ヴェーダンタ哲学によると意識には7つのステージがあるのだそうです。私がとてもびっくりしたのは、【熟睡】【夢】【覚醒】が意識の最初の3つの状態だという、(19世紀インドのスリ・オーロビンドという人の)見解をある本で読んだ時です。人類はまだ進化の入り口に立ったばかりなので、この3つの意識状態しか体験していない人間がほとんどだという説には度肝を抜かれました。【睡眠】や【夢】も意識のある段階として認識するという知見には初めて触れたように思います。これら3つの意識の基本状態からさらに進化していける人はほとんどいないそうです。こうした考え方を前提とした7つの意識ステージについてご紹介していきたいと思います。意識の第1ステージは熟睡状態です。熟睡している瞬間も、人間は何かしら知覚を働かせていて、音、明るい光、接触のような刺激には必ず反応するのだそうです。しかし、大抵は感覚は鈍くなり、認識したり、知覚したりすることはほとんどないようです。意識の第2ステージは夢を見ている状態です。夢を見ている間は、熟睡中より眠りが浅くなり、身体も敏感になっています。夢を見ている最中は、夢を現実だと思ったりしていますが、目を覚ませば、夢での出来事が奇妙だと気づきます。意識の第3ステージは覚醒状態です。大多数の人がもっとも多くの時間を過ごしているのがこの段階です。目を覚ましている時の脳の活動は、熟睡中や夢を見ているときとはかなり異なっているとのことです。さあ!これからの段階は私には未知のステージです。意識の第4ステージは魂の姿を垣間見る瞬間に訪れるそうです。日常の意識を超越した時、ほんの一瞬、穏やかで静寂な状態が訪れ、【内面に住む観察者】に気づくのだそうです。瞑想中に訪れるのがこの意識ステージだそうですので、瞑想や気功の訓練を受けたことのない方には、アクセスすることが難しい意識段階なのかもしれません。けれど、瞑想や気功の入り口にいる私でさえも、この意識状態には、例え一瞬であっても到達することが不可能に思えるほど困難な意識状態です。この意識のステージは、一度でもアクセスすることが可能であって、次第に度々、この意識状態を獲得することが習慣となるようであれば、アクセスする度毎にこの意識状態はどんどん拡大していくという特徴があるようです。この段階に入ることが叶うようになれば、生理にも影響が及ぶそうで、コルチゾールやアドレナリンが減少し、ストレスも減っていくそうです。血圧は下がり、免疫機能の向上も見られるようになります。脳の活動も、起きている間の敏感な状態とはかなり異なってくることが証明されています。魂の姿を垣間見ることで、脳と身体のどちらにも生理的な変化が起こるからだそうなのです。(生理的な変化というものは、魂の姿を垣間見る=魂に触れることで起こるものなのですね!知りませんでした!)この意識状態になると、直感が鋭くなり、創造力や洞察力も増すようになります。宇宙意識に到達した時には、たとえサッカーをしていても、脳波は瞑想をしている時と同じ状態になっているそうです。(気功教室ではこのような意識状態を目指しているのかもしれません。)意識の第5ステージは【私がしばしば話題に出す】宇宙意識と呼ばれるものです。【そうだったのですね。宇宙意識とは第5ステージの意識のことだったとは!私が勝手に、宇宙意識と呼んでいた意識段階は実は、第4ステージのことだったので、私の認識が長い間、間違っていたことが、今になっては分かります。←以前、湖南さんにその点をご指摘いただいたことがありました。】この段階になると、自分で【自分のスピリットが】自分の身体を観察出来るようになるのだそうです。自らの状態に気づき、敏感になり、眠っている時でも、熟睡中の自分の身体を眺めることができ、自分が自分のスピリットと一体になると、(私には、これが具体的にはどういう状態になることを指しているのか、まだまったく掴めていないのですが…)熟睡中や夢を見ている時間だけでなく、目覚めている時でも知覚が鋭くなるそうです。どんな行動をしている時でも、その間中ずっと自分のスピリットは自分の精神と身体を観察出来ているのだそうですから、すごい状態に入っているということになりますね。これから次の段階のことに至っては、今までそんな意識状態があるということすら(私などはまったく)知らないできた領域のことです。意識の第6ステージは神の意識と呼ばれているステージのことです。今までの段階よりもさらに意識は覚醒していきます。自分だけではなく、他のすべての存在の中にスピリットを感じられるようになるそうです。動植物の中に感じられるようになるという事実には「まぁ、そうだろうなぁ」と思えますが、岩の中にもだそうです!(だんだん神がかってきました。)宇宙に存在するあらゆるもの、観察者も観察される者も、見る者も見られる者のどちらにも、生命力が表現されていることに気づくのだそうですから、やはり普通の生活者の意識からは程遠いように思えます。この神の意識を持つようになれば、あらゆるものの内面に宿る神の姿が見えてくるのだそうですが、この意識を体現できたのは、キリスト・ブッダのような人(?)たちだけだとのことですから、まず常人が獲得できる意識ではないでしょう!究極の目的である意識の第7ステージは統一意識と呼ばれるものです。(統一教会を連想してしまいますね!)これがいわゆる悟りの境地です。ここでは、生と死を超越した存在になるそうです。けれど、この世界は恐らく、紙一重でどちらに転ぶかは予想もつかない神がかった未知の世界なので、私たち凡人は、こうした世界のことは考えなくていいと、(むしろ考えない方がいい…と)私は思っています。せめて、宇宙意識を時々感じることが出来れば、もうそれだけで十分なのではないでしょうか?とても難しい意識状態のお話でした。本当にそんな意識の状態がありうるのかどうかは私には分かりませんし、とても恐くて、そうした意識状態に到達したいと考えていいのかどうかさえも分かりません。(考えてみても実際にそんな境地には至れっこないから安心ですけれど…)ただ、自分で自分の心身の状態を静かに見つめられるような意識状態をは是非とも獲得したというのは偽らざる悲願です。せめて、意識の第4ステージ位は目指したいからこそ、私は今日も、気功に励んでいるのだと思います。