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「○活」って多くない?

2013年08月05日 15時48分32秒 | キャリア支援
「就活、妊活…『○活』って多くない?」
産経新聞
2013年7月28日(日)08:05

■節目と向き合う

就活、婚活、朝活…。
目標に向かって活動することを意味する
「活」ブームが止まらない。
若年層だけではない。
自身の葬儀や遺産相続の計画を考える「終活」は
高齢者にも浸透し、ついには
泣くことでストレスを発散する「涙活(るいかつ)」まで登場。
なぜ「活」が求められるのか?
(松岡朋枝)


◆泣いて涙活

薄暗い会場にはなをすする音が響く。
ハンカチで目頭を押さえる人もいる。
6月中旬に東京都新宿区で開かれた「涙活」。
20~80代の男女約30人が「涙ソムリエ」厳選の
“泣ける動画”を鑑賞した。
明かりがつくと、少し照れくさそうにしながらも、
感想を言い合う参加者たち。
この関係を「涙友(るいとも)」と呼ぶそうだ。

「男なら泣くな」と言われて育った世代の男性も涙活する。
全国で公開中の恋愛映画「100回泣くこと」の「涙活男子」限定試写会には
男性100人が参加。
クライマックスは、しゃくり上げる声も響いた。

東京都の会社経営、池辺政人さん(38)は
「男は涙は見せないものだと思うと我慢してしまうし、
子供に泣く姿は見せたくないから家では泣けない。
ここなら堂々と泣いてもいいと思って参加した」と話す。
「がっつり泣きました」と笑顔を見せた30代の男性2人組は、
上映後に意気投合した涙友だという。

◆抑圧の時代

涙活を発案した寺井広樹さん(33)は
“円満離婚”のための離婚式を執り行う離婚式プランナー。
離婚式で号泣した人が晴れやかな表情を浮かべることに着目し、
今年1月から月に2度のペースで涙活を行っている。

涙は自律神経が緊張状態の交感神経から
リラックス状態の副交感神経に切り替わることで流れる。
東邦大の有田秀穂名誉教授(65=脳生理学)は
「パソコンの普及で頭ばかりが疲れ、
不眠症になる人が増えている。
泣くことは睡眠と同じストレス解消効果があり、
現代に適したストレス解消法」と指摘する。
科学的にも効果があるようだが、
本来は自然に出るはずの涙にまで活動が必要なのか。

寺井さんはこう答えた。
「泣きたくても安心して泣ける場所がない人が多い。
感涙すら活動しなければいけないほど、
みんな抑え込まれているのかもしれませんね」

生理現象まで活動に変えてしまった「活」。
元祖は就職活動を略した就活とされるが、
就活サイト大手の「リクナビ」を運営する
リクルートキャリアによると、
「自然発生的に使われるようになった」といい、
発案者は不明だ。その後、平成19年に生まれた
「婚活」が火付け役となって、
早朝時間を有効に使う「朝活」や、「終活」が登場した。

◆自らを鼓舞

「婚活」だけでなく「妊活」「保活」「離活」など、
結婚に関係するものが目立つが、
健康のために取り組む「菌活」や、
食欲に勝てずに飲食してしまうことを自嘲気味に言う
「デブ活」など「活」のバリエーションは豊富だ。

博報堂生活総合研究所の酒井崇匡(たかまさ)主任研究員(31)は、
婚活や終活といったライフイベントを中心に
「活」が使われることに注目する。

「一昔前までは、就職や結婚、出産といった
みんなが通る節目があり、
それに応じて社会的な役割を担うようになっていた」と指摘。
しかし、都会を中心に
親類や地域との付き合いが減り、
しがらみがなくなった現在は
「自分でスタートやゴールを決めないと、
漫然と人生を過ごしてしまう」と考える人が増え、
「活」を行うことで自分を奮い立たせているという。

「自由過ぎる社会の揺り戻しが『活』ブームなのかもしれない」。
酒井さんはこう分析した。

■言葉遊び、大半淘汰へ?

梅花女子大学文化表現学部の米川明彦教授(日本語学)(58)は
「活」が広がる理由は、「婚活」のように
「結婚活動」の4文字から
2文字に縮めたことによる語感の変化と、
「カツ」という音の響きにあると分析する。

日本語には短縮することで言葉の語形が崩れ、
本来の意味を軽くする効果があるという。
活動も「活」の1文字にすることで、
活発に動くという本来の意味が薄まり、
「楽しもう」という意味合いに受け取られるようだ。

意味が薄まると音の響きが重視されるようになる。
「カツ」の音には「勝」や「喝」といった文字があり
「『たるんでいない』『自分や社会をよくしたい』という意味を連想し、
頑張っている自分を認める目的で使われている」と話す。

米川教授は「ちまたにあふれる『活』の大半は言葉遊び。
定着するのは就活、婚活、終活の3つぐらい」と指摘。
今後、「活」の中で淘汰(とうた)が始まりそうだ。

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