詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

エンドロール

2016年12月27日 | 
本当は終わることのない
ひとつのドラマが終わる

本当は名付けようもない
感情が爆発して

本当は透明でない涙を
クリスタルのようにこぼした

苦労は少しだけ報われたし
奇跡が起こらなかったことも
意味らしく見える

とても美しいものを
知っているような気もするし
知っているとは言えない気もする

でも
美しい
と思っている瞬間に
嘘はないはず

エンドロールが流れている
ひとつの作られた物語の中に
おのおのの物語を織り込んで
本当は終わることのない
時の流れ

本当は何かが次々終わっていて
それに気付くことが少なすぎるから
わたしたちはエンドロールを眺める

無数をひとつにして
名付けられないものを感動ということにする
エンドロールを
並んで見ている

終わったものは終わりを見つめられない

本当は何も終わっていない、という終わり
をエンドレスに生きている

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