時事解説「ディストピア」

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ザ・コーブでは何が訴えられているのか?その5

2015-02-23 00:14:08 | ザ・コーブ
以上、ザ・コーブについて語ってきたが、まとめると


1・水族館ビジネスへの批判
  (イルカを2~3年でストレス死させるのを承知で売りさばくショービジネス
   および年間数十億ドルもの利益を得る水族館産業への批判。
   太地町は全世界にショー用のイルカを輸出する大供給地)

2・近年のイルカの乱獲
  (50年~70年代のハンドウイルカの平均捕獲数は976頭。
   現在(撮影時)は2万3千頭にまで急増。別種のイシイルカは80年代末、
   日本近海に生存する3分の1を捕獲したため、急きょ規制がされている。

   なお、捕獲数は毎年変動するが、少なくとも1万頭以上は確実に捕獲されている)

3・警察の監視および地元民の度が過ぎた暴力的な姿勢
  (常時、監視体制。車での尾行。
   入り江近辺の立ち入り禁止←合法的な追い込み漁の撮影が不可能に)

4・日本政府の買収行為
  (カリブ諸国を買収、漁場基地を無償供与、IWCの年会費を肩代わり)


ざっと挙げるだけで、これだけのことを述べている。

これら諸事実を無視して、捕鯨は日本の伝統的な文化だ、
捕鯨に反対するのは日本の伝統的な文化を攻撃するものだ、
だから捕鯨に反対する集団は反日なのだ、白人主義者なのだと叫ぶこと。


それがどれだけバカバカしいことか……よく考えてほしい。
上で掲げた問題を捕鯨支持者が取り上げたことがあっただろうか?

彼らは「捕鯨は正義だ、だからこのままでいいのだ」としか言っていないのではないか?

捕鯨やイルカ漁を続けるためにも、現実の問題点を指摘することは重要だ。
だが、現在の研究費が水族館ビジネスや捕鯨ビジネスで利益を得る政府や
産業によって賄われている今、これらに意見することがタブー視されているのである。

だからこそ、在野の人間が代わりに現行体制の欠点を指摘しなければならないのだが、
鎌田遵氏は何を血迷ったのか、インディアン問題だけ解説すればいいものを、
無理やり捕鯨とインディアンを関連付け、いずれも白人による侵略行為とみなしてしまった。


これは同氏の今後のキャリアを思っても、研究者としての信用を無くすだけだと思う。
(まぁ、それを言えばこの件に関する御用学者全員が信用を落としているわけだが)


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