Olive☆。.:*:・'゜

つれづれなるままに・・・雑感を

「ただ、ひとりの父親」

2010-05-01 21:54:05 | 映画
銀座で開催中のイタリア映画祭2010で「Solo un padre」を観て来ました。
家族の絆や友情など、人との繋がりの温かさが真っ直ぐに心に響いてくる内容でした。
是非一般公開して欲しいなあ、それが無理ならせめてDVD化して欲しいな

<あらすじ>公式サイトより
皮膚科医で30歳のカルロには、生後10ヶ月になる娘のソフィアがいた。彼女の面倒を見ていた
両親がヴァカンスに出かけたため、カルロが彼女の世話をするが、思うようにはいかない。同じ頃、脳機能の研究のためにトリノに来たフランス人のカミーユとジョギング中に出会う。
時々、娘の面倒を見に来てくれるようになる彼女と親しくなるにつれて、カルロは失われた
感情を取り戻していく。心に傷を負った人間が、生きることの大切さを知り、再生していく
過程を穏やかなタッチでたどるハートフルなドラマ。

映画が始まって割とすぐにカルロは
恵まれた家庭で両親の愛情一杯に
育ったことが分かります。
スーパーマーケットでは添加物が
出来るだけ入っていない身体に良い
ものを買い、健康に気遣い、娘のこと
を第一に考えるいい父親です。
でもちょっと神経質なところがあって、
レストランのメニューに見慣れない
食材があると店員に事細かに聞いてみないと頼んでみようとしない。

娘のワクチン接種の時も小児科の先生にあれやこれや質問攻めに。
本屋で絵本やおもちゃを買いに
寄ったついでに昔レストランで
食べるのを躊躇した「daikon」
を辞書で調べているカルロには
クスっと笑ってしまいました。
いかにもいいところのお坊ちゃんで
まっすぐに生きてきて、失敗した
ことがなく、傷つくことが怖くて
冒険をしない。こういう人って
いますよね、自分で決めない人。

劇中でも娘の面倒を見てくれるようになったカミーユが自分から行動しないカルロにイラ立って
しまいます。

映画が進むにつれて、カルロが抱えている心の傷が徐々に明らかになってきます。
こんな感じの映画です⇒trailer

上映後にルカ・ルチーニ監督の質疑応答がありました。

今の若い人たちは恵まれていて何でも手に入るから、責任だとか傷つくことから逃げてしまう
傾向があるように思う。ブルジョア家庭に育った主人公も恵まれていて、自分から人を愛する
ことがなかった。でも奥さんが亡くなったり子供が生まれて責任を持つようになり、苦しみを
経験することで徐々に変わっていく、これはイタリアだけでなく日本でも共感できる題材では
ないか、といったお話がありました。既に撮り終わった次の作品でも一人は前のご主人の子供
で一人は今のだんなさんの子供という、離婚が珍しくなくなった現在ではありえる家族を描いた
映画だそうで、ルチーニ監督が来年ここでお見せできたら、と笑っていらっしゃいましたが、
本気で観たいと思っています。

引き気味で撮影した映像と主人公の顔をクローズアップにちょっとブレた感じの映像の使い
分けや奥さんが亡くなって、子供と一緒に自殺をしようとした海でのシーンが気に入っている
だとか、映画を観た後に撮影した監督から直接いろんなお話伺って、また本編を観たくなって
しまいました。カルロ役のルカ・アルジェンテロとカミーユ役のディアーネ・フレリの自然な
演技が光っていました。
<キャスト>
Carlo・・・ Luca Argentero
Camille・・・Diane Fleri
Melissa・・・Claudia Pandolfi
Caterina・・・Anna Foglietta
Giorgio・・・ Fabio Troiano
Eleonora・・・Sara D'Amario
Oscar・・・Alessandro Sampaoli

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