5月14日
好天に恵まれたこの日、私はくじゅうを歩いている。
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目的の山は三俣山。
路傍では、ミヤマキリシマがポツリポツリと咲き出している。
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スガモリ越到着。
去年、丁度一週間遅れの5月21日に、同じコースを登っている。
目的は同じだ。
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ツクシシャクナゲと、ミヤマキリシマの状況確認だ。
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南峰分岐到着。
ここだ。
去年、ここから先のミヤマキリシマというミヤマキリシマに、尺取り虫が蠢いていた。
為す術もいなく食べられ続けるミヤマキリシマ。
あの悲しみにも似た感情を思い出す。
・・・今年はどうだろう。
祈るような気持ちで、ミヤマキリシマの株を凝視した。
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いない!
あの不気味な姿は、どこにも見当たらない。
結局この日、シャクガの幼虫を目にしたのは、北峰手前の一匹だけだ。
今年は期待できそうだ!
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一座目南峰。
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マイズルソウ
咲いているのは、この付近だけだった。
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南峰到着
5分程休憩の後、北峰へ。
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坊がつる
さて、ツクシシャクナゲである。
大鍋の底に降りてみるとしよう。
滑りやすい斜面を降りていくと、
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咲いてる、咲いてる。
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と、ここまではよかったのだが、
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鍋底まで降りたら、
去年は、お鉢を飾ったシャクナゲも、今年は1週間早いのに、早や店じまいである。
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激狭の登山道へ戻ってきた。
枝で腕に引っかき傷を作りながら、所々残るシャクナゲを楽しみ、次のピーク北峰へ。
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シャクナゲの代わりに楽しませてくれたのが、このイワカガミである。
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そこかしこで、ピンクの群落が見られた。
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2座目北峰到着
狭い山頂、長居は無用だ。
とっとと下ろう。
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雨上がりで滑りやすくなった坂を、何とか下り終えたら、
今度は本峰へと続く激登りが待っている。
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そんじゃ登るか。
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ロープ、岩、木の幹。
掴めるものは、何でも掴んでよじ登る。
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そして本峰到着だ。
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久住山と星生山の間から見える根子岳のとんがり頭。
去年の記事を見たら、まったく同じ場所で同じショットを撮っている。
我がイメージの貧弱さに、苦笑いするしかない。
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今回Ⅳ峰はパス。
西峰へと向かう。
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到着
さあ山飯だ。
カップ麺にお湯を注いでと。
えーっと、割り箸、割り箸・・・
😨
マジか!
箸が一本しか入ってない?
ザックを隅々まで探すも、我が身に降りかかった現実は変わらない。
もうカップ麺に、お湯を入れてしまっている。
今更片付ける訳にもいかぬ。
自分の胃袋に、一滴残らず収めるしかない。
「何てこった!」
この苦難を打開するには・・・
ポキ
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こうだ。
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箸を折ってみて分かった。
この短さでは、具を掴むことなど、土台が出来ないのだ。
ここでもう一度呟かねばならない。
「何てこった!」
『カレーは飲み物』とはよく言う。
ならばカレーヌードルも同じじゃないか。
これは飲み物なのだ。
カップを傾け、中身を口中に流し込ねばいいのだ。
最早割り箸など、流し込み作業の介添え用具でしかない。
西峰に誰もいなくて良かった。
そう神に感謝する私である。
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朝は咲いていなかった株。
下山の時刻には、ポツリポツリと蕾が開いてきた。
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三俣山に限って言えば・・・
ミヤマキリシマの見頃は、去年と同時期か、ほんの少し早いかも。
少なくとも、虫害はなさそうだ。
今年は3年ぶりに期待できそうだ!