横浜北部 障害児者支援 NPO法人 みどり福祉ホーム

横浜北部で重度重複障害者の日中活動、障害児者の生活支援、セイフティーネット構築を行っています。

本と床

2012-06-19 10:17:23 | インポート

小学生のころ、床に転がっている本を踏むと

頭が馬鹿になると親に怒られたものです。

今日の話はそのこととはあまり関係がない。

本の紹介をします。

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内藤晃「施設長の資格」中央法規

師康晴「出会えてよかった」 言叢社

2冊とも、障害を持った方にかかわる施設の

施設長だった方が書いた本です。

内藤さんが私の10歳くらい年上で、

師さんが20歳くらい年上と、

世代は多少違うのですが、

お二人とも、情熱をもって障害者福祉に取り組んで、

利用者のことを真剣に考え、ひたすら利用者のことをみて、

サービスを組み立て、組織を作り上げているという

印象を受けました。

制度や、差別に徹底的に怒り、それでも、今ある環境を徹底的に使い、

自分たちの施設を良い施設にするため、職員集団を徹底的に信じぬく。

私は、施設長として、組織を変えたい、少しでも良くしたいと考えています。

毎日、もがいています。

2冊の本は、素晴らしいアドバイスと、ヒント、叱咤にあふれています。

でも、答えは、書いていません。

答えは、みどり福祉ホームにかかわるみんなと一緒に

自分がもがいてもがいて探し出すしかないんだなという

当たり前の答えです。

内藤さんは、施設長より、若手・中堅の施設スタッフにこそ

この本を読んでほしいと書いています。

師さんは、市販されている本なのに、しつこいくらい、

職員と一緒に行ったコスト管理の実践を数字入りで書いています。

どちらの本も、みどり福祉ホームの本棚にあります。

是非借りに来て読んでみてください。

内藤さんはメルマガもやっています。

興味があれば検索してみてください。

最新号は「嘘をついてはならぬ理由」でした。

おもしろそうでしょ。

師さんには、残念ながらもうお会いして、その言葉を聞くことができません。

昨年、お亡くなりになったのです。

師さんが、立ち上げた、横浜の知的障害者授産施設「セルプ杜」に

みどり福祉ホームの生活支援職員香取が知的障害がある方の支援を学びに

1日体験に行かせてもらいました。

「素晴らしい施設で、職員も生き生きしていて、うどんもおいしかった。」と

感激して帰ってきました。

セルプ杜では、障害のある方の仕事の場として、大船駅の駅前に

うどん屋を出しているのです。

師さんの、遺志を継いで、今、セルプ杜の施設長をしているのは

私が床に転がっている本を踏んで親に怒られていた

小学生のころの親友榎正晴くんです。

榎くん、一緒に、もがこうね、お互い、汗びっしょりかいて。

ハンカチは常に2枚持って。

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床の話。

事務室の出入り口に雨が入り込んでぼろぼろになっているのを

サービス管理責任者がホームセンターで材料を買ってきて

直してくれました。

自分たちの仕事する場を愛してくれる気持ちがうれしいです。

業者に修理を出したほうがコスト管理的には安いんじゃ

という人もいるかもしれないけど、単純に、うれしいです。

自分たちの仕事は、たいてい矛盾と付き合いながら

前に少しずつ進んでいく仕事なんだと思います。

落語の三題話みたいに本と床が最後につながるかと思ったら

つながりませんでした。

では、また。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おすすめ書籍の紹介、いいですね。オレもこんどや... (第2しもごう所長(仮))
2012-06-21 23:10:15
おすすめ書籍の紹介、いいですね。オレもこんどやろうかな。
長くて暑苦しくて、最高の文章です。
お褒めいただき恐縮です。 (荒木 傑)
2012-06-22 08:30:11
お褒めいただき恐縮です。
ある年から、シャツを褒められたら、
照れることをせず 、相手の目見て
有難うと言うようになりました。
美容室でカラーリングしましょうかと聞かれたら
白くと答えるように。
文が長いのは、悪い癖です。
さすがに長所にはすり替えられない。

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