思わずにはいられない。
 旦那の市川海老蔵さんのことも、歌舞伎のことも、とりたてて思い入れはないのだが、「『愛してる』と言って…そのまま旅立ちました」という彼の言葉には思わず泣けてしまった。妻をもつ夫として、今はデカくなったが小さい子供をもっていた親として、これほど神妙な気持ちになったのは久しぶりだ。
 鼻水をすすりながら、(マラソンを始めてからは付き合い以外に酒を飲む機会がめっきり減ったのに)珍しく酒をちびちびやりながら、何故、こんな気持ちになるのか、自分でも驚きながら、このブログを書いている。私の母もガンだったが、ガン細胞に全てのエネルギーを吸い取られて、最後はガリガリに痩せた手を握りしめていたら、一瞬、握り返したような気がして、さらにニコッと笑ったような気がして、何も言わないまま、静かに息を引き取った、あの瞬間が蘇った。自分だって、いつどうなるか分からないなどと粋がっているが、生への執着は隠しようがない。ネットの記事に見る気丈な彼女のように、私も気丈に最期を過ごすことができるだろうか。あらためて生きることの愛しさを思い知った出来事だった。
 彼女のご冥福をお祈りして、合掌。
コメント
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