角砂糖の降らない夜に。

小野大輔さんの出演作品を中心にアニメやイベントの感想を語るブログです。
ネタバレ満載ですのでお気をつけ下さい。

小説「文豪ストレイドッグス」感想その1

2016年06月04日 20時19分03秒 | そのほかのアニメ、漫画、ゲーム等
アニメ「文豪ストレイドッグス」の原作者さん自身による小説版!
現在3冊出てまして、全部読みました~。
厳密には、
1.アニメ化を知り原作のマンガを少し読む
2.アニメを見始める
3.マンガを読みきる
4.小説を読みきる
5.再びマンガを読みきる(2周目) ←今ここ
そしてマンガは買ってないのでマンガ喫茶で読んでいるのですがwwwww
小説で書かれた裏設定を読んだ上でマンガを読むとさらに楽しくてハマリすぎててやばいわwww

ってことで小説の感想をつらつらと。
ネタバレありです。

       


読んだ順番に行きます。
とりあえずお試しで買ってみた2冊のうちの1冊
太宰治の入社試験
表紙は太宰さん、芥川さん、国木田さん。
さらに開いたあとのカラー扉は、
探偵社内の太宰さん国木田だんと、
見開きで↑の3人プラス乱歩さんんんん!!
ってことは乱歩さん出るんですかありがとうございまあああああああす!

お話は、入社したばかりの太宰さんとコンビを組む国木田さんの苦労話。
依頼された幽霊屋敷の調査中に他の事件の行方不明者を発見したり、
その犯人を捕まえたと思ったら爆破予告事件が勃発したり。
…そう、これ、6・7話(たしか)のアニメで挿入されていたお話なのです。
元ネタは原作マンガではなく小説なのです。
(時間軸をいじってるのでアニメでは太宰・国木田コンビに加えて敦くんも一緒に行動してました)
このお話のどこが好きって言いますと、1つは乱歩さん。
爆弾が仕掛けられた場所を乱歩さんが超推理で言い当てるんだけど、
その時に実は太宰さんが乱歩さんの髪をつかんでて異能力が無効化される状態にしておりまして。
それに気づいていない乱歩さんは普通に推理をするわけで。
だから太宰さんが、乱歩さんの超推理は異能力ではない、とわかったというわけ。
(このあたりは敦くんに説明する形でアニメでも描かれてました)
異能力持ちの方がすげーーーってなるかと思うのに、実際乱歩さんは一般人ぽくてイヤだからと今も異能者だと周囲に言ってるのに
太宰さんは「異能力ならただの現象。だけど乱歩さんはは誰もが持つ思考力を働かせた結果。
一瞬眺めるだけで見抜いたとしたら大変な観察力と推理力だよ!!」と驚嘆。
それ乱歩さんにも言ってあげたらいいのになー。
ちなみにここ、乱歩さんがメガネをかけて超推理するシーンの挿絵つき。
マンガと同じ方の絵なのでとてもうれしい。乱歩さんかっこよすぎる。

もう1つの好きなシーンは、国木田さんと太宰さんが敵をスイッチするところ。
小説ではもう1つ、飛行機を墜落させる予告がきてその犯人を捜すんだけど、
たしかアニメでは爆弾犯の黒幕ってことにして登場した怪力キャラと数字を減らしていく異能力の人が登場して、
国木田さんVS数字を減らしていき死に至らしめる人(遠距離系)、太宰さんVS怪力(接近戦)で相性が悪すぎる。
近寄れないから国木田さんは武術をつかえないし、太宰さんは異能力を使われないから無効化しようがない。
で、一瞬目を合わせた2人が敵を交換!
これはアニメで見てさらにぶるっときた。演出がかっこよかったーーーーーー!!
そして最後は本当の黒幕を暴いてめでたしめでたし。

あ、小説とアニメで違ったのが(いくつかあるとは思うけど)、
途中太宰さんが犯人って疑われて国木田さんが撃ち殺すシーンがあったんだけど ※演技
そこがカットされてたのが残念。
小説では太宰さん?六臓少年?と犯人疑惑が次々に移っていって
最後に薄々みんな気づいていたと思われる真犯人登場、ってなってた。
あんまり二転三転させるとくどいから、か。


アニメに転用されたこともあり、日常に近いお話でした。

あれ?表紙にも出ていた芥川さん…ちょくちょく戦いを挑んでは来てましたけど…必要でした??
あ、でもラストに「輩の師ーーー元ポートマフィア幹部の太宰さん」と言っている。
これ、もしかすると発売された時期を考慮すると原作(マンガ)ではまだ出てない情報だったのかも!?
とするとこれは熱い役どころかもしれませんね。




とりあえずお試しで買ってみた2冊のうちの1冊
ある探偵社の日常 探偵社設立秘話
表紙は社長の福沢さんと幼き日の乱歩さん、後ろに太宰さん、谷崎さん。
さらに開いたあとのカラー扉は、猫とともに縁側に座る福沢さんのほのぼのシーン。
見開きカラーは、敦くんの入社試験の内容を議論する探偵社メンバーたち。楽しそう!
そして目次(カラー)は乱歩さん!メガネを持ってにやりと笑っている……!!

まずは【ある探偵社の日常】
太宰さんが敦くんを拾ってきた後、どんな入社試験を課すか相談するみなさん。
実は国木田さん、日ごろの恨みをこめて太宰さんを嵌めて入社試験をやる役を押し付けようと目論んでいて、
共犯に選ばれたのが谷崎さんで。あ、基本的に谷崎さん目線のお話です。
結局は太宰さんにすべて見破られていて、マンガ1巻でもあったように犯人役を谷崎さん、人質をナオミ、となったのでした。
あ、そういえば、ここでもナオミが兄である谷崎さんにあやしげなそぶりをとっていて、
探偵社員一同「クロだ」と思っている、という描写がありました。口にしないだけでそりゃあね……。

でね、このお話、探偵社設立秘話の前に掲載されているだけあって、
谷崎さんと国木田さんはなんで探偵社ができたのか、社長に設立を決意させた人物はどんな人なのか…という話をしてるんだけど
同席している太宰さんは曖昧に微笑んでおりまして。
もしかすると太宰さんは知っているのかもしれないね。不思議な人だ。


本命いきます。【探偵社設立秘話】。
たしかマンガ内でも、乱歩さんのために福沢社長が武装探偵社を設立したと言われていた。
その、真相。
一匹狼の腕のたつ用心棒:福沢諭吉。
用心棒として以依頼を受けた屋敷の奇怪な状況の中、突然現れた十四、五歳の少年(乱歩)が真相を一気に暴く。
これがね、乱歩さんの言い方がむかつくと言うか、子供ならではの遠慮のない感じと言うか。
(まぁ今でも乱歩さんは無気力で口も悪いのですがw)
でもね、福沢さんは乱歩さんが凄まじい推理力を持っていると気づく一方で、
乱歩さんがたびたび口にする「大人はわからない」に違和感を覚える。
見たらわかることなのに大人は僕に言わせてあとで採点するんでしょ?なんで? て具合に。
これほど頭の切れる乱歩さんが、凡人の大人の考えていることがわかるはずがないのに。
でも、違った。
おそらく唯一乱歩さんを超える両親(死去)の元で、守られながら育った乱歩さんは、自分が特別だと理解していなかった。
何度も福沢さんがお前は特別なんだと諭しても、両親の教えであるところの
「自分が特別ではないから他人を理解できない。他人を理解できないから両親の言うとおり自分は特別ではない。」
の論理を崩すことができない。
だからこそ乱歩さんはこれまで守られていたわけだけど…。

そして、福沢さんが用心棒として出向いた殺害予告を受けた演劇場にて乱歩さんが爆発する。
両親の教えが嘘なんだとしたら自分はなんなのか!と福沢さんに迫る。どうして自分だけが、と。
そこで福沢さんが口にしたのが、異能者だから、という答え。
そして能力を制御せねばならないこと、そのための道具を与える、と言って、自身のメガネを与えたのでした。
もちろん異能だというのはここで対応を誤ったら乱歩は再び中の世界にこもると直感している福沢さんがついた嘘で、
メガネももっともらしいことを言ったけれどその辺で買った普通のメガネで。
だけど、乱歩さんは救われた。
こうして乱歩さんは自身のずば抜けた推理力を異能として制御できるようになったのでした。
うーーーーーつらかった。
でも、他人と交わろうとしない福沢さんが乱歩さんを見捨てず導いてくれてよかったよおおおおお。

ここで終わりかと思いきや、まだ残ってる。
実は、劇場での事件で犯人は捕まったんだけど、実はもう1つ別の事件が並行して動いてたのです。
杖をつくあやしい人物がところどころに見え隠れしていて、そちらにまつわるお話が急展開を迎える。
劇場の方で少しやることがある福沢さんは、乱歩さんに先に署に行くようそばにいた警官に頼む。
乱歩さんも行こう♪とノリノリで。
ただ、「福沢さん」とあえて(初めて!?)呼びかけてお礼を言ったのが死亡フラグ……。
実はこの警官が運転するパトカーは署には向かっていないと乱歩さんは早々に気づく。
警官に問われるがままに異能で色々答えるんだけど、その中に事件の被害者に有機溶剤が付着していたって発言があって、
「服から有機溶剤の臭いのする警官さん」
いやああああああこわいいいいいい!!!
まさかそんな展開になるとは。乱歩さあああああああああん!!!
福沢さんも、一人にしてしまったことを激しく後悔してるけど、
そして乱歩さんはわざと誘拐されて黒幕をおびき出した上で福沢さんに助けてもらうって計画なはずなんだけど、
どれほど推理力があっても物理的に襲われたら防ぐことができない子供なんだよ乱歩さんは。
もうほんと苦しくて切なくてつらい。乱歩さん…もどかしい…ううううう…。
最終的には、拳銃で撃たれる寸前に福沢さんがその場に現れて助け出してくれるんだけど(乱歩さんの予想通りに)、
福沢さんは乱歩さんを平手打ちする。
頭脳で難敵に挑むのはいいが掛け金に自分の命を乗せるな。お前はまだーーー子供なのだぞ。
うあああああああああああん!
そして、ごめんなさいと繰り返しながら福沢さんにしがみついてなく乱歩さん、泣ける……。

そんなわけですっかり福沢さんに懐いた乱歩さん。
雑用係として雇うも、推理力の評判が広がって乱歩さんへの依頼が増えたり、
でも一人で行かせると乱歩さんを制御できないから福沢さんも来て、となったりで、行動をともにするようになる。


そして、乱歩さんに推理を依頼して、時々描かれていた杖をつく老人=夏目漱石に会いに行き、
異能開業許可証をもらって武装探偵社を立ち上げた、というお話でした。



めちゃめちゃいい話だった。
乱歩さんが自身を異能者だと言い張っていた理由とか、
一匹狼の福沢さんが、人を助けたい、守りたい、正義でありたいと望み、
乱歩さん、そして乱歩さんを守り正義を引き継いでくれる強く優しい人々とこの町を守っていくために設立したこと。
感動した。
これ、映画とかで2時間たっぷり使ってやってくれないかしら。
(もちろん幼少期の乱歩さんもCV:神谷浩史さん続投で!!)
小説版もアニメで放送されたとはいえ、これは時間軸があわないから過去編にせざるをえないし
そのままさりげなくアニメに入れてしまうのは厳しいと思うんだよね。いややってほしいんだけどね!?



ということで。
乱歩さん編(正しくは武装探偵社設立編)への愛が重すぎてこんなになってしまったので今回はここまで。
気に入ったので、残る小説1冊も買いました。
なぜこの順番なのか…完全に勘違いですが遅ればせながら買って読んだ「太宰治と黒の時代」(マフィア時代の太宰さんのお話)は
また別の時に。
CMでもやってるけど「この酸化する世界の夢から醒めさせてくれ」ってすっごく印象的なフレーズです。
これもね、、、、すっごくよかったのですよ。これも泣いた。



また長くなってしまうと思うので一度筆を置かせていただきます!それではまた!!