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Tシャツとサンダルの候

霧の普賢岳


3連休最終日。


朝食を食べ終えた頃、昨日の少年が妹の手を引いてやってきた。


「アンパン、御馳走様でした。美味しかったです。」

「どういたしまして。」


実は昨日、小浜温泉に行った際、

「『おんせんあんぱん』って美味しかよ。魚のお礼に買って行こうか。」



長兄の提案で、ほんの気持ちだけ、あの家族に返礼していたのだ。


「でもね。君から貰ったお魚の方が、ずーっと美味しかったよ。ありがとね。」(長兄)



キャンプ場は、10時頃チェックアウト。

その後、兄弟で向かった先は雲仙普賢岳である。


だって、ここは島原半島なのだ。

この山に登らぬ手はなかろう。

3連休の間、食って飲んでばかりと思った向きも多かろうが、それは大きな間違いである。



先ずは、妙見岳から。




石段が続く斜面を30分程登ると、




ロープウエイ山上駅に到着。




そこから尾根道を少し進むと、




すぐに妙見神社に至る。

背後のピークが妙見岳頂上なのだが、登山道が崩落しているとの事。

神社から先は、立ち入り禁止となっていた。


「それじゃ、私はここで引き返すけん。」

「あ、そうじゃったね。では、また次回に。」


ここで篠栗の義兄とはお別れ。

私達は、国見岳へと歩を進めた。



尾根道の途中の平成新山ビューポイント。

さっきまで見えていた頂きが、あっという間にガスに覆われていく。


「ありゃりゃ。普賢岳に着く頃には、この雲取れてくれないかなぁ。」



何はともあれ、国見岳に取り掛かろう。




山頂まで続く岩場には、何カ所か鎖が掛けられている。




よっこらせっと。




次の鎖へ。




振り返ると、こちらの方にもガスが移動してきた。

あらまあ、である。



国見岳到着。


「普賢岳まではちょいと時間かかるけん、ここで飯にしようか。」



『この味 Y字バランス!』


ん?

オジサンには、何言ってんだか分かんないね。



この写真は、たまたま山頂に居合わせた人から、


「撮りましょう。」

「あざーす。」

「で、何のお仲間?」

「義理の兄弟ですけどね。」

「おやまあ、いいですね。じゃあ、私のカメラでも撮らせて貰っていいですか?」


何だか知らないが、いたく感心されてしまった。

もしどこかのSNSで、私のこの薄気味悪い笑みを見かけたら、それはこの時のものである。



国見岳を降り、




鬼人谷口まで降りてきた。

ここからは、鳩穴分かれ方向へ。



西の風穴。




一属一種、超稀少種の『やまぐるま』

絶壁にしがみつく様に根を張り、幹は地面と平行に伸ばす。

『変なヤツ』と言う他ない。



北の風穴




立岩の峰辺りからは、一層ガスが酷くなってきた。

すぐ近くにある筈の平成新山溶岩ドームも、全く気配すら感じ取れない。



そんなこんなで、普賢岳到着だ。




山頂からは有明海に浮かぶ天草、さらには、筑紫平野までもが見渡せる大展望!


の、

筈だが、この霧では10m先すら見通せない。


「残念!寒いし、降りようか。」


山頂滞在、ほんの数分。

さっさと下山である。



紅葉茶屋跡。




茶屋跡からは仁田峠方向へ。




仁田峠展望所到着。

下界は晴れているのに、平成新山にはしっかり雲がかかっている。

さっきまであの雲の中に、私たちはいたのだ。


お風呂は雲仙小地獄温泉。

ミルク色した白濁の湯に浸かり、山の疲れを癒す。



これで、3連休最終日の予定も終了、



なのだが、



何故か、


「続く」である。
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