4月を顧みて

2007-04-30 23:59:01 | ・今月のまとめ
ブ(カ)レー(ン)ストーミング★4月も終わってしまいました。今年の春は桜もいっぱいみたね。焦ったり、せきたてられたり、そうじゃなくて、なるべく自然体でいこう。ぐるっとパスに有効期限があるから、ぐるっと見逃さずにね。爽やかな季節だけれど油断しないでね。子どもたちとの時間も大事に過ごそう。ブログもあっという間に2年が過ぎました。これからどんな足跡を遺せるかな。かけがえない自分の人生をていねいに積み重ねていこう。そのこと忘れずに。

大正シック  

2007-04-30 23:56:55 | ・アート・展覧会
-ホノルル美術館所蔵品より- 東京都庭園美術館
★大正シック モダン日本の里帰り
この展覧会はホノルルで開催された後、
アメリカ国内を巡回し好評を博したそうです。
まさしく日本へお里帰りの展覧会なのです。
絵画や版画、ガラス工芸、大胆柄の着物もあります。

明治と昭和にはさまれた大正時代は15年という短い間でしたが、
あたたかみのある人間性豊かでロマンティックな香りが漂います。
大正デモクラシー大正ロマン・・・
タイムスリップできるなら、私はぜったい大正時代に行ってみたいと思います。
この展覧会をみてもやっぱりそう思いました。モガやってみたいわ。

★山川秀峰は伊東深水と寺島紫明とともに鏑木清方の三羽烏とよばれ、
「きいちのぬりえ」でおなじみ蔦谷喜一も秀峰に憧れて画家になった。
門下には志村立美がいます。→弥生美術館の展覧会をみました。

★「北野富恒門下の雪月花」と称された実力派→星加雪乃、別役月乃、橋本花乃。

注→北野富恒のこの絵(菊正宗)1915年は印刷博物館の展覧会で展示されています。
   富垣さんの描く女性は色っぽく艶っぽい、なまめかしい感じがします。

★フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルのテラコッタタイルの一部が展示。
そのデザインが、歌舞伎役者・市川団十郎家の家紋に似ているとのキャプション。
そんなことをライトが耳にしたら、怒るんじゃないかとふと思ってしまいます。
あくまでライトオリジナルだと言いそうで・・。

今回の展覧会の展示方法は和物の屏風などもあり、
すっきりシックでシンプルな感じ、それがまた美しい内部空間ともマッチしていました。

優雅に浸る。

2007-04-30 23:49:13 | ・お気に入り空間・街並み
美術館の展覧会にあわせて、
ただいまのウィンターガーデン内部はこんな感じです。
ブロイヤーのパイプ椅子ではなくロッキングチェアー。

展示作品の和田青華「T夫人」1932年 からのモチーフです。

座ることもできます。
ゆらゆら・・しばし心地よい時間を・・。
この空間、光が射し込んで明るかったです。

ウィンターガーデンの

2007-04-30 23:42:42 | ・とにかくラブリ~☆
これまた何のデザインだろう。
お花系にもみえなくないけど。

各部屋のラジエーターカバー
和風アール・デコな青海波や
チューリップなどの有機的なデザインもオシャレで粋ですわ。
殿下のお部屋だったかな、噴水だと思うけど、私にはどうしてもイカゲルゲにみえてしまう。
次回のお楽しみ建物オンリー公開はクリスマスの頃のようです。

ガーリーテイスト。

2007-04-29 23:23:18 | ・大好き☆建築あれこれ
今夜の『情熱大陸』に
登場されていたのは若手建築家の中村拓志さん。

彼の気になる発言、
「この稼業やっていくうちにだんだん自分自身が女っぽくなってきた。
 ちょっとずつ変わってきた。
 そこにいる人の気持ちになれる、女性的な繊細な感性がないとできない。
 今、それを求められているのを肌で感じる・・・。」

えどはくカルチャー春

2007-04-29 14:30:45 | ・講演・セミナー・シンポ
20070428 ★ 日本建築家列伝シリーズ <村野藤吾> 

江戸東京博物館都市歴史研究室
助教授?(准教授?)米山勇先生の講座。

わかりぬくいとされる村野作品をわかりやすく解説してくださいました。

・村野さんは正面からの見え方にファサードに固執したということ。
講座資料写真のように確かに並べてみるとパターンがよくわかる。
・渡辺節の事務所での修業時代、歴史様式主義を徹底的に身につけたのが
かえってその独立後の自由さにつながったのはなるほど理解できる。
・海外への渡航の経験もロシア構成主義などの影響を受けたデザインとして
いかされている。
・村野作品「キャバレーアカダマ」(昭和7)資料に載っていたのでウレシイ。
デ・ステイルですね、看板文字はネオンなのかしら?

☆村野作品は二面性を併せ持っているということ。
★「様式」と「モダン」
★「経済」と「豊潤」
★「施主」と「建築家」
★「システム」と「自由」
★『様式』と「自己」
★「崇高」と「世俗」


わたし個人的には村野さんのいくつかの建築作品、空間には女性的なもの、を感じるのです。それは、丹下健三や前川國男、吉村順三さんの建築作品には感じないものであります。作り手の村野さんご自身は明治生まれの九州男児だから違うのでしょうが、うねる曲線を描く作品などには女性的な情念とまでいかなくても、何かそんな雰囲気を感じてしまいます。誰も真似できない村野流、個性、そこに生命力とエネルギーがあります。逆梁構造の宇部市民会館(渡辺翁記念会館)と広島の世界平和記念聖堂はどちらも国の重要文化財で、いつか必ず訪れてみたいと思います。もちろん錦帯橋、佐藤武夫の「岩国徴古館」も計画にいれて・・・。

今回の西の村野藤吾に対して
次回の建築家列伝は東の丹下健三です。つながります。
(米山先生、プチ予告編をありがとうございました。丹下のトラウマとは?)
みなさん受講可能です。

夕方スゴイ雨、ティールームで友人たちと雨宿りした。(傘は持っていたけれど)
ああだのこうだのいつもながらのケンチクトーク三昧な時間。楽しい。
そして、出てきたときにはすっかり雨はあがっていた。
私はその後、ぐるっとパスで江戸博の常設展をみた。

建築家列伝

2007-04-28 23:59:16 | ・大好き☆建築あれこれ
 今夜知ったところの話なのですが、大阪ミナミの新歌舞伎座が取り壊されるんですって、ショックです。昭和33年竣工で老築化が激しくて使いづらいとのこと、どなたかうまく補修工事引き受けてくれる方はいないのかしら。そう思ったら、処女作である日本橋の近三ビルは昭和6年から長持ちしていますね。建物の用途が違いますから比較はできませんが、今日は建築家列伝シリーズの村野藤吾さんのお話をうかがってきたばかりなので、取り壊しの話はタイミングがよすぎて残念です。(あのパロディのような連続唐破風は大阪やからあうねん、ええねんやん、もう誰もあんなんつくってくれへんわ。)
 
 お馴染みえどはくカルチャーの大事な米山先生の講座でしたのに、どうも最近、私のなかの時計が壊れがちでダメなのです、あろうことか冒頭15分遅刻してしまいました。先生、申し訳ありませんでした。もったいないことをしたのですが、そこの内容部分は後からお友達がフォローしてくれました。ちょうど私が入室したとき村野さんが後藤慶二の「豊多摩監獄」をみたというタイミングで、いきなりカンゲキしてしまいました。年譜をみると村野さんは明治生まれで昭和59まで長生きされていますから、時代も長い、遅咲きかもしれませんが作品数が多いのです。豊多摩監獄が建った大正4年は早稲田大学理工学部の電気科から建築学科に24歳でようやく転科することができた年であり、建物に情熱が向いていたのはまちがいありません。監獄ではあるけれどあたたかい豊多摩の赤レンガの趣、大正時代の人間味あるヒューマニズムの息吹も味わっているのです。白樺派の有島武郎の文学思想にも影響を受け、早稲田では今和次郎や佐藤功一、内藤多仲などの先生からも教わっていて影響を受けました。感受性の強い学生時代にいろいろ吸収していったのだとわかります。

 しかしながら、村野藤吾は不思議な建築家で、そこにはわかりぬくさがあり、一般的に評価しぬくい建築家だとされています。海外からは特にそうだとか。位置づけされぬくいことは建築家・隈研吾の著書『負ける建築』のなかでも村野藤吾に関しては同じようなことが記されいます。そんな建築家・村野藤吾さんを本日のえどカルで米山先生が最大限わかりやすくお話ししてくださいました。村野さん、生まれは辰野金吾と同じく佐賀県唐津です。
つづく。

星の王子さま

2007-04-27 23:59:01 | ・アート・展覧会
★サン=テグジュペリの星の王子さま展 
最近日本でみつかった貴重な原画展示あり。
松屋銀座8階
「かんじんなことは目に見えないんだよ・・・」 

 翻訳者であるフランス文学者・内藤濯氏の没後30年にあたり、足跡が紹介され、こちらも興味深い内容でした。内藤さんはフランス留学中に石川啄木や与謝野晶子、北原白秋の和歌を仏訳して、パリの文学サロンで発表していたそうです。昭和女子大学で教鞭を執っていたころは「詩は言葉の音楽」との思いから詩の朗読会を行っていました。星の王子さまのリズム感あふれる名訳は内藤さんの言葉を大事にする心から誕生したのだということがよくわかります。家庭では子煩悩のお父さんだったのでしょうか『初穂集』と長男の名前が付いた記念写真集がありました。

 内藤さんは岸田今日子さんの父である岸田国士とも親交があったので、傘寿のお祝いに今日子さんが所属していた劇団でアフレコしたアニメーション「星の王子さま」なども製作されました。小池朝夫さんや名古屋章さんも声の出演をされていました。今ではみなさん亡くなられてしまいさみしいかぎりです。これは会場内のスクリーンでみることができます。

 愛蔵本をご献上した当時の美智子妃殿下、皇后美智子様とのあたたかいご交流なども紹介されていました。内藤さんの詞に美智子様がメロディーをおつけになったそう。本の題名はリトルプリンスのところ、ひらめきで「星の」とつけたとのこと。ステキなひらめきです。そして日本には心に残る「星の王子さま」が生まれたわけです。これからも読み継がれていってほしいステキなお話です。