みのる日記

サッカー観戦記のブログです。国内外で注目となる試合を主に取り扱い、勉強とその記録も兼ねて、試合内容をレポートしています。

ミラン × パレルモ

2006年10月24日 | サッカー: セリエA
06/07 セリエA 第7節: ACミラン 0-2 パレルモ

ご存知の通り、今シーズンのセリエAは不正問題の処分により、4チームが勝ち点を減点されるというペナルティを受けて開始されています。ミランもそのチームの一つであり、マイナス8ポイントを背負って、前節まで3勝3分けながらわずか勝ち点4。本来ならば今回対戦する3位パレルモと同じ、勝ち点12同士のチームという上位対決の試合でありました。

前半のミランは、相変わらずの鉄壁なディフェンスラインの先に、献身的な守備をこなすガットゥーゾ、確かな技術でゲームをコントロールするピルロを軸に、危なげのない試合運びです。終始優位に立ちますが、最近の懸念材料である攻撃が今日も物足りません。シュートチャンスにからむのがインザーギだけで、中盤およびサイドバックの選手たちのダイナミックな攻撃参加は見られません。不完全燃焼のまま45分を終えます。

後半になると突然、自慢の堅守にほころびが生じてしまいました。パレルモが単純につないでスルーパスを放つと、出した先のブレシアーノのマークについていたネスタが、どうしたことかボールから離れていってしまい、やすやすとブレシアーノをフリーにさせてしまいます。これを簡単に決められ失点。連携ミスとのことだそうですが、思わぬかたちでパレルモが先制しました。
直後のシンブリチオの強烈ミドルがゴールポストを叩くほか、またも守備陣にミスが出て、ミランはピンチが続きます。

このパレルモの勢いの前にいよいよ尻に火がついたミラン、ようやく重い腰を上げるように全選手が攻撃意識を持つ感じになったさなか、監督が選んだ采配は左サイドバックの交代(ヤンクロフスキ→マルディーニ)でした。なんで攻撃的な選手の投入じゃないの!とツッコミを入れたくなりますが、これが功を奏したのかどうか、左に張るようになったカカを中心として左サイドからの攻撃が活発になってきます。
今日の見どころの一つのシーンも、そのカカから生まれました。カカが左45度より、豪快なミドルシュートを放つと、ボールは左ゴールポストを直撃。そのはね返ったボールを拾ったピルロもまたミドルを撃ちますが、今度は右ポストに当たって弾き返されます。珍しい現象ではありました。ミラン、運にも見放されます。

その後もカカが2度ほど決定機に関わるも得点は出来ず、後半の半ばになってガットゥーゾを交代で退けた(この交代の意図もよくわかりませんでしたが)直後のことでした。そのガットゥーゾの抜けた穴を突くようにして進入してきたブレシアーノが、強力なミドルシュート!これをキーパーのジダが弾いた後に、アマウーリが無人のゴールへと押し込んで、パレルモに大きな大きな追加点が入りました。
いま、攻撃力の低いミランにとっては致命的でした。後半ロスタイム、フリーキックのチャンスから、この試合まるで存在が消えていたジラルディーノがヘッドでゴールに叩きつけて、ようやく1点かとも思われましたが、直前のジラルディーノ本人によるプッシングのファールで無念のノーゴール判定。何とホームで2試合連続無得点と言う結果で、今季公式戦で初の敗戦となってしまいました。ちょっと今後が心配ですね。

不調なミランの前線も要因の一つですが、パレルモは全選手、特に中盤の5人が皆で懸命に相手を追いかけ、足がつる選手が続出するなどの気迫ある運動量が無失点につながったのではないでしょうか。最終ラインは体を張ってボールをブロックし続け、MF陣は自軍近くでのポジショニングもよく、シンプルで直線的な攻めを支えます。好印象のチームでした。このまま好調を維持して、ぜひUEFAカップも勝ち上がっていって欲しいですね。
ちなみにこの結果、インテルと並んでパレルモは1位に立つことになりました。


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